緊急の、学校現場に課せられる重要なテーマ(2)~3つの組織論~
荒れたクラスを担任したときの処方箋とはどんなものなのか。
私は、組織論で対抗する以外にないと考えている。
学校現場には、こうした考えはほとんどない。
対症療法でしか対応できない。
うまくいくはずはない。
学級も1つの組織体である。
だから、壊れた組織を回復する手法は、組織論を適用するのである。
学級組織論。
「学級を軌道に乗せるために行う組織運営の方法論」ということになる。
なぜ組織論か?
組織には、特別な習性がある。
その特徴は、もちろんメリットもデメリットを含み混んでいる。
一人一人と関係をつくるということにはない、組織としてのダイナミズムが存在する。
それを利用しようということになる。
「そんなものがあるのですか?」
と言われそうである。
もちろん、ある。
ただ、その組織論を知ったからといって、「どうすればいいか?」という具体を導き出せなくては絵に描いた餅にしかすぎない。
だから、大変なのである。
3つの組織論がある。
1つ目は、組織立ち上げの論になる。
クラスを立ち上げるときに必要な組織論がある。
これは、私たちが明らかにしてきた組織論である。
学級をつくるときに必要な「学級づくり」、子供たちとの関係をつくる「関係づくり」、学級のルールづくりをする「集団づくり」がある。
そして、学級をつくるときにどうしても外せない1ヶ月(4月)の法則がある。
私は、「3・7・30の法則」として20年前に明らかにしている。
2つ目は、2割の法則である。
パレートの法則(2:8の法則)を具体的な組織論として応用した「2:6:2の法則」がある。
その組織体の8割の成果は、2割の要素(あるいは人たち)によってもたらされるという法則である。
この法則を学級組織の方法論として適用していきたい。
3つ目は、組織再建の法則である。
森信三先生が明らかにされた組織再建の方法論がある。
「時を守り、場を清め、礼を正す」
森先生は、再建の方法論として提起されているが、最初からこの3つを意識して学級をつくっていけば、学級の骨格はきちんと整うことになる。
これらの組織論を具体化しながら、学級経営をしていくのである。
くりかえし、くりかえし、粘り強く取り組まなくてはならない。
問題は、担任が、その粘り強さに耐えられるか、その一事にかかっている。
次回から具体論に入っていきたい。 (つづく)
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