『子どもの根っこを育てる 学級通信 スキル&実例』(明治図書)が出版された。
友田真先生が、『子どもの根っこを育てる 学級通信 スキル&実例』(明治図書)を出版された。
読みながら、感心した。
「ああっ、こういう提起の仕方があったのか!」と。
学級通信についての本は、今まで何度も出版されてきた。
内容は、そのままその先生の「学級通信」を収めてあるというもの。
保護者への通信である。
学級の様子を伝えるものがほとんど。
法則化運動が盛んな時期には、その教師の授業の様子を事細かく書いて知らせるという学級通信もあった。
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友田先生の本は、それだけではない。
はっきりした視点が示されている。
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私たち教師は、子どもたちに「これは大切だよ」などと種を蒔き続けることはできます。そして、「すごいなぁ」とたくさん認め(水をやり)、「根っこ」を深く・太く伸ばす手助けをすることができます。しかし、蒔いた種から芽を出し、根を育んでいくのは、子ども自身です。
深く・太い「根っこ」を張りめぐらせことができれば、どんな困難にも打ち勝ち、成長していくことができます。
「根っこ」を深く・太くするために、私は学級通信を書いています。
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この学級通信はまず第一に子供へ向けて出されていること。
これが友田先生の視点である。
その視点から、さまざまに必要な内容が書かれている。
これは、新しい学級通信の示し方だな、と。
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友田先生は著者紹介によれば、36歳になられる。
中堅の教師としては、ばりばりの実力者である。
深く感心したのは、最後に30冊の参考文献を示されていることである(私が書いた本も2冊紹介されている)。
友田先生は、「守破離」の学習法で言えば、確実に「破」の段階を経て、「離」の領域に入られようとしている。
それが、この本によってよく分かる。
数ある勉強法の中で、400年続く「とびきりの勉強法」。
それが、「守破離」である。
茶人千利休が表したもので、茶道、武道、伝統芸能などの世界で、師弟関係や学びの姿勢を示す言葉である。
物事を極めるための重要な方法論として知られている。
私は、教師が「教師力」をつけるための「守破離」を次のように考えている。粗いものだが、次のようになる。
守……基本を徹底的に真似て、しっかり習得する期間。
3年~5年
破……基本を踏まえて、他の方法やパターンを試してみる期間。
守を含めて、20年間。
<モノマネの期間>
離……自分流を確立
若手の先生へ伝えていく方法をあみ出す
40歳~60歳
<管理職や指導層の期間>
友田先生は、私の「守破離」の視点で言えば、破の段階から離の段階へいかれようとされている。
これから問われるのは、「離」の段階である。
自分なりの道を究めるだけではだめであると、私は思っている。
その道を、普通の若手の先生たちに伝えられる方法にブラッシュアップできるかである。
それが問われる。
「離」の段階でも、「自分流→伝える方法」に行くには、かなりの径庭があるからである。
友田先生には、ぜひともその道を究めてほしいと願っている。
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