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緊急の、学校現場に課せられる重要なテーマ(6)~組織論2の要諦~

 荒れたクラスを受け持ったとき、ほとんどの先生たちが気にかけて、毎日指導していく子供たちがいる。
 やんちゃな2,3人の子供である。
 目立っているので、当然そうなる。
 「この子たちが、このクラスを荒らしているのだ!何とかしなくては!」と。

 何とかなったことはほとんどない。
 ますます荒れは広がっていくことになる。

 最近、学校の中心を担ってきた先生や、高学年を専門にしてきた先生たちのクラスが学級崩壊になっていくことがとみに増えた。

 なぜか?
 調べたことがある。

 共通しているのは、1つ。

 「しょっちゅう叱っている」。

 やんちゃな子を叱ったり、全体を叱ったり。
 ますますクラスは荒れていき、学級崩壊になる。

1 「2」割の活躍がクラスを軌道に乗せる!
 上の事態は、組織論2を分かっていないことになる。
 
 組織論2とは、2割の法則である。

パレートの法則(2:8の法則)がある。
 このパレートの法則とは、その組織体の8割の成果は、2割の要素(あるいは人たち)によってもたらされるというもの。

 
 このパレートの法則から、その発展系の組織論として「2:6:2の法則」が生まれている。 
 だから、これを組織論に生かしていくと、組織の「2:6:2」の構成の中で、最初の「2割」の人たちが、8割の成果を上げていることになる。

 これをクラスに喩えると、クラスがうまく軌道に乗るのは、2割の真面目派の子供たちがクラスの中で活躍しているからということになる。

 クラスがうまくいくかどうかの決め手は、この「2割」にかかっている。
 この2割が、担任に味方して先頭をきってクラスの活動をしていく。
 それにつられて、6割の中間派が一緒に活動をする。
 順調なクラスは、そのような構造になっているはずである。

 ところが、荒れているクラスを担任したほとんどの先生たちは、決め手は最後の「2割」(超やんちゃな2,3人の子供)にあると勘違いしてしまう。
 周りの先生たちも、そのような認識をしている。
 「この子たちを何とかしなくては!」と。
だから、担任は、超やんちゃな子ばかりにベクトルを向けてしまう。

2 組織論2の要諦

 荒れているクラスに、まず第1に手を付けていくのは、その超やんちゃな子たちではない。
 「2」割の真面目派と、共にやっている「6」割の中間派である。
この子たちをしっかりと担任の味方にしていくのである。
 これが組織論2の要諦である。

 どうしていくのか?
 常にこの子たちにベクトルを向けておくのである。

 そして、その子たちに「ほめる」「認める」言葉をどんどんかけてあげることである。
 ちゃんとやっているのであるから。

 私は、「2割の真面目派に6割の中間派を引き寄せて、8割を味方につければクラスはきちんと軌道に乗せられる」と主張している。

 荒れがひどいレベル3や、レベル4のクラスは、時間がかかる。
 我慢比べをしなければならない。

3 担任が見捨てられる行動を取ってしまう!
 うまくいかない場合がある。
 もちろん、超やんちゃな子ばかりに対応していてはうまくいかない。

 そればかりではなく、真面目派の子供たちが、担任を見捨てる場合である。
 その子たちが動かなくなる。

 それは担任に原因がある。
 見捨てられる行動を、担任がとってしまうからである。

 それは、コロコロと方針を変更していく場合になる。
 一貫性のある指導をしないで、ころころと方針がぶれる。

 真面目派は、1,2回の方針変更は仕方ないと思っている。
 ところが、何回もコロコロと方針が変わっていくと、「もうやってられない!」と担任を見捨てていく。

 なぜ、そんなにコロコロと方針を変えるのか?
 
 ここにも決め手の考え方が影響を与えている。
 担任の方針に、超やんちゃな子が文句を言う。
 その文句を聞いて、方針を変える。
 また、違う超やんちゃな子が、その方針に文句をつける。
 その文句を聞いて、また方針を変える。
 
 「○○さんの考えはよく分かるよ。でも、せっかく先生が方針を提起しているんだから、それでしばらくやってみて、それでうまくいかないならもう一度話し合おうか!」と言っておけばいいのに、「彼らの思いを大切にしよう!」とするあまりにコロコロ変わってしまう。
地獄への道は、いつもこんな甘言から入っていく。

 2割の真面目派が決め手であると分かったが、さてその目立っている超やんちゃな子供たちをどうしたものか、ということになる。
 これについては次回書いていきたい。

 
 
 

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