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2023年7月

自分のことを考えるな。遠くを見よ!

 北海道である学校を訪問したときに、教頭に聞いたことがある。

 「全国の学校を回っているのですが、北海道の先生たちは、とくに元気なことが
  分かります。何が違っているのでしょうか?」

  教頭は、答えられた。
 「野中先生、それは先生たちが悩んだりしたら、すぐに車で海や山に行けて
  そこに浸ってくるからですよ!北海道はそれがすぐにできるんですよ!」

 確かに、確かに、そう思えた。
 私は、50回ぐらい北海道に行っているのだが、言われることがよく分かる。

 ★
 こう言われたとき、フランスの哲学者アランの『幸福論』(集英社文庫)を思い出していた。

 「抑鬱病の人たちには、わたしはたった一つしか言うことがない。『遠くを見よ』
  と。抑鬱病の人は、ほとんどつねに、読みすぎる人である。しかし、人間の目は、
  そういう近距離のためにつくられているのではない。広々とした空間のなかで憩
  うものだ。星や海の水平線をながめていれば、目はすっかりやすらいでいる。目
  がやすらいでいれば、頭は自由になり、足どりももっとしっかりしてくる。から
  だ全体がくつろぎ、内臓までしなやかになる。しかし、けっして意志の力でしな
  やかになろうと試みてはいけない。自分の意志を自分のなかにさし向けたのでは、
  なにもかもがうまくいかなくなって、ついに自分の息の根をしめるようになる。
  自分のことを考えるな。遠くを見よ」
  
「自分のことを考えるな。遠くを見よ」なのである。
海へ行って、一日ずっと海を眺めて暮らす。
山へ行って、一日ずっと山の木々を眺めて暮らす。

スマホを止めて、ひたすら遠くを見る。そこに浸っていく。
そんな無為な時間をもつこと。

 自宅の2階にあがる。
 窓を開ければ、ずっと向こうに青々とした森が広がっている。
 眺めていると、この森は、自分のために存在している、と思えてくる。

 しあわせの時間。
 ときには、コーヒーを飲みながら、しばし森を眺める。
 

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6回目のオンライン講座が終わりました!

6回目の「オンライン教師1年目の教室」が終わった。
 これで今年度は終了。
 参加いただいた方、ほんとにありがとうございました。

私たちの主張が、徐々に浸透してきていると実感している。

 それは、一緒に講座を担当している秦先生の実践報告にも表れている。
 秦先生は、今年度も4人の初任者を担当されている。

 今回の6回目には、その初任者の状況を報告されている。
 4人の先生とも、クラスが落ち着いているということ。

 それは、最初の「学級づくり」が大きな成果に結びついていることを報告されている。

 何をされたのか。
 4人の先生の共通事項は、次の4つ。

①「返事」「言葉づかい」の指導を繰り返す。
②教室をきれいに保つ。
③日直が一日をまわす。
④目標達成法を早期に導入。


 上の4つは、まさしくその実践なのである。
①②は、子供たちとの「関係づくり」で言えば、縦糸張りに当たる。
 ③は、「学級づくり」の仕組みづくりに当たる。
 ④は、「集団づくり」のルールづくりに当たる。
 ★
 私は、学級が早く軌道に乗るためには、いかに早く教室に、学級がスムーズに動いていく秩序をつくりあげるかにかかっていると考えている。
 
 なぜ、学級がスムーズに軌道に乗るために、安心・安全な秩序を早く作らなければならないのか?
 その理由は、3つある。

①多くの子供たちが望んでいる「教室の安心感」が増すためである。
②真面目派の子供たち(2割)が、学級を引っ張っていきやすくなるためである。
③最初から逸脱行動を取っている、やんちゃな子供たち(2,3人)がさらに暴走
 していく行動を抑えていくためである。

 このような秩序は、授業の指導だけでは成立しないことは、もはや明らかである。
 
 だが、初任者指導の現実は、ほとんどが授業の指導だけで終わっている。
 だから、うまくいかなくなっている。
 
 私たちの提案は、こういう現実を変えたいという思いからである。
 そして、私たちの提案が確実に成果をあげていることは、秦先生の初任者指導の結果に表れている。
 ★
 これは、初任者指導だけのことではない。
 今学級が不安定になっている中堅、ベテランの先生たちの学級経営にとって、何が必要になっているのかを示していることになる。

 私たちは、来年度も2月から7月まで「オンライン教師1年目の教室」を開催したいと考えている。
 多くの先生たちが参加されることを願っている。

 

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第6回目の「オンライン教師1年目の教室」を開催します!

   もうすぐ1学期が終わる。
 
 1学期が終わるということは、3つ目のハードルを越えたことになる。
 何のことか?

  1年間に越えなければならないハードルがある。
 これは初任の先生だけのことではない。

  そのハードルとは、5つ。
  ①始まって1ヶ月(金の時間)
  ②魔の6月
  ③1学期
  ④夏休み明け1週間(銀の時間)
  ⑤落ち着かなくなる11月 

  1学期が終わるというのは、このハードルの3つ目を越えたことになる。
 もちろん、その越え方には差が出てくる。

  初任の先生は、「やっとここまで辿り着いた!」という場合がある。
 とにかく、辿り着いたのだ、それで良しとすることである。
 仕事の鉄則には、「3ヶ月はがんばってみる」ということがあるので、とにかく辿り着いたのである。

  順調に辿り着いた先生は、①のハードルの越え方をがんばったのである。
 だから、②のハードルも順調である。

  ところが、①のハードルをうまく越えなかった先生は、②のハードルでつまずき、へとへとになって③へ辿り着いた、ということであろう。

  勝負するのは、①の金の時間だったのである。
 ★
 もう一度チャンスがやってくる。
 ④の銀の時間。今度は、1週間しかない。
 もう二度とこのようなまとまった時間はない。
 1学期に、やっと辿り着いた先生は、この1週間にかけることである。

  オンライン教師1年目の教室も、今回の6回目で終わりになる。
 1学期のまとめをして、夏休み明け1週間にどのようなことをやるのか、それを提案したいと考えている。
 参加をお願いします。

https://peatix.com/event/3620060

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