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大変なことになっている!~『スマホ脳』の今~

 朝日新聞の投書欄(2020.12.20)に、次のような投稿が載っていた。
 「スマホ忘れた パニックだ!」神奈川県の48歳の女性Kさん。
 ★ ★ ★
 「あっ、スマホ持ってくるの忘れた」。私の心の叫びです。近所の内科に向かう途中でした。待ち時間をどう過ごそう。「昔はスマホなんてなかったんだから、考えごとをしていれば過ごせるはず」と気楽に思い、取りには戻りませんでした。ところが、ただ座って待っているとムズムズしてきました。暇に耐えられません。もうスマホがないなんてムリです。そんな自分にがっかりしました。
 スマホで膨大な情報を受け取ることに慣れてしまい、自身で考え想像力や工夫を育む習慣をすっかり忘れていました。生まれた時からスマホが当たり前にある若い人は、自分の将来を思い描いたり、じっくり向き合ったりする時間をどうやって確保しているのでしょう。
 そんなことを考えていると、やっと診察室からお呼びが。「長かったな」と時計を見るとたったの13分!「このままではいけない」などと思いつつ、この文章をスマホで打ち込む私です。
 ★ ★ ★
 この方は、48歳。そんな人でも、こんなことを言われている。
 もっと若い人は、もはやこんな感覚がなくて、もう普通の感覚になっていることでしょう。
 それにしても、たったの13分をじっと考えごとができないようになっているなんて驚いてしまう。
 それでもこの方は、大切なことを言われている。
「若い人は、自分の将来を思い描いたり、じっくりと向き合ったりする時間をどうやって確保しているのでしょう」と。
 若い人のことより自分のことを心配した方がいいのではないかと思うのだが、まあ余計なこと(笑)。

 スマホに取り憑かれてしまったとき、確実になくなるのが、「自分と向き合ってじっくりと考えること」である。
 もはや、スマホを常用している人たちは、「考えること」ができなくなっているのではないか。とても他人ごととは思えない。
 これは、大変なことではないか。
 ★
 今話題になっている『スマホ脳』を読んだ。
 朝日新聞の宣伝で、この本の紹介をしていた。
 「最新研究が明らかにする恐るべき真実!」と書かれている。
 
 1つでも思い当たったら要注意!
 ①用もないのにスマホを手にしている
 ②気が散りやすくなり集中力が落ちてきた
 ③記憶力が落ちてきた気がする
 ④寝つきが悪く、睡眠不足気味だ
 ⑤SNSを見ても気分が明るくならない
 
 アンデシュ・ハンセンが、最新研究をまとめて紹介している。
 とにかく1つ1つが問題にすべきことだが、一番印象的なのはつぎのことである。
 ★ ★ ★
 2016年に私の著書『一流の頭脳』がスウェーデンで刊行された数週間後、ある学校の校長から「うちの高校で講演をしてもらえませんか」というメールをもらった。講堂で講演をしたのだが、ざっくり言って半数の生徒が途中でスマホを見ていた。自分の講演が聞くに堪えないせいだ、と私はがっかりした。しかし校長はこうとりなした。「全然、まったく逆ですよ。生徒たちはあんなに熱心に聞き入るのを見たのは久しぶりです」「でも、半分くらいの生徒はスマホをいじってたでしょう」「ええ、確かに。だけど、普段教室でどんなふうだか知ってますか?全員がスマホをいじっていて、先生たちは生徒の注意を引くのに非常に苦労しているんです。前に勤めていた小学校では、休み時間に外で遊ぶ子供はいなかった。スマホを手に座っているだけで」
 恐ろしいことである。
 スウェーデンでのことだが、いずれ日本でもこうなるのかと……。
 
 著者のハンセンは、1つの国だけの問題ではなく、人類の未来の問題として、この『スマホ脳』で問いかけている。

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