本の反響を考える(1)
客 新しい本が発売されて2週間ちょっと経ったけど、反響はどんな感じなんだい?
主 予想以上の反響があったね。思ってもいなかったというぐらいの反響かな。書名で、私は「困難な現場を生き抜く!」というところに力点
をおいて書いたのだが、本を買ってもらったのは、「やんちゃな子がいるクラスのまとめかた」というところだったということかな?
今、多くの先生方が、このやんちゃな子に悩んでいるからだね。
客 すぐに2版になったけど、寄せられている感想はどんな感じなのかな?
主 これも予想を越えた感想だったね。
このように読んでもらったのだと思うばかりでうれしかったね。
本というのは、著者の意図とは違って、このように読まれていくのだと改めて感じたよ。
客 どういうことだろうか?
主 私は18年前に出した1冊目の本(『困難な現場を生き抜く教師の仕事術』学事出版)を意識して、その後の18年間で、学校現場がどの
ように変わったのか、子供たちがどのように変わったのかなどを追究して、これから先生たちがどのような実践を求められているのかにつ
いて書いていこうとしたわけだよ。
ところが、書いてきた結果を読み直したら、たいしたことないんだよね。今まで言ってきたことをまとめたような形に終わったんだな。ま
あ、これが私の力量だねと改めて認識したよ。
客 難しく書いていないというところの評判が良かったんじゃないの。
提案していることについては、ほとんど具体的な実践を付け加えているところが良かったんじゃないの。
主 そうそう。初任者の先生がどんな実践をしたのか、いじめに対しても具体的にどんな実践をしたのかなど、難しい高度な具体的実践ではな
くて(もちろん、そんな提案はできないけど)、どんな先生でも実践できるものを書いたことは、意識したところかな。
客 知り合いの先生が、学陽書房から出した前著の『教師1年目の教科書』と合わせて読むと、若い先生たちはものすごく参考になるのではな
いかと言っていたと聞いたけど、どうだろうか?
主 そうなんだね。前著の本は、初任者向けの本になっているけど、若い先生たちが3年間で身に付けてほしい基礎・基本を提起したものだけ
ど、今回の本は、目の前の子供たちに対して、具体的にどのように関わっていくかについて書いたものだから、確かに両方読んでもらえばあ
りがたいね。
客 この本にも書かれているように、今学校を背負ってきたベテランの先生たちのクラスが学級崩壊にあう事例が多いよね。今まで通じてきた
「関係づくり」がほとんど通用しなくなっているんだから、学び直しだね。
その意味で、この2冊を読んでいくというのはおおいに勧めたいことだね。
主 そう言ってもらえればありがたいよ。(つづく)
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