年度の途中でクラスを解体していく!
先頃の参議院本会議の代表質問で、立憲民主党の水岡議員が、岸田首相に質問したことがあった。
沖縄那覇市内の小学校で臨任の先生を確保できず、年度途中で担任不在が続いていた学級の児童が他の学級に振り分けられていた事態が分かり、教員不足が深刻だと現状認識をただした、という質問である。
岸田首相は、「危機感をもって受け止めている」と答弁したということである(私はその答弁を見ていない)。
その後、沖縄市内では21の学校で、こうした事態が進んでいることが明らかになっている。
おそらく、全国で調査すれば、こんな学校はかなりあるのではないかと予想される。
それほどに教員不足は、深刻なのである。
私の親しい知り合いも、70歳を過ぎているのに担任をしたり、学級崩壊になっているところに入ったりしている。それほどに深刻である。
この本会議での水岡議員の質問で、「今までの文教政策の失敗ではないか!」と首相に政策転換を求められたということである。
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文教政策の失敗とは何か?
果たして首相にも、水岡議員にも、正確にその失敗がとらえられていたのかが心配である。
①教員の長時間労働がひどく、学校が「ブラック学校」に陥っている。
②教員の本務(授業)がまともにできない。その準備さえも勤務時間で
できない状態に陥っている。
その失敗はさまざまにあげられるだろうが、まずこの2つがまったく解消できないところにある。
文科省は、「働き方改革」でこれを克服しようとしたが、このコロナ禍でほとんど機能していない。
日本の文教政策の特徴は、お金を教育に出していないということに尽きる。
初等教育から高等教育に対する公的支出総額の比率(2017年)は、日本は7.8%で、OECD平均の10.8%に比べて低く、最も比率の高いチリ(17.4%)の半分以下である。
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今回の沖縄のように年度途中のクラス解体でしか学校は対応できないようになることは目に見えている。
これからこのような試みが、日本全体で進んでいくはずである。
先生たちの苦労が目に浮かぶ。
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