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授業をしました!

 神奈川県の厚木市立T小学校へ行った。
 初任の先生のクラスで授業(3年生)をさせてもらうことになっている。
 楽しみで、わくわくしながら行った。

 

 そして、その後先生方へ対する講座である。
 テーマが、「教師のスキルアップを図る学級経営のありかた」。

 5時間目の授業。
 ところが、このクラスの初任の先生は、熱を出して休んでいる(あとでコロナ陽性と判明する)。これは大変。
 このクラスへ行き、最初の5分間は、自己紹介(この自己紹介の仕方を先生方に見てもらいたかったと、あとで校長先生は言われていた)。
 とっておきの笑いネタで迫る。子供たちは、笑う、笑う。
 子供たちの名前を呼びながら話すので、子供たちはびっくり。
 どうして知っているの?と。
 事前に座席表を送ってもらっていて、全部の子供の名前を覚えていったわけである。

 

 授業は、これもとっておきの「なくぞ」という谷川俊太郎さんの詩。
 3年生ぐらいにぴったり。

 この授業は、インプットとアウトプットを小刻みに繰り返してつくっている。
 「小刻み学習法」と名付けている。
 先生方には、「脳科学の法則から授業の原点を考える」ということで、この授業をしていると紹介した。

 

 脳科学の法則は、こうなる。
★ ★ ★
 インプットしたら、その知識をアウトプットする。実際に、知識を「使う」ことで脳は「重要な情報」ととらえ、初めて長期記憶として保存し、現実にいかすことができます。これが脳科学の法則です。
(『アウトプット大全』樺沢紫苑著)
 ★ ★ ★
だから、「授業でインプットしたら、それをアウトプットすることで脳の中に長期記憶として保存する」。
 この長期記憶が「学力」と言われているものである。

 

 このインプットとアウトプットは、どんな授業にもあるはずである。
 だから、私は授業の原点として定義している。

 

 樺沢さんによれば、インプット:アウトプットの黄金比は、(3:7)ということである。
 そうすると、インプットは、45分の授業にすれば13分か14分。
 
 そんな授業なんかほとんどやっていない。
 ほとんど「7:3,8:2,9:1」の授業をしている。
 インプットだらけの授業。
 
 そのため、せめて、「5:5」の授業をしましょうと呼びかける。
 ★
 この授業は、「小刻み学習法」として、次の視点で授業をつくりあげている。

 

①インプットとアウトプットの小刻みくり返し
②全員参加
③フォロー

 

 問題は、全員参加である。
 多くの先生たちの授業は、「挙手指名型授業」をされている。

 

 発問をされて、子供たちは挙手をする。
 先生は、多くの子供たちが挙手することを望まれるが、結果的にはいつもの4,5人になってしまう。
 この4,5人が発言することで、ほとんどの授業は進んでいく。
 大半の子供は、傍観者になる。

 問題は、この傍観者である。

 

 最初は、静かに教師の話を聞いているが、そのうちに聞かなくなる。聞いたふりをしているだけ。
 最大の問題は、この傍観者の子供たちが、「考えなくなる」ということである。
 ★
 今新しい教育として「対話的」ということで話し合いの授業が推奨されている。
 さかんにそのような授業を追究されている。
  
 話し合いができるということは、話し合いをする子供たちが、自分の考えを持っていることが前提である。
 ところが、今まで「挙手指名型授業」ばかりしているので、きちんと考えて、発言できるのは、4,5人程度。
 他の子供たちは、課題に対して自分で考えて、自分の答えをもつという習慣をもっていないので、対話的な話し合いに参加できない。ただ、聞いているだけ。

 

そのために、対話的な授業は、形だけのグループの話し合いになっていて、実質的な話し合いになっていない。
 そんな研究授業ばかりになっているではないかと予想している。

 

 だから、私は先生方に次のように提案する。授業もそんな授業をする。

 

 「指名する」こと。
 全員参加の方法は、次のこと。

 

 ①発問をしたら、ペアで話し合わせる。
 ②グループで話し合わせる。
 ③列指名をする。
 ④男女別指名をする。
 ⑤名前順指名をする。
 ⑥水戸黄門式指名をする。
 ⑦挙手指名をする。  などなど
 
 私は、授業で①、③、⑦を使った。

 

 なぜ「指名をする」のか?

 

 全員の子供たちに、「自分で課題を考える」、「その考えを言葉にする」、「それを相手に伝える」をさせるためである。
 これがなければ「対話的な話し合い」はできない。
 義務教育の段階(とくに小学校)では、ぜひとも必要なことだと、思っている。
 ★
 授業は、3年生になって6日目の子供たちである。
 2行ずつ詩「なくぞ」を板書して、それをノートに写し、そして列指名で音読させる。
 これを繰り返したわけである。

 

 しかも、「3年生のスピードで書きます。書き終わってから5秒間待ちます。その間に鉛筆を下ろした人は合格!」と言うものだから、子供たちはものすごい集中。

 

 45分間、これを繰り返すわけである。
 最後には、子供たちはへなへなになっている(笑)。
 こんな集中をしたことがないからであろう。
 
 

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