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つれづれなるままに~沈黙の言葉がある~

●私はせっかちだとよく女房に言われます。
 最近では、思いついたことはすぐやるようにしているので、なおさらせっかちになっているのでしょうか。

 今日も、さるすべりの木が隣の家に迷惑をかけているなと思ったので、すぐさまそれを切りに行きました。
 とりあえず思いついたことはすぐに行動するようにしています。

 中野善壽氏の『ぜんぶすてれば』(DISCOVER)には、次のように書かれています。

  「明日がある」という希望は持つべきだけれど、
  本当に明日が来ると信じてはいけない。
  僕は75年以上を生きてきたから、
  「明日が来ること」が絶対でないのだと分かります。

  今日できることは、今日のうちにやる。今すぐやる。
  「何からやればいいのか」なんて考えなくていい。
  思いついた順に、なんでもすぐやれば、後悔することはありません。


 私は、この本を読む前から「思いついたことは今日のうちにやる」ようにしていたのですが、この本を読んで「今すぐやる」ようになりました。

●女房から「パラリンピックの選手たちのインタビューは、みんな個性的で良いよ!」と言われた。
 そんなものかと思いながら、聞いてみた。
 確かに、確かに。
 オリンピックの選手たちと違う。

 オリンピックの選手たちは、試合後のインタビューでほとんどの言葉が、「周りの人たちに支えられてここまで来ました。感謝の気持ちを伝えたい」というようなことを必ず言っていた。

 この言葉は、事前に準備されていたのであろう。

 ところが、パラの選手たちは、試合後の臨場感そのままに自分の言葉で、自分の気持ちを、そのまま発している。
それぞれが個性的である。聞いていて気持ちいい。

 どうしてこんなに違うだろう、と少し考えてみた。
 ここからは私の推測である。
 ★
 沈黙の言葉というのがある。
 これを知ったのは、思想家吉本隆明さんの『ひとり』(15歳の寺小屋 講談社)からである。

 「あの人は何もいわないけど、本当は気持ちの中で自分によく問いかけ、自分でよく答え、それを繰り返している。それは言葉に表さなくても、行動に表さなくても、心の中でそういうふうにしてるってことがある。
 人は誰でも、誰にいわない言葉を持っている。
 沈黙も、言葉なんです。
 沈黙に対する想像力が身についたら、本当の意味で立派な大人になるきっかけをちゃんと持ってるといっていい。
 僕は、うまく伝えられなかった言葉を紙に書いた。届かなかった言葉が、僕にいろんなことを教えてくれた。自分や誰かの言葉の根っこに思いをめぐらせて、それをよく知ろうとすることは、人がひとりの孤独をしのぐ時の力に、きっとなると思いますよ」

 15歳の子供4人の質問に答えている場面である。

 ★
 パラの選手たちは、この「沈黙の言葉」を豊かに育て上げた人たちなんだろうなあというのが、最初の感想であった。

 障害があるということで、それを誰にも訴えられない。
 つねに自分に問いかけ、自分で答え、それを繰り返してここまで来たのだろう、と。

 それがインタビューの問いかけで、個性的な答えになるのではないか。
 
 そんなことを考えてみた。
 ★
 沈黙の言葉なんか、考えもしなかったことである。

 このコロナ禍の中で、それぞれの人たちが家に閉じこもることを強いられている。

 このコロナは、人たちに「もっと沈黙の言葉を持てよ。自分によく問いかけて、自分で答え、それを繰り返して自分の言葉を豊かにしろよ。テレビやスマホに逃げるなよ。もっと沈黙の孤独の時間を豊かにしろよ!」と問いかけているのかもしれない。

●姪の子供は、5歳。
 姪のブログに「哲学する5歳」が載っている。おもしろい。
 ★ ★ ★
 おとといの夜、こどもを寝せていたら「パパとママとぼくは、いっしょに死ぬの?」と聞いてきた。「そうとも限らないなあ。誰がいつ死ぬかは誰にもわからないよ」と答える。最近どうやら、人はいつか死ぬという事実がわかってきている様子。

子「どうやったらわかるの」

私「いっぱい勉強したらもしかしたらわかるかもしれないけど」

そのあと1分くらい沈黙

子「ぼく勉強してみたい」

私「そうかー してみるといいよ」

そのあとまた沈黙。

子「ぼくはパパとママが死ぬのやだ」

と言いながら、肩をひくひくさせてなんと泣き始めた。

私「心配になっちゃったの?」

黙って頷きながら涙をぽろぽろ。

子「だれも死なないといい」

私「うーん…」

子「どうやったら死なないの」

私「ちゃんとごはん食べて、いっぱい寝て、運動してたら長生きするよ」

子「あとは」

私「ひとりぼっちに、さみしく、ならないほうがいいなあ。楽しい気持ちでいたほうが長生きするね。からだの元気とこころの元気」

子「わかった」

それからしばらくして寝た。哲学する5歳は、真剣に生きている。

★ ★ ★

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