コメントに答えて
次のようなコメントがブログに寄せられました。
いつもブログありがとうございます。
★ ★ ★
コメント失礼します。もう5,6年ブログを拝読しています。いつも勉強させていただいております。ありがとうございます。たしかに、「学級がしんどい」ことが大きな負担になっていると思うのですが、一番は「職員室がしんどい」ことが一番大きいのでは無いかと私は思います。これは私の経験ですが、どんなに学校、学級、子どもが大変でも、職員室が良い雰囲気であれば、充実した仕事が送れます。しかし、どんなに学級が良くても、職員室がしんどければ、負担が大きくなると思います。若手育成、初任者育成と言われますが、一番しないといけないことは、中堅、ベテラン、管理職育成ではないかと私は考えています。(もちろんどちらも大切だと思います・・・)仕事を送る日々の中で常日頃考えていることだったので、コメントさせていただきました。よろしければ野中先生の考えも伺いたいです。 お忙しいところ申し訳ございませんが、お願いいたします。
★ ★ ★
まさに言われるとおり、私も同感です。
きっとコメントの先生も、学校現場にいるベテランたちの有り様にうんざりしたり、怒りを感じたりしているのだろうと想像できます。
中堅、ベテラン、管理職育成が、ほんとうは最も大事です。
これらの先生たちが、もっと職場でがんばってくれれば、学校は豊かになります。
でも、これが最もむずかしい課題です。
私が今まで関わった教育委員会も、その育成について必要感を痛感しておりました。
でも、効果を考えれば二の足を踏むわけです。
もはや、これらの先生たちの多くは、変われないのですから。
育成の研修会など行っても、効果はありません。
まず、それらの先生たちが、学校で若手を引っ張っていく模範を示せなくなっているのです。
今ベテランの先生たち(しかも今まで力量があると言われてきた先生たち)のクラスが、軒並みに学級崩壊を引き起こしています。
だから、自分のクラスだけでも精一杯。
神戸市での若手いじめ事件がありました。
これは、学校の職員室が抱えている問題の氷山の一角を示したもので、学校はあのように崩れていっているわけです。
今、学校の職場で起こっていることは、次のようなことだと思われます。
①守旧派(今までの学校の体制を支えてきた先生たち)の先生たちが
中心になり、今までの体制を守ろうとして、良く変えようとする若
手の意見を潰している。
②ともすれば、若手がいじめの対象になる。
③学年がまとまるための学年会が機能しなくなっている。
見聞きしたことです。
もちろん、こんな学校ばかりではありません(必死になってがんばっている中堅やベテランの先生もいる)が、どんどん学校の職員室が、暗く、過ごしにくい場所に変わっていっているのです。
このコメントの先生と、同じ視点で上越教育大学の西川純先生が、フェイスブックに次のように書かれています(ブログに書きましたが)。
★ ★ ★
(中略)
どんな新人教師も、失敗します。そして、失敗します。そして、失敗します。そして・・・・・・。私もそうでした。皆さんもそうでしょう。では、我々は何故、それを乗り越えて辞めなかったか?それは先輩教師に守ってもらえたからです。先輩から「私も同じような失敗をしたよ」と言われ、フォローしてもらったからです。
では、今、若い教師が辞めるのは何故でしょうか?それは職員室の教育力が低下しているのです。中堅、ベテランが忙しすぎて若手をフォローする余裕を失っているのです。
辞めないためには何が必要か?それは、年長者に可愛がられる能力なのです。
★ ★ ★
職員室での同僚性がなくなり、また教育力もなくなっています。
だから、初任者がどんどん辞めていくわけです。
暗い話ばかりになりました。
コメントの先生の相談にならなかったかもしれません。
せめて、これからの若手の先生たちに期待するしかないわけです。
今、若手の先生たちに何ができるのか。
もうすでに現場を去って何年も経っている私に、今の学校現場の空気を感じることができません。
しかし、はっきりしていることは、自分の足元をしっかりとすることでしょう。自分の教室を豊かにしていくことです。
ここをいい加減にして、これからは成り立ちません。
これから学級崩壊が数多く起こります。
教育行政も、教育委員会も、これへの手立ては持っておりません。
学校現場が、立ち向かうしかすべはありません。
ぜひ、がんばっていただきたいと願っています。
| 固定リンク
コメント
私は新採用4年目ですが、年齢的にも(もうすぐ不惑です)採用以前の講師経験を踏まえてもぼちぼち中堅と言わざるも得ない状況にあるのかなーと思いつつ日々を過ごしています…。
これから先、ますます新卒の教員が増えていくと考えると、ぞっとする思いです。
確かに少しは教職経験が長いので、場合によっては彼らを守っていくことも考えていかなければいけないのかなと思うと同時に、あえて初心にかえって彼らと共に考え、新しい答えを考えていけたらなーと思う今日この頃です。
投稿: kawamu | 2020年10月16日 (金) 23時46分