値踏みの時間(2)
どうしても最初にやっておかなくてはならないことがある。
次の2つ。
これは、子供たちを担任として動かしていくための基本の基本である。
①担任の話を聞かせる約束(ルール)を身に付けさせること。
②指示の基本を徹底すること。
これがちゃんとしていないから、クラスが落ち着かなくなるのである。
さて、①についてどうするのか。
始まってすぐに指導することがある。
Aこれから先生や友達が話すときには、黙って話に耳を傾けます。
おしゃべりをしたり、手いたずらをしたりして、聞いてはいけ
ません。
このような指導は、どの先生でも最初にするはずである。
ところが、初任者などは、1回指導して終わりにする。
他にやることがいっぱいあるので、1回指導しておけばいいだろうと思っているわけである。わかっていない。
次の指導をしなければならない。
B 今から先生は、大事なことを話しますから、黙って聞きます。
勝手にしゃべってはいけません。最後まで聞いてから分からない
ことを質問します。
当然、途中でぺらぺらしゃべりだす子供がいる。4,5人。
その子たちには、「最後まで聞いてから質問しなさい!」と注意をする。
私が担任しているときには、次のことを付け加えておいた。
C でも、途中でどうしても話したいことが出てきたときは、手を
挙げなさい。そしたら、その人に当てますから。
ぺらぺら話し出す子供を意識している。
この子供たちは、今までの生活習慣で、思ったことをすぐに言葉にしてしまう癖がついてしまっている。
すぐに、治すことができない。
その子たち向けに③を出している。
必ずぺらぺらと話す。悪気はない。無意識なのだ。
その時は、「ほらAさん、手を挙げなさい!」と注意できる。
まずは、自分でぺらぺら話していることを自覚させなければならない。
2,3人は、その習慣が改まることはなかなかない。
それでも、クラス全体は、話を聞く姿勢ができあがる。
★
次の基本がある。
②指示の基本を徹底すること。
学期最初に、担任が子供たちに投げかけることは、ほとんどこの「指示」の言葉。
「廊下に並びましょう!」
「ロッカーを整頓しなさい!」
「算数のノートをしまいます!」
…………
ただ、忙しいために、指示が出されても、その「確認」をしない。
出しっぱなしである。
子供たちは、次から次に出される指示に戸惑う。
そのうちに、「先生が言うことはテキトウに聞いておけばいいや!」となる。
「指示―確認―フォロー」という原則がある。
「廊下に並びましょう」という指示を出したら、担任は、きちんと並んでいるのか「確認」をしなければならない。
並ばないでうろうろしていたら、「Aさん、きちんと並びましょう!」と注意しなければならない。
これが確認。
そして、「フォロー」が付け加えられたら、ますます良い。
ところが、現在初任者指導をしている先生に聞いたら、確認まではすぐにできるようになるらしいが、この「フォロー」がなかなか出せない。
余裕がないのである。
フォローとは、ほめたり、認めたり、励ましたりすること。あるいは、否定したり、叱ったりする場合も出てくる。
このフォローを自在に使えるようになれば、1つ上のレベルに上がることができる。
私は、子供たちの活動や発言などに対して、即座にフォローできる言葉を身に付けておきたいと勧めている。
たとえば、私はSWIM話法と言う。
S……すごい、すばらしい、さすが、その調子
W……わかる
I ……いいね
M……みごとだね
この程度の、みじかいフォローは即座に出して、子供たちの活動を認めていくようにしたい。
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