つれづれなるままに~管理職になりましたという報を受けて~
知り合いの先生たちが、管理職になっている。
連絡があると、
返信で、「早く校長になって先生たちを元気にしてくださいよ!」と伝えている。
私は管理職にならなかったので偉そうなことは言えない。
だが、管理職の役割の重要さは充分に分かっているつもりである。
管理職になったら、すぐに「子供たちに何ができるか!」と考えがちである。
今はそんなことは第一の課題ではない。
第一の課題は、「先生たちを元気にすること」なのである。
子供のことなんか考えることはない(笑)。
こう言うと顰蹙を買ってしまうのだが……。
でも、学校は所詮子供たちのために成立しているのであるから、「子供たちのために」とわざわざ言わないでも必然的に子供たちのためになっていく。
先生たちを元気にすれば、当然子供たちに還元される。
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「先生たちを元気にする」というのはどうすることか。
それは決まっている。
忙しさを軽減すること。
これに尽きる。
学校現場は、一人一台のタブレット配布によって、先生たちの忙しさが倍加されている、と聞いている。
文科省の働き方改革はどうなってしまったのだろうか。
もはや、だれも言わなくなった。
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私の最後の勤務校は、市でも有名な困難校であった。
この学校は「3年学校」と呼ばれていて、ほとんどの先生はその大変さ故に3年間過ごしてすぐに異動していくことになっていた(3年間はその学校に在籍しなくてはならなかった)。
まず、先生たちと取り組んだのが行事の精選。
面倒な行事や、無くしていい行事を精選していった。
あゆみを作成する月間(7月、12月、3月)は、行事や会議を入れず、他の月にするようにした。
この1つの取り組みだけでも、先生たちはずいぶんとゆとりが出てきた。
学期末の放課後何もなくなるのであるから、あゆみを作成する時間に当てることができるようになったのである。
ちょうど評価で、相対評価から絶対評価への移行期であったので、当校では「あゆみ」の変更も行った。
あゆみは、学校独自で作成できるわけである。
市でモデルのあゆみは作成されていたが、当校はそれを選ばず、独自作成をすることになった。
私が作成の推進委員長である。
私たちが提案したのは、各教科で評定する項目を作り、文章表記するのは1つだけの所見欄にした。
今までのあゆみと比べれば、文章表記が格段に少なくなったわけである。
当校は、あれほどの困難校であったが、2年かかって普通の学校になっていった。
やろうと思えば、できるのである。先生たちにゆとりができて、元気になったおかげであろう。
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さて、管理職になってどうするのか。
法律の勉強と、組織論の勉強をすることである。
「先生たちの研究をどうするか?」とすぐに考えがちであるが、そんなことは後回しでいい。
法律の勉強をして、学校の法的成り立ち、管理職の法的成り立ち、……など徹底的に身に付けることである。『教育小六法』は必ず手元に置いておく必要がある。
学校は、法によって動いているのであるから、それをきちんと知っておくことは力になる。
組織論とは、先生たちをどのように組織していったらいいかを勉強することになる。
必ず読む本は『部下をもったら必ず読む 「任せ方」の教科書』(出口治明著 KADOKAWA)、『元気な学校づくりの秘訣』(横藤雅人著 さくら社)の2冊である。
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今ほどに管理職の重要さが増している時代はないであろう。
健闘を祈りたい。
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