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どんな子供も見捨てない~全員参加の授業をつくりあげる~

 松森先生の『発問・指示テクニック』(明治図書)の本で、全員参加の授業を目指されていることを前回のブログで書いた。

 この全員参加の授業は、今まで何人もの先生たちが主張されてきている。
 だが、学校現場の多くの先生たちは、ほとんど実現されていない。
 
 実現されていないというより、そもそも、そういう考え方をもっていない。

 前回も書いたが、ほとんどの先生が「挙手指名型授業」をされている。
 当然指名されない傍観者が出てくる。
 「どんな意見でもいいから発言するように!」と何度も声かけされるが、挙手するのはいつもの子供たちである。

 私は、どんどん指名すればいい、と助言するが、そうならない。
 先生たちは、何か指名すれば、だめなことをやっているという思いがある。
 指名すれば、「主体的」という主眼から外れていくということであろう。
 
 ★
 私は、持論として義務教育段階で子供たちにぜひとも身に付けさせていかねばならないことが2つあると考えてきた。

 1つ目は、知識・技能の習得。

 2つ目は、他に伝える言葉を持つこと。

 1つ目は、詰め込み教育ということで否定されて、「無理をして習得させなくてもいい」という風潮が学校現場に広がっている。
 だが、子供たちが「考える」ためには、そのための知識・技能が必要なことは当たり前のことである。知識・技能が貧弱では、「考える」ことさえできない。

 2つ目は、説明が必要であろう。
 
 義務教育段階は、一人一人の子供たちに次のことを身に付ける必要がある。

 ①課題に対して自分で考える。
 ②考えたことを言語化する。
 ③それを他に伝える。

 他者に自分の思いや考えを伝える作法を身に付けなければ、順調な社会生活を送れない。
 だから、他者に自分の思いや考えを伝えるためには、上にあげた①②③を身に付けなくてはならない。
 これは、義務教育が果たさなくてはならない大切な課題だと、私は思ってきた。

 ところが、挙手指名型授業ばかりやっていたら、もう①の段階から落ちこぼれていく。傍観者になり、考えなくなっていく。

 これを防いでいくのは、全員参加授業である。
 挙手指名もありだが、どんどん指名して発言の機会をつくってあげなくてはならない。とにかく発言の量を多くすること。
 指名をすることを繰り返していけば、傍観者たちも考えざるをえなくなる。
 
 もちろん、ペアで話し合ったり、グループで話し合うということも大切である。また、ノートに書くなども発言の1つになる。
 松森先生が強調されている「学習量」になる。

 大切なのは、全員参加授業では、こういうハウツーだけでなく、きちんとした「考え方」を持っておくということである。
 その「考え方」は、「どんな子供も見捨てない」ということになる。

 私たちは、今まで「味噌汁・ご飯」授業という提案をしてきた。
 この提案の目的は、次の3点。

①日常性を追求すること。
②基礎的な学力保障があること。
③全員参加であること。

 目的の中に「全員参加であること」をはっきり明示している。 
このことは、「味噌汁・ご飯」授業が、「どんな子供も見捨てない」という考え方をはっきり表明していることになるわけである。

 「どんな子供も見捨てない」という考え方を表明していても、そのためのノウハウを持っていなければ、表明倒れになる。

 そこで実際に私たちは何をしているか。
 たとえば、私たちは、算数でクラスにいる低学力児(テストでいつも50点)を引き上げて、60,70,80点にしている実践を行っている。
 もちろん、クラスの平均点は90点以上になる。

 その実践で、算数に自信をもち、意欲的になる子供たちを数多く育てている。
 何にもできなくて、いつも給食の配膳台の下にこもって過ごしていた発達障害の子供が、私たちの算数指導に出会い、「自分は算数だけは自信がある!」と言うまでに成長する事例が出てきている。

 また、算数専科での「味噌汁・ご飯」授業を受けた子供で、「学校は嫌いだけど、算数授業は楽しかった!」という感想を書く子供がいたという事例も出てきた。

私たちが提案している「算数学力向上メソッド」の結果である。

 全員参加の授業は、クラスの子供たち一人一人のための授業である。
ぜひとも「挙手指名授業」を乗り越えて、全員参加授業を展開していくべきだと考えている。どうだろうか。
 

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