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2024年9月

これでブログは終了させてもらいます。ありがとうございました。

 対話形式で進める。

客 ブログから卒業するということじゃないか。何か病気でもしたのかな?

主 いやいや、いたって元気だよ。

客 それじゃあ、どうしたの?

主 このブログは、もう20年以上続けてきたからね。
  始めた理由は、最初は現場からの報告みたいなものだったけど、退職してからは現場に寄り添って、教師の立場から発信してきたからね。
  それで、最近は、近況報告ばかり(つれづれなるままに)になってしまっていて、その役割がもうとっくに終わっていたことに気づいたん
だよ。

客 その近況報告で、ブログはいいじゃないの?そんなブログはいっぱいあることだし……。

主 いやいや、けじめがあるよ。自分なりの役割が終わったら、もうひきあげなくてはならないよ。元気なうちにやらなくてはと思ってね。

客 それにしても、今日時点(9/12)でアクセスが「3945306」ということだから、今まですごい数のアクセスがあったことになる
ね。

主 ありがたいね。ほんとうに感謝したい。

客 残念だね。さびしい気持ちにならないの?

主 そうだね。私は今までこのブログを基点にして、さまざまな情報発信をしてきたから、それがなくなるからさびしくなるね。
でも、それは仕方ないことだよ。始めがあれば、必ず終わりがあるから。
  始めは、勢いで始められるけど、終わりは大変だよ。

客 そうか、引き際はそんなに大変なんだ。
  でも、教育界で、あんたの歳(77歳)で講演をやったり、本を書いたりしている人は、もういないんだから、さまざまなことから手を引
いていくのは必然だね。

主 そうだね。野口芳宏先生は、米寿を迎えても元気に飛び回っておられるから、お前もがんばれという励ましは受けたけど、あんな偉大な野
口先生と比べられても、こっちが困ってしまうね(笑)。

客 それで、あんたは、これからどうしていくの?
  もう発信していく場はないんではないの?
ライフワークとして取り組んできた初任者指導の仕事も、まだまだどうにもならない段階だし、課題はかなりあるね。

主 課題は常にあるから、終わりはないよ。
  でも、初任者指導については、自分の中ではずいぶん見通しが出てきているよ。
客 どういうこと?

主 初任者は、今まで初めの担任だから、うまくいかないのが当たり前だと思われていて、
  クラスが賑やかになり、うまく軌道に乗らないということを続けてきたはずだ。
だけど、初任者でも、きちんとした取り組みをやれば、クラスは軌道に乗ることが分かってきたんだよ。

客 それは貴重なことだね。
  これから、どんどんクラスは荒れていくことは分かりきっているからね。

主 そう、そう。「多様化した子供たち」に学校は対応できなくなっていくからね。先日も、親しい知り合いの孫の学校だけど、3年から6年
生までの学年で1人ずつ先生が休職することで、学校は学年3クラスを2クラスにするなどの措置をしていると聞いたね。

客 欠員が出ても、今は誰も補充の先生はこないから、大変だ。
  これからいっぱいこんな状況が出てくることははっきりしている。
  そんな状況で、このブログを止めていくのは、心残りがあるだろうね。

主 もう77歳の喜寿を迎えたんだよ。そんなに長くやれるはずないよ。

客 これからどうするんだい?

主 それは、もう普通の老人としての生活をしていくだけだよ。
  まだまだ元気だから、家事をこなしていくことだね。
  家族を大切にするというのが、私の最大の目標だから、それに従っていくということになるよ。
  共に生きてきた人をしあわせにするというのは、もっとも大切だ。
  もちろん、今までやってきた仕事もまとめなくてはならないけど……。

 ★
 これで終わりである。

今朝は、早起きで、5時起床。
 部屋の気温は、29℃。ぬるったい暖気がたちこめている。
 季節は、まだまだ暑さが続いていて、秋の兆候はどこにもない。
 
外にでてみる。
 太陽が輝きだして、真っ青な空が続いている。
座り込んで、その「青さ」を見つめる。

 終わったんだ、と思う。
 ふしぎな風が頬をなでてゆく。
 それはとてもふしぎな、心をそよがせる風である。

 そういえば、この風は、退職のときにも吹いたことがある。
 3月31日の完全退職の日、大雨でできたみずたまりの道を避けながら歩いた帰り道。
 そのときも、吹いた風なのだ。
 「終わったなあ!」という心にしみわたる風だった。
 
 ふと、谷川俊太郎さんの「手紙」という詩をおもいだす。

手紙
  電話のすぐあとで手紙が着いた
  あなたは電話ではふざけていて
  手紙では生真面目だった
  <サバンナに棲む鹿だったらよかったのに>
  唐突に手紙はそう結ばれていた

  あくる日の金曜日<気温三十一度C>
  地下街の噴水のそばでぼくらは会った
  あなたは白いハンドバックをくるくる廻し
  ぼくはチャップリンの真似をし
  それからふたりでピザを食べた

  鹿のことは何ひとつ話さなかった
  手紙でしか言えないことがある
  そして口をつぐむしかない問いかけも
  もし生きつづけようと思ったら
  星々と靴ずれのまじりあうこの世で
 
 
 ブログでしか言えないことを生真面目に書き連ねてきたのだろうか。
 うまく伝わったのだろうか。
 ありがとうございました。
                           (完)

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