緊急の、学校現場に課せられる重要なテーマ(8)~困難校を改革する~
荒れたクラスを見るとき、特徴的なことが3つある。
①時間にルーズになっている。
②教室が汚い。
③子供たちの言葉や姿勢、動きが汚い。
これは何だろうか?
集団が集団として機能する基本的な根幹がなくなっていることなのだと、私は考える。
これは、人が集団の中で過ごすための、どうしても必要になる基本的な秩序が亡くなっているということになる。
この秩序のもとに、子供たちは、普通の、まともな生活を送っている。
この秩序がなくなると、その集団に集う子供たちの生活は、「荒れ」てくる。
その荒れの現象が、この3つに特徴的に現れるということではないか。
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森信三先生が、『一語千鈞』(致知出版社)の中で指摘されている「再建の三大原理」は、以上の基本的根幹「秩序」の回復である。
「時を守り、場を清め、礼を正す」
これ現実界における再建の三大原理にして、いかなる時、処にも当てはまるべし。
1 困難校を改革する!
この三大原理を中心に据えて、困難校を改革した実践がある。
北海道大曲小学校を改革した横藤雅人校長の実践である。
この学校には、3年間通った。
最初にこの学校へ行くと、校長室で3人の子供が勉強していた。
学級では、授業の邪魔をして学習ができないので、校長室で勉強している子供たちなのである。
話によれば、先日国道36号線上で、3台の自転車で車をせき止めて、逃げたという事件があり、6年生が捕まったということ。
もちろん、学力などは、全国学力テストの最下位を占める北海道の中でも、また最下位の位に位置する、と。
荒れまくっていたわけである。
3年目にこの学校へ行くと、廊下で立ち止まって挨拶してくる子供たちがいた。
この変わり様は、なんということかと驚いたものである。
さまざまな改革がなされた。
それは、『学力向上プロジェクト』(明治図書)という本に収められている。
2 三大原理の実践とは~組織論3~
この学校での、森信三先生の三大原理の実践とは、どんなものだったのだろうか。
①時を守る
・全教室を電波時計に変える。
・チャイムを復活する。
・日課表をきちんと守らせる取り組み など
②場を清める
・教具室の片付け
・靴箱、ロッカーの整頓
・机、椅子などの整頓 など
②礼を正す
・挨拶をきちんと正す
・立腰 など
これはその一部であろうが、このような取り組みがなされている。
子供たちの集まりが組織として成立するための基本的根幹を、このようにして回復されていったのである。
(つづく)
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