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2021年7月

つれづれなるままに~経験したことがない事態が来ている~

●2回目のモデルナのワクチンを打って次の日。
 午前中は、何もないなという感じで普通に生活を始めた。

 ところが、昼近くになると急に倦怠感が出てきて、熱を計ると7℃近く。
 熱が上がっている。
 これはまずいと寝ることにする。

 その日は、熱も7℃を越えてぐったり。
 熱に弱いので体にはこたえる。

 高齢者はあまりワクチンの後遺症はないと聞いていたが、そんなことはないのである。

 2日目は、すっきりしている。熱も平熱に戻っている。
 すべて戻ったという感じである。

 解熱剤を飲んだのが効いたのかもしれない。

●コロナ感染の第5波が始まっている。
 第3波を越える感染になるという専門家の予測である。

 一都三県の感染者数は、今までと比べて最高を出していて、そのすごさがうかがえる。
これから地方にも波及して、一日で1万人を越す感染者はもうすぐそこに来ている(註 7/29で1万人を越えだしている)。

 今まで経験したことがない事態が、そこまで来ていると専門家は警鐘をならしている。
 今からどこまで感染が広がるのか見当がつかない事態なのである。

 尾身会長は、「危機感が社会に共有されていない!」と指摘されている。
 二十代の若者たちを動かしているのは、「楽観バイアス」というものらしい。
 楽観バイアスとは、自分自身の行動や能力などを実情よりも楽観的にとらえ、危険や脅威などを軽視する心的傾向。
 
 確かに、オリンピックでの高揚感が、この楽観バイアスを呼び起こしていることはありうるなあ、と。

●自宅の近くにあるS小学校で算数の授業をする。4年生の算数。
 算数の授業だけは、なかなか飛び込みの授業には向かないのだが、どうしても算数の授業をしてほしいということで引き受ける。

 もちろん、授業は教科書を使って、「小刻み学習法」で行う。
 授業が終わっての子供たちの感想は、「おもしろくて、楽しかった!」というもの。
 
 「とてもおもしろくて、分かりやすくて、すごく楽しい授業になりました。 おもしろいお話や、じゅぎょうでにが手だったさんすうが楽しいさんすうになりました。」

 教えていることは、決しておもしろいものではない。小数の勉強。どちらかと言えば、つまんないのである(笑)。
 しかし、それがおもしろくて、楽しいと書くのは、2つの理由があるからだと思っている。

 ①授業は子供たちがじっと聞く時間が短い。インプットしたら、すぐに
  アウトプットさせるのであるから。
  子供たちは、体や頭を使ってアウトプットさせれば、そのことが快いの  である。それがおもしろいという感想になる。

 ②教えることが小刻みで「できる」という状態を可能にする。
  それが「分かった!」という気持ちにつながる。「できた!」「分かった!」  という状態が「楽しい」になる。 
 
 要するに、このように「日常授業」は変えていけばいいのである。

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本の反響を考える(1)

客 新しい本が発売されて2週間ちょっと経ったけど、反響はどんな感じなんだい?

主 予想以上の反響があったね。思ってもいなかったというぐらいの反響かな。書名で、私は「困難な現場を生き抜く!」というところに力点
をおいて書いたのだが、本を買ってもらったのは、「やんちゃな子がいるクラスのまとめかた」というところだったということかな?
今、多くの先生方が、このやんちゃな子に悩んでいるからだね。

客 すぐに2版になったけど、寄せられている感想はどんな感じなのかな?

主 これも予想を越えた感想だったね。
  このように読んでもらったのだと思うばかりでうれしかったね。
  本というのは、著者の意図とは違って、このように読まれていくのだと改めて感じたよ。

客 どういうことだろうか?

主 私は18年前に出した1冊目の本(『困難な現場を生き抜く教師の仕事術』学事出版)を意識して、その後の18年間で、学校現場がどの
ように変わったのか、子供たちがどのように変わったのかなどを追究して、これから先生たちがどのような実践を求められているのかにつ
いて書いていこうとしたわけだよ。
ところが、書いてきた結果を読み直したら、たいしたことないんだよね。今まで言ってきたことをまとめたような形に終わったんだな。ま  
  あ、これが私の力量だねと改めて認識したよ。

客 難しく書いていないというところの評判が良かったんじゃないの。
  提案していることについては、ほとんど具体的な実践を付け加えているところが良かったんじゃないの。

主 そうそう。初任者の先生がどんな実践をしたのか、いじめに対しても具体的にどんな実践をしたのかなど、難しい高度な具体的実践ではな
くて(もちろん、そんな提案はできないけど)、どんな先生でも実践できるものを書いたことは、意識したところかな。

客 知り合いの先生が、学陽書房から出した前著の『教師1年目の教科書』と合わせて読むと、若い先生たちはものすごく参考になるのではな
いかと言っていたと聞いたけど、どうだろうか?

主 そうなんだね。前著の本は、初任者向けの本になっているけど、若い先生たちが3年間で身に付けてほしい基礎・基本を提起したものだけ
ど、今回の本は、目の前の子供たちに対して、具体的にどのように関わっていくかについて書いたものだから、確かに両方読んでもらえばあ
りがたいね。

客 この本にも書かれているように、今学校を背負ってきたベテランの先生たちのクラスが学級崩壊にあう事例が多いよね。今まで通じてきた
「関係づくり」がほとんど通用しなくなっているんだから、学び直しだね。
その意味で、この2冊を読んでいくというのはおおいに勧めたいことだね。

主 そう言ってもらえればありがたいよ。(つづく)

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2版になりました!ありがとうございます。

今回の本が2版の増刷になりました。
 発売1週間で2版になりました。
 皆さんに買ってもらっています。ありがとうございます。

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こんな感想を寄せてもらっている!

 今回の本についてアマゾンでレビューを寄せてもらっている。
 ありがたいことである。
 その一部を紹介したい。

  最初の一冊

 今まで出されている野中先生の本の内容をギュッと濃縮されて、さらに旨味だけを抽出されている、そんな本だと思いました。とても読みやすく、これをきっかけに他の本も読みたくなると思います。
なにより学級崩壊をなんとかしたい!
 声かけの仕方、包み込み話法、「ど」と「そ」、指示確認フォロー、え音、などなど普段から意識して取り組むことが再確認できました!
 今の子どもたちは快か不快かで判断しているというのはほんとその通りだと思いました。
 あとは普段の授業の大切さ!
今、二回目読んでますが、まだまだ気づきはあると思います。
初任からベテランまで、幅広く応えてくれる本だとおもいました。


学級づくりの基礎が学べる良書

 タイトルには「やんちゃな子がいるクラスのまとめかた」と書いてありますが、「やんちゃな子」以外の子どもたち一人一人にどのように接し、学級を作っていけばいいか分かりやすく書いてありました。とても読みやすく、現在の社会や教育現場の状況も踏まえながら書かれていて、「困難な現場」でどのようにしていけばいいか具体的に示されていました。良書です。

若手の頃の必読書

 やんちゃな子はどのクラスにもいる。そして、やんちゃな子に振り回される先生は多いはず。良くなって欲しいと思って叱っているのに、変な顔をして煽られたら、聞いていないふりをしたり、願いとは逆の反応をされて感情が爆発し、それが原因で学級が少しずつ崩壊の道へと。やんちゃな子への対応は、知って損なし。むしろ知っておくべきだと思います。この一冊は、その基礎となるものを教えてくれるものです。若手のうちに読んでおいてよかった一冊でした。

役に立つこと間違いなしです!

 2年間支援学級で、今年度はじめての通常学級。支援級との違いに難しさを感じることがあり、声かけや指導の方法を勉強したいなと思っていました。この本には、場面に応じた対応の仕方が詳しく書かれ、日々の指導の参考になっています。
 中でも、日常の授業を改善していくこと、とても大切だなと感じました。
教師がどう動けばよいか、具体的に書かれているので、日々の指導に役立てられる一冊となっています!オススメです!

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つれづれなるままに~大谷現象のこと~

 朝、パソコンを立ち上げると、まず見るのは大谷翔平の活躍の記事。
 彼の活躍は、このコロナ禍の中で、1つの希望の光である。

 先日のサンデーモーニングでは、「コロナ禍の大谷現象」を特集していた。
 識者たちが注目したのは、彼が行っている「目標達成シート」である。
Photo_20210720094501 

 
 高校1年から、このシートを使って自分の行動の規範をつくっていったらしい。
 きっと今でも壁にぶつかるとこのシートを使っているに違いない。

 世界の二刀流をつくりあげた基本は、このシートにあったのではないかと、私には思われてくる。

 このシートは、もともとは今泉浩晃氏が考え出された「マンダラート」なのである。
 1つの問いかけにさまざまな観点から答えを探していく「考え方」の方法になる。

今泉さんは、次のように言われている。

 「自分のアタマで考える、とは、自分で『問い』を持ち、その問いに
 自分で『答える』こと。その考えで行動するためである。『問い』とい
 う目を持てば、日々発見がある」

 様々な情報に流されず、常に自分で考えて、自分で行動するための「考え方」を提起された今泉さんの功績は大変大きいのだと、私は考えている。

もちろん、私もこのマンダラートで自分の考えをまとめてきた。
 今では、日々の生活手帳にも、このマンダラートを使っている。
 ★
 おそらく日々の忙しさの中で、「自分で考える」というのは、なかなかできないのではないか。

 「いや、考えてますよ!」と言う人もいる。
 「それは、思っていることではないですか?」ということになる。

 「思って」いることと、「考える」ことは違う。
 思ってはいても、考えてはいない。
 
だからこそ、自分の行動が、周りの動向に左右されたり、一人の考えに振り回されたりする。

 「自分で考える」とは、「考える」ための道具がなくてはならない。

 ★
 今泉氏は、今ではもう書物を出されていないので、なかなか目に触れる機会がない。

 興味がある人は、『考具』(加藤昌治著 CCC MEDIAHOUSE)を参考にされるといい。

 ここには、マンダラートの使い方を分かりやすく紹介してある。
 

●19日に、2回目のワクチン接種をした。
 横浜の大規模接種会場(ハンマーヘッド)である。

 モデルナのワクチン。
 1回目は、1週間ぐらいして少し赤く腫れ上がってかゆくなる症状が出た。 モデルナはそんな症状が出やすいらしい。

 今回は接種して1日が経っているが、少し腕が重たいだけである。
このまま何もなければいいのだが……。
 


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つれづれまるままに~私の本への感想です~

「味噌汁・ご飯」授業研究会の現会長の秦安彦先生が、今回の本について次のような感想を書かれています。
 ありがとうございます。
 ★
課題はもっと手前にある。
前会長の野中信行先生が、「困難な現場を生き抜く!やんちゃな子がいるクラスのまとめかた」を上梓されました。
「もくじ」をみると、次の5章からなっていることがわかります。
第1章 やんちゃな子供を学級に包み込む
第2章 教師と子供の関係は「言葉かけ」でつくる
第3章 安心感を生み出す学級経営を考える!
第4章 なぜ教師と子供の「関係づくり」が大切なのか?
第5章 「日常授業」を改善する
注目すべきは、「日常授業」を改善するが第5章に置かれていることです。そして、そこには、「おしゃべり授業」を克服し、低学力児の学力をあげる具体的な道筋が示されています。
是非、一度お読みいただければと存じます。
野中先生には、現場は「困難な現場」から「さらに困難な現場」に変わったとお話しました。
そんな「さらに困難な現場」にあっても、先生方は日々「日常授業」に正対する必要があるのだと思います。
野中先生は「おわりに」で江戸時代の儒学者佐藤一斎の言葉を引用しながら次のように記されています。
「困難な現場では、絶望的な気持ちになります。投げ出したくなります。それでも、一斎は、はっきりと一灯(手ごたえ)を信じて歩めと励ましています」
6月に入って、私の担当する初任者の授業が大きく変わりました。
子供一人一人へのフォローが圧倒的に増えたのです。
そして、何より先生が教室の前にじっとしていないで、よく動くようになりました。
丁寧に何をしたのかを聴き取ると、月に1回の
「一人研究授業」(1時間の授業を録音してふり返る)を地道に続けていることがわかりました。
「月に1回はやろう」
と決めたのだそうです。
野中先生も前掲書の中で「おしゃべり授業」を克服するとりかかりとして、この「一人研究授業」を示されています。そして、「ここから克服していく手立てが始まります」と書かれています。
手ごたえを感じ始めた初任者は、「日常授業」の中に、大きなやりがいを見出したようです。
●課題はもっと手前にある。・・・そう気づけば、一灯を信じて歩むことができるのだと、私は考えています。  

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感想をもらいました!

 横浜教職員走友会で一緒になり、それからずっと親しい付き合いをしている髙橋定雄先生から次のようなコメントをもらった。
 うれしい感想である。感謝、感謝。ありがとうございました。

★ ★ ★
 野中信行様

こんにちは。

【困難な現場を生き抜く、やんちゃな子がいるクラスのまとめかた】
いつも素敵な著書を贈っていただきありがとうございます。

野中さんは18年間にわたり、一つのテーマに徹底的にこだわり、そして平易に言葉を紡ぎ分かりやすく私たちに提供してくれます。私の教員生活33年プラス10年の今も、変わらず魅了させてくれます。

 学級崩壊の嵐が吹く前から野中さんは警鐘を鳴らしていました。教育を語り、日本を語る。そして、北海道始め全国を渡り歩いていました。初任者の先生方予備軍から初任者に持論を披露します。18年間で、どれだけの教師が野中さんの影響を受けたのだろう。あまり考えたことがなかったが、きっとどこかで聞いたことがあったり友人に勧められたり本人の著書から影響を受けたりした方も多いのだろうと思います。

私も、退職して10年になります。野中さんの最初の著書を読ませてもらってから、18年たちました。「困難な現場を生き抜く教師の仕事術」。読み直してみました。新たな発見があります。学級崩壊も学校崩壊も起きかねない現場をつい3年前まで体験しています。
野中理論は私が管理職9年間の中でも中心に置いて学校運営を進めてきました。
学校づくり学級づくりを中心に置きました。退職してからも初任者指導に関わってきました。5年間は初任者指導教諭。あとの5年間は退職校長会初任者サポーター。として常に初任者育成に関わってきました。

今回の、【困難な現場を生き抜く、やんちゃな子がいるクラスのまとめかた】は、あまり難しいことは書いてありません。私も驚くほど速く読むことができました。野中さんが半月以上かかり仕上げたものを3時間で読んでしまってよかったのか。と思うくらいでした。

学級を誰もが心地良い居場所にするには。
言葉かけの大切さ。教師の姿勢。
安全安心な学級。子ども自身が動くようにするには。
学級崩壊を起こさぬために。どうするとよいか。
日々の改善。(味噌汁ご飯)授業。おしゃべり授業の改善。


ひとつひとつの項目は平易ですが、実践に移すとき困難が伴う初任者もいます。

それこそ野中さんが言われる1人のやんちゃな子、
2・3人のやんちゃな子
勉強がしたくない子
 朝から遅刻してくる子
 学習の準備ができていない子
 落ち着かない子

どこの地域の学校の
どんな学校の
大規模校か、中・小規模か。
職員の年齢構成は。
初任が2クラス規模の学校に赴任した時
3クラス以上の学校に赴任した時
どんな学年主任の方と組むのか

 私は10年間で15人の初任者指導をしました。残念なケースが2つあります。
ひとつは6年目で退職したこと。もうひとつは2年目の6月で退職したこと。
 2人とも、現在放課後の子ども支援の場所で働いています。ほっとしています。

退職や休職の原因はたくさんあるが、職員室の人間関係も大きいですね。
初任者は、職場での同僚からの学びも大事な要素になります。
1年間は、凌いで続けると、教師の本来の楽しみも体得できます。

野中さんの教師に贈るエールに私も励まされ、今日も学校に行きます。
7月からは週2日10時間の非常勤講師と残り3日の支援員を続けます。

ことがあれば野中さんの本を紹介しています。
学級崩壊しない学級づくり
本来の教師の楽しみ・喜び・生きがいの復活を祈念して。

野中さんへの感想文でした。
教職員走友会のメンバー
髙橋定雄
 ★ ★ ★


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子供と密着するなよ。距離を取れ!

今回の本についてさまざまな感想が、寄せられている。
親しい知り合いの玉置崇先生は、次のようなことをブログで紹介されている。

 「野中信行先生から新刊書が届く。今回は「困難な現場を生き抜く! やんちゃな子がいるクラスのまとめかた」。先日の教師論の講義は「学級崩壊」を経験したことがある学生が多いことにショックを受けていたこともあるが、まさに改めて学級崩壊について捉えなおしてみようと思っていたところに届いた新刊。野中先生に深謝。」

 教師論の講義は、大学講義でのこと。
 学級崩壊の経験者を聞くと、びっくりするような割合だった、と。
 先日も3人続けて経験者をさりげなく指名することになり、おそろしくて全員に聞くことを止めた講義もあるということ。
 
 学級が組織できない教師が多いのだと、玉置先生は書かれている。

 ★

 中村健一先生が先日出された本『策略 ブラック学級崩壊サバイバル術』(明治図書)について、私は次のように書いておいた。

最前線での闘い

 困難校と呼ばれる学校では、一部のやんちゃたちが、ゲーム感覚で学級崩壊を起こしている。
 新しい学級崩壊の特徴と言っていい。
 
 教師を辞めさせたやんちゃは、その学校の中で「すごいやつ!」と箔がつくようになっているということ。
 
 そういう学級崩壊に対して、どういう闘いをするのかという提案が、この本である。
 
 ★
 私の今回の本『困難な現場を生き抜く!やんちゃな子がいるクラスのまとめかた』(学陽書房)は、どんな闘いになるのか。

後方での闘い

 「後方」とはどんなところか?
 覚悟するほどの困難校ではない。普通の学校である。
 
 しかし、普通の学校でも、困難な現場になってきている状況がある。
 必ず1クラスか2クラスかが、学級崩壊になっていくのは、もうどこの学校でも普通のできごとになっている。

 おそらく、日本全国、こういう普通の学校が数多く存在しているはずである。
 そこでどういう闘い方をするのか(あえて闘いとしている)。
 ★
 この「闘い」という言葉に違和感を感じられる先生もおられる。
 子供たちと「闘い」をしているのではない、と。
 その通りである。
 これはあくまでも喩えの問題になる。

 朝日新聞の「折々のことば」に鷲田清一氏が紹介されていたことがある。

 「お前が絵を描くなら、文書を書くなら、このまちの住人になるなよ。距離を取れ。」

 東日本大震災後、消防団長として復旧に尽くした写真館店主は、被災者の言葉を必死で写しとろうと移住してきた東京芸大の院生瀬尾夏美に、その張りつめた思いを汲みつつも毅然とこう告げた、と。
 
 表現者は土地に密着してはならないと。
 この言葉が、のちの瀬尾の仕事の支えになった、と鷲田さんは紹介している。

 この言葉は、今現場でがんばっている先生たちにも当てはまる。

 「お前がこのクラスを何とか軌道に乗せたいなら、子供たちに密着するなよ。距離を取れ!」と。

 「子供たちと密着するなよ。距離を取れ!」ということを、私は「闘い」と表現したい。
 ★
 後方での闘いになる。
 学級崩壊のきっかけは、ほとんどクラスにいるやんちゃな子供である。
 その闘い方をどうするか。
 今回の本は、その闘い方を書いている。
 
 
 

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なんと、1位になっています!

 先日紹介した私の本が9日の日に発売された。
 たまたまアマゾンの学校教育の売れ筋ランキングを見たら、なんと、なんとべストセラー1位になっていた(7/11)。もうびっくり。
 まだ発売されて3日目なのである。
 すごいこと。
 
 このブログを見て、アマゾンに注文してもらっている。
 ありがとうございます。感謝、感謝。


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『困難な現場を生き抜く!やんちゃな子がいるクラスのまとめかた』(学陽書房)を発刊しました。

 『困難な現場を生き抜く!やんちゃな子がいるクラスのまとめかた』(学陽書房)を発刊しました。
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本書は、私の1冊目の本を意識したものとして書きました。
 『困難な現場を生き抜く教師の仕事術』(学事出版)

 2003年に出したものですので、あれから18年の歳月が過ぎています。
 
 あれから18年経って、学校現場はどのように変容してきたのか、子供たちはどのように変わってきたのか、学級崩壊はどのようになったのか、先生たちの実践は、何を、どのように変えていくことを強いられているのか、などなど意気込んで臨みました。

 12月の半ばから書き進め、書き上げたのは、1月の初旬でした。
 半月ばかりで一気に書き上げました。
 しかし、書き上げた結果を見たら、意気込みとは反対に心許ないものでした。

現場の仕事から14年も離れているのです。
 もうこんなものなのだ、と自ら言い聞かせる以外にありませんでした。
 ★
 もはや現場は、授業だけではどうにも対応できなくなっているのだ、
 どうしても学級経営が必要になっているのだ、
 それも、「学級づくり」、「関係づくり」、そして「日常授業」の改善が求められているのだ、
そんな思いで、本書のテーマを書き抜きました。

現場で奮闘している先生たちの一助になればこれほどうれしいことはありません。

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つれづれなるままに~更に倍率が下がっている~

●今春採用された公立の小学校教員の採用倍率が2.6倍だったことが明らかになっている(朝日新聞6/25)。
 昨年が2.7倍だったので、更に倍率が低下している。

 2倍を下回る自治体が19。
 昨年は、13だったという記憶があるので、これも更に増えている。

 学生たちが教職を敬遠する動きが加速している。
 当たり前のことであろう。

 長時間労働で、ブラック学校であることがはっきりしてきているからである。
 そんなところに進んでいこうとはしないはず。

 自治体によっては、採用の条件を大学推薦を設けたり、前年度受験者には第1次の学科試験を免除したりするところが出てきている。

 臨採の先生たちへ学科試験を免除するというのは、当然のことである。
 この先生たちは、ほとんどがクラス担任をしている。
 クラス担任をしながら、学科試験の勉強をしていくというのは大変なハードルである。
 ★
 今後どうなるのか。
 倍率が更に低下していくことは明らかである。
 教師になろうとする人たちが、どんどん少なくなる。
 採用試験を簡単にしていくという、小手先の対応ではもうほとんど効果はないと、私は踏んでいる。
 これから学校現場は、先生になろうとする人たちがいなくなるという大変さを抱え込んでいる。
学校現場は、内部からは学級崩壊、外部からは学生が受けなくなる、という事態に見舞われる。

何をするべきか。
 それははっきりしている。
 教職の仕事がやり甲斐のあるものだということを世間に明らかにしていくことなのである。

 1 長時間労働をしないでいい条件をつくりあげていくこと。
①部活指導を社会体育などに移行していく。
②先生たちが、ほとんどの時間を学校の授業に費やしていく
 ようにしていく。

2 教職員を学校に多く配置していくこと。

 これを書きながら、虚しくなっていく。
 今まで言われ続けてきたことだが、ほとんど変わらない。
 これからも変わらない。
もはや行くべきところまで行き着くのであろう。

●【免許更新制】 千葉県知事、文科相に「速やかな廃止」要望 という報道 がなされた。
 熊谷知事、よくぞやってくれた!ということである。

 免許更新制が、どれだけ先生たちの足かせになっているか、よく分かっているからである。
 
 文科省は、早くこの制度は止めるべきである。

●ワクチンの第1回目が終わった。
 横浜で大規模接種として開かれた会場に行き、打ってもらった。

 64歳から74歳までの条件で申し込んだのだが、会場へ行くと、もう大変な人数。
 これだけの人たちが、ネットなどで申し込んで取ったのだと思うと驚くばかり。

 注射の痛みが、翌日の昼頃から少し出てきたが、3日目にはなくなった。
 後遺症は、ほとんどない。

 若い人たちには後遺症がかなりあるらしいが、年配者にはないということで、私にもなかった。

 モデルナのワクチン。
 次には、4週間空けて7月19日。 どうなるやら。

 素人判断で、「次はデルタ株(インド株)で第5波がやってくる!」とこのブログでも予測しておいた。
 イギリス株が流行した第4波と同じなのだ。

 まさしくその通りになっている。
 確かな予測によると、このままいけば東京で7月末には1000人以上の感染者が出てくる、ということ。
 
そして、オリンピックで更に地方に広がっていく。
 第4波は、5月の連休で地方に広がったのであるから。

 一体これからどうなるのか、それが問題である。

 

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