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2022年1月

『子どもの根っこを育てる 学級通信 スキル&実例』(明治図書)が出版された。

 友田真先生が、『子どもの根っこを育てる 学級通信 スキル&実例』(明治図書)を出版された。
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 読みながら、感心した。
 「ああっ、こういう提起の仕方があったのか!」と。

 学級通信についての本は、今まで何度も出版されてきた。
 内容は、そのままその先生の「学級通信」を収めてあるというもの。

 保護者への通信である。
 
 学級の様子を伝えるものがほとんど。
 法則化運動が盛んな時期には、その教師の授業の様子を事細かく書いて知らせるという学級通信もあった。

 友田先生の本は、それだけではない。
 はっきりした視点が示されている。
 
 ★ ★ ★
 私たち教師は、子どもたちに「これは大切だよ」などと種を蒔き続けることはできます。そして、「すごいなぁ」とたくさん認め(水をやり)、「根っこ」を深く・太く伸ばす手助けをすることができます。しかし、蒔いた種から芽を出し、根を育んでいくのは、子ども自身です。
 深く・太い「根っこ」を張りめぐらせことができれば、どんな困難にも打ち勝ち、成長していくことができます。
 「根っこ」を深く・太くするために、私は学級通信を書いています。
 ★ ★ ★

 この学級通信はまず第一に子供へ向けて出されていること。
 これが友田先生の視点である。

 その視点から、さまざまに必要な内容が書かれている。
 
 これは、新しい学級通信の示し方だな、と。
 ★
 友田先生は著者紹介によれば、36歳になられる。
 中堅の教師としては、ばりばりの実力者である。

 深く感心したのは、最後に30冊の参考文献を示されていることである(私が書いた本も2冊紹介されている)。

 友田先生は、「守破離」の学習法で言えば、確実に「破」の段階を経て、「離」の領域に入られようとしている。
 それが、この本によってよく分かる。

 数ある勉強法の中で、400年続く「とびきりの勉強法」。
それが、「守破離」である。
 茶人千利休が表したもので、茶道、武道、伝統芸能などの世界で、師弟関係や学びの姿勢を示す言葉である。
 物事を極めるための重要な方法論として知られている。

 私は、教師が「教師力」をつけるための「守破離」を次のように考えている。粗いものだが、次のようになる。

 守……基本を徹底的に真似て、しっかり習得する期間。
3年~5年
破……基本を踏まえて、他の方法やパターンを試してみる期間。
    守を含めて、20年間。
<モノマネの期間>
離……自分流を確立
    若手の先生へ伝えていく方法をあみ出す
40歳~60歳
<管理職や指導層の期間>

 
友田先生は、私の「守破離」の視点で言えば、破の段階から離の段階へいかれようとされている。
 これから問われるのは、「離」の段階である。

 自分なりの道を究めるだけではだめであると、私は思っている。
 その道を、普通の若手の先生たちに伝えられる方法にブラッシュアップできるかである。
 それが問われる。
 「離」の段階でも、「自分流→伝える方法」に行くには、かなりの径庭があるからである。
 友田先生には、ぜひともその道を究めてほしいと願っている。

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50名枠に広げました~オンライン教師1年目の教室~

 初任者向けに「オンライン教師1年目の教室」を開設しました。
 1週間も経たないのに、30名限定の枠が埋まってしまい、予想外のできごとでした。
 さまざまな先生にお世話をかけて、ほんとにありがとうございました。

これから参加しようとされている初任者の方がおられて、連絡をいただきました。
 これではどうにもならないので、50名に枠を広げました。

 できる限り初任の先生を受け入れたいと願っております。
よろしくお願いします。

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オンライン初任者講座「オンライン教師1年目の教室」を開設します~どうぞご参加ください~

 初任者講座をオンラインで開催することにしました。
 以下のとおりの呼びかけ文で呼びかけます。
 
 私は、現在でも7,8つの教育委員会と連携して初任者指導を行っています。
 ほとんどが学期の最初に講座を設けます。
  
 担当の指導主事の先生から「辞める先生が無くなりました!」「うまくクラスが軌道に乗っています!」などの報告を数多く受けます。
 だから、この講座が、15年以上続いているところもあります。

 ただ、1回限りの講座ですので、どうしても限界があります。
 伝えたいことが限られます。
 また、初任者も1回の講座で理解することも限られます。

 今回、ズームでのオンライン講座が開けるということになりました。
 月に1回で7月までに6回の講座が開けます。
精一杯伝えたいことが伝えられます。可能性が開けました。

 私と秦先生と2人で、「これが初任者指導だ!」という講座に挑戦してみます。
 これが初任者指導では、初めての具体的で、実質的なものだということを示していきたいと願っています。
 
 どうぞ周りにいる来年度初任者の先生に参加を呼びかけてください。
 よろしくお願いします。

 以下、その呼びかけ文です。
★ ★ ★
 初任者講座「オンライン教師1年目の教室」開催

 教職員採用試験に合格し、来年度(2022年度)に新しく教員になられる先生へ向けて、オンラインで講座を開設することにしました。
 
 初任者の方は、日にちが近づいてくると、「もう不安で、不安で!」という人たちはいっぱいおられます。
 それは当然のことです。
 今、学校についての心配な情報が溢れているからです。
 「初任者のクラスの8割は荒れていく!」と言われますが、確かにうまくいかず、教員を辞めていったり、学級崩壊になったりしている事例は数多いのです。
 その結果、ほとんどの先生は、「自分は、教員に向いていないのだ!」と考えられて、辞めていかれます。
 
 でも、原因はそんなことではありません。
 原因は1つ。「やり方を間違っている」からだけなのです。
 
 学級のつくり方にも、子供たちへの関わり方にも、授業の進め方にも、必ず基礎・基本の原則があります。
 そのことをちゃんとやっていないからうまくいかないのです。

 きちんと実践すれば、うまく1年間を過ごしていくことは必ずできます。
 私たちが初任者の先生を指導することで、それははっきり証明されています。
 まず、この講座は、2月、3月にそれぞれ1回ずつですが、実際に学校現場に行く前に知っておかなければならない情報を伝えることになります。
 そのことでどんな準備をすればいいか、どんな心づもりを持てばいいかが分かります。
 担任をする場合は、最初の1週間、そして4月の1ヶ月間が最大の勝負の時間です。学級の8割方がこの時間で決まってしまいます。
 そして、夏休みになる7月までにクラスが軌道に乗れば大きなハードルを1つ越えたことになります。
 だから、この講座は、2月から始まり、7月まで月に1回のペースで開くことになります。 
また、この講座は、初任者の先生だけでなく、初任者の先生と共に、もう一度学級経営の方法を学び直したいという先生にも門戸を開いています。
 そして、初任者指導をする先生方にも門戸を開いています。
 どうぞ遠慮なくご参加ください。

1 対象者 30名限定
①2022年度初任者
②初任者と一緒に学級経営を学び直したい先生
③初任者指導を担当する先生

2 参加費 1回ごとに チケットを購入してください。
 1000円

3 期日 1学期の期間
○2月から7月まで月1回の講座(8月は2学期へ向けて必要なら開きます)

2月(2月19日<土>)知ってほしい!初任の先生がよく失敗する事例
            その対処法
3月(3月12日<土>)勝負の1週間!1週間をどう乗り切るか
4月(4月16日<土>)クラスの軌道チェック (仮)
            最初の授業づくり①
5月(5月14日<土>)1ヶ月を振り返る これからの方針(仮)
6月(6月18日<土>)毎日の授業をどう乗り切っていくか②(仮)
7月(7月23日<土>)1学期を振り返る 2学期へ向けて(仮)

4 時間帯
○土曜日
  ○20:00~21:00 野中の講座
5分休憩
21:05~21:25 秦の講座(初任者指導の現場から)
21:25~21:55 初任者の質問タイム(30分を予定)

5 講座講師紹介

◎野中信行 元横浜市小学校教員 初任者指導アドバイザー
○横浜市で37年間担任として過ごす。退職後、3年間初任者指導に当たる。現在は、7,8の教育委員会と連携して初任者指導を担当している。
○初任者関係の著書に、新卒教師時代を生き抜くシリーズとして『新卒教師時代を生き抜く心得術60』『新卒教師時代を生き抜く学級づくり3原則』『新卒教師時代を生き抜く授業術』(共著)<明治図書>
『教師1年目の教科書』<学陽書房>
  ○初任者指導教師向けに『初任者指導の教科書』<共著、明治図書>
○現役時代を含めて、25年以上初任者指導を務めている。

◎秦安彦 元大和市小学校校長 H30年度神奈川県校長会調査研究部長
   ○大和市で37年間勤務。退職後の2年間を含め、9年間初任者指導にあたる。現在は拠点校指導員として4名の初任者指導を担当。
  
   ○初任者関係の著作に、新卒教師時代を生き抜くシリーズ『2W仕事術〜初めて教壇に立つ先生のための日々の心構え』<明治図書>

 

6 申し込みは以下のところからお願いします。

  http://ptix.at/MJ2qcf

 ★ ★ ★

 

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つれづれなるままに~「最後の活動期」ということ~

●オミクロン株の状況は大変なものである。
 年末、年始が終わったら、一気に広がっている。
 無症状の感染者が、旅行や帰省で日本全国にばらまいたのであろう。
 そして、沖縄や山口、広島は、米軍がらみの感染である。

 全国の感染者が、1000人を越えてから、1万人を越えだすには、
 デルタ株→37日 オミクロン株→8日 ということ。
 いかにオミクロンの感染が急激だということがよく分かる。
 3,4日で発症するらしい。

 1月から2月にかけて、数万規模の感染が広がると識者は伝えている。
 ちょっと想像ができない状況である(1/12)

 そう思っていたら、1/13には、全国の感染者が18000人超になる。
 翌日の14日は、22000人超。
 数千人単位で増えている。
 第5派のピーク感染者は、25851人(8/20)であるので、もう数日で越えそうである。
 これからどこまで行くのか心配になる。

●新潟の庭野三省先生から年賀通信をいただいた。
 その通信には、精神科医和田秀樹さんの『70歳が老化の分かれ道』(詩想社)から次の引用がなされていた。

 これまで70代ともなると、大病を患ったり、病院での生活を強いられたり、介護が必要になったりする人もそれなりにいましたが、今後は、自立して多くの人たちが70代を過ごすことになっていきます。70代の10年間は、ある意味、中高年の延長で生活できる期間となったのです。/それは、人生における「最後の活動期」と言っていいと思います。70代が活動期になったからこそ、その過ごし方が、80代以降の老いを大きく左右するようになったのです。

 70歳の古希を迎えられる庭野先生は、「最後の活動期」だと宣言されている。
 私も、急ぎこの和田さんの本を買い求め、読んでみる。大いに参考になる。

 私も、今年75歳を迎える。
 後期高齢者の仲間入りである。
 「最後の活動期」があと5年残っている。
 
 今年の2月から始めるのは、オンラインでの初任者講座である。
 今準備中なのだが、「味噌汁・ご飯」授業研究会会長の秦安彦先生と一緒に講座をもつ。
 秦先生は、校長退職後初任者指導をされている。ばりばりの現役である。

 2月から7月まで月1回のペースでオンラインで講座をもつ。
 詳しいことについては、後日報告したい。
 ★
私は、7月に出した本を最後に引き下がろうと思っていた。
 そんなときに、京都の明日の教室の糸井先生からオンライン講座の誘いを受けた。
 ズームでのオンライン講座を初めて自宅から発信した。
 この経験は、貴重なもので、「こういうことがオンラインでできるのだ!」と眼を開かれた思いになった。
 糸井先生からは、これで引き下がらないでぜひ活動を続けてほしいという助言をもらった。
 
 「そうなのだ!私には25年以上続けてきた初任者指導の経験があり、それをもう少し初任の先生に伝えることはオンラインでできそうだ!」という思いになった。
糸井先生に背中を押してもらわなければ、こういうことにならなかったと
しみじみ思う。感謝したい。
 ★
 「最後の活動期」なのである。
 年寄りはしゃしゃり出るなという意見もある。

 サッカーのカズが54歳になっても現役にこだわっている。
 「カズ、何をこれからしたいんだよ!」とついつい口にしてしまうが、それは自分に向けられることなのである。
 
 自分に問いかけてみる。
 まだ、まだ、できそうである。
 私の最後の仕事を、この初任の先生へ向けての講座にしてみたい。
 強く必要な仕事だと認識しているからである。

 オンラインの講座を進めていくためには、伝えるべき自分の声をしっかりしておかなくてはならない。
滑舌である。老人は、声から衰えていく。
 
 これについては、長年朝の儀式として「発声練習」を繰り返してきている。
 最近では、「外郎売り」を全部覚えて、それを繰り返している。
 
 つま先立ちをして部屋をうろうろしながら、この外郎売で声出しをする。
 8分間。
 
「最後の活動期」をこうして過ごしていきたい、と。

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つれづれなるままに~暗いうちはまだ滅亡せぬ~

●フランスでは、学校でのいじめを厳罰化する動きが進んでいるということ。
 次のようなことである。

 「フランスで、学校でのいじめを厳罰化する動きが進んでいる。
 国民議会(下院)は11月、いじめ被害者が自殺または自殺未遂した場合に最大で禁錮10年と15万ユーロ(約2000万円)の罰金を科すことなどを定めた法案を可決。来年1月には上院の審議が始まる。」

 今までもフランスの現行法は次のようになっている。

 「現行法では、いじめ加害者が13~17歳の場合は最大で禁錮2年6月と7500ユーロ(約100万円)の罰金、18歳以上の成年なら最大で禁錮5年と7万5000ユーロ(約1000万円)の罰金が定められている。被害者が自殺または自殺未遂した場合に刑が最も重くなる。刑事責任を問われない13歳未満の加害者は罰則の対象外」

また、次のようなことも考えられている。
 
 「ここ数年はインターネットを通じたいじめが増加している。政府は来年2月、いじめ被害者のスマートフォンに届いた嫌がらせメッセージの画面内容を保存した「スクリーンショット」などを送信できる通報アプリの運用を開始予定。子供のパソコンやスマホなどを親が管理できるようにする措置も検討している」ということ。

 日本でも、こういう法律ができたら、瞬く間にいじめは収束していくに違いない。ほとんどのいじめは、確信犯だからである。
 いじめで自殺していく青少年はなくなっていくに違いない。
 法制化に動いてくれないだろうか!
 
●次のような情報を得たことがある。
 ドイツでのこと。

 ドイツでは、学級で授業の邪魔をする行為をする子供に対しては、担任教師が3回の注意を行う。
 
 それでも行為が改まらない場合は、保護者へ向けて3回手紙を出す。
それでも行為が改まらない場合は、その子供は退学になる。

 このようなことである。
 おそらく、ほとんどのEU諸国は、こういうことになっているのであろう。

 アメリカは、もっと厳しい。
 カリフォルニアの日本人学校(補習校)へ呼ばれていったときに校長先生や教頭先生に聞いたことがある。

 「日本では、校長に対して『死ね』なんか平気で言う子供がいるのですよ!」という私の情報に、2人はびっくりされた。
 「日本では今そういうことになっているのですか!」と。
 
 「アメリカではそういうことはないのですか?」
「アメリカは、校長に対してそんな物言いをしたら、その場で退学です!」

 アメリカは、全米で「ゼロトレランス」という法律がある。
さまざまな問題を含んだ法律だと言われているが、授業の邪魔をする子供は、注意をしても聞かない場合、退学になるということである。
 
 これは厳しい。
日本では退学になったら、なかなか受け入れてくれるところがない。
 ところが、アメリカはさまざまに受け入れ先があるということ。

 それにしても、欧米諸国は、きちんとした対応で学校や教師たちを守っている。
 おそらく、日本でもこれからこういう対応を考えなければやっていけなくなる時代になってくるはずである。

●新年から暗い話ばかりになる。
 私はよく言われる。
「野中先生の話されることや書かれることは暗い、重いことが多いですね」と。
 ほんとにそうだから、頷かざるをえない。
 
 でも、『右大臣実朝』で太宰治は「人も家も、暗いうちはまだ滅亡せぬ」と書いている。
 「暗い」うちは、まだ大丈夫なのだと自分で自分を納得させている(笑)。


 
 

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あけましておめでとうございます。

 あけましておめでとうございます

1月1日は、横浜では、寒いながら、からりと晴れた日でした。
 2020年もこうして明けていきます。

 昨年のコロナ禍の中で、私たちに希望の光を与えてくれたのは、大谷翔平選手の活躍でした。このスーパースターは、「言葉の力」というのを私たちに存分に伝えてくれたのでした。
「良かったこと、悪かったことが出てくることはとても幸せなことだと考えています」
「やることがたくさんあることはとても幸せなことです」
「自分の評価は自分ではしないと決めています」

 私たちは、「良いこと」が起こったら舞い上がり、「悪いこと」が起こったら落ち込みます。
 ところが、大谷はそうしません。悪かったことも、当然の出来事として受け入れ、これから取り組んで行く課題として考えています。
 私は若い人に今まで「悩むな、反省なんかするな、次が大切だ」と伝えてきましたが、まさにそれを実践している存在が、ここにいました。
 この27歳の若者は、特別なスーパースターというだけではなく、人生を生き抜いていく大切な何かを私たちに教えてくれています。

 今年こそは、コロナ禍が収まってくれることを願っております。 

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