緊急の、学校現場に課せられた重要なテーマ(4)~組織論1を実践する~
私は、最後の勤務校となる、O小学校へ赴任した。
2001年。もう22年前のことになる。
このO小学校は、Y市小学校360校の中で5本指に入ると言われている困難校であった。
ここに赴任すると聞いた同僚は言ったものである。
「それはかわいそう。3年我慢して、すぐに異動すればいいよ!」と励まされたわけである(励ましにもなっていないが<笑>……)。その学校は、「3年学校」と呼ばれていて、3年経ったならばどんどん先生たちは異動していくところだったのである。
私が赴任したときも、今までの先生は、ほんの数人しかいなかった。
他の大勢の先生たちは、私と同じように赴任してきた人たちであった。
そのO小学校で最初に担任した5年生のクラス。
前年度の4年生では、1クラスが学級崩壊になっていた(その学校は、他にもいくつものクラスが学級崩壊になっていた)。
そのクラスの半分が私のクラスにいたわけである。
蓋をあけてみると、なんと隣のクラスは、初任の先生(男の先生)だった(2クラスの学校)。
「おいおい、こんな人事があるのか?初任者を潰してしまうのか?」と思ったものである。
1 組織論1の実践
この5年生で実践したのは、組織論1の「組織立ち上げの組織論」である。
はじめてきちんと意識してこの組織論を実践したことになる。
このクラスの荒れの状況は、心配するほどのことはなく、レベル1の「ほころびの状況」と思われた。
前学年で学級崩壊の中心人物と言われた子供が、中心に座ってぺらぺらしゃべっていて、私が話すとその言葉尻をとらえて、みんなを笑わせる仕草を繰り返していた。
テキトウに付き合っていく。
その間にしっかり「学級づくり」をしていく。
何よりも素直な子供たちがいることがうれしかった。
意識して取り組んだことは、次のことになる。
(1)「3・7・30の法則」で1ヶ月を過ごす。
「3」で担任としての印象づけをし、「7」で学級の仕組みをつくり、「30」でつくった仕組みを定着する。
(2)「学級づくり3原則」として提起していた「関係づくり」、「仕組みづくり」、「集団づくり」を具体的に実践する。
その効果は見る見る表れた。
その年、順調に学級が軌道に乗り、1年間を終えることができた。
隣の初任者も、学級が崩れることなく何とか1年を終えることができた。
「そうなのだ。学級経営は、最初の『学級づくり』が大きな決め手になるのだ!」と自信を深めた1年であった。
自信を深めて、1冊目の本『困難な現場を生き抜く教師の仕事術』を出したのが、2003年のことである。55歳になっていた(そのO小学校は、2年目で普通の小学校に回復していって、学級崩壊がなくなっていった。その詳細についてはここでは触れない)。
それでも、なぜ1ヶ月なのか?
学級をそんなに早くつくりあげることにどんな意味があるのか?
もっとゆっくり2,3ヶ月かけてつくっていけばいいし、遅くても1学期間でまとまればいいのではないか、という疑問が当然出てくる。
それについては次回考えたい。 (つづく)
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