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2020年10月

もはや非常事態宣言を出すべきである(2)~文科省の統計資料を見て~

暴力行為と同じように「いじめ」のグラフを見る。

Photo_20201026092701


 同じように平成25年から右肩上がりに上がっている。
 平成25年頃にいじめの定義が厳格になっている。
 それにも増して、こうして多くなっている現象がある。

 暴力行為とほとんど相似形を表すような状況である。 
これはどうしてだろうか。
 私の仮説だが、学級崩壊が起これば、必ずそこには深刻ないじめが発生するのであるが、それがこのグラフで証明されているということではないか。
 小中のどの学年がいじめが多いのか。
これもグラフ化されている。

Photo_20201026092702

 数年前までは、中学校がいじめが一番多かったのだが、今では小学校の低学年が数多くなっている。

 第1位 小2
 第2位 小3
 第3位 小1
 第4位 小4
 第5位 小5

 この現象をどう見たらいいのだろうか。

 都道府県別に順位は、次の通り(1000人当たりの認知件数)。

 第1位 宮崎県 122.4
 第2位 山形県 115.7
 第3位 大分県 93.8
 第4位 新潟県 90.2
 第5位 山梨県   88.3

 指定都市も挙げておこう(1000人当たりの認知件数)。

 第1位 新潟市  259.3
 第2位 仙台市  170.9
 第3位 大阪市  125.2
 第4位 札幌市   65.2
 第5位 熊本市   63.6

 新潟市や仙台市の数は、これまた半端な数ではないことが分かる。
 この2つの都市は、暴力行為もいじめも、大変な数である。
 学校現場の荒れの状況が進んでいることは間違いない。

 ★
 何が起こっているかである。
 繰り返しになるが、冒頭に書いたように小学校は、非常事態を宣言する事態になっている。2,3年の増加現象ではない。7年間も右肩上がりに上がり続けているのである。
 これは、小学校に今まで考えられないような何かが起こっていると思わないわけにはいかないだろう。
 マスコミは、ここに注目したところは少なくとも目にする限りどこもなかった。
 
 私は、この統計を見ながら、数年前から小学校で起こっていることを次のように言い続けてきた。

 ①学級崩壊が多くなっている。
  それは、今まで都市化現象であったが、それが地方に波及している。

②学級崩壊予備軍が多くなっている。
  学級崩壊は、授業もまともにできない状況になるが、今静かに進行している現象は、授業は何とかできるが、1年中クラスが落ち着かなく
なり、しょっちゅうもめごととその仲裁に担任が追われる事態である。
  クラスが集団にならず、群れのままに推移する。
  学級崩壊予備軍と言っているが、それがどんどん進んでいることが予想される。これは統計には表れていない。


  

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もはや非常事態宣言を出すべきである(1)~文科省の統計資料を見て~

 ほんとうならば、非常事態を発しなければならないはずである。
 小学校の状況についてである。

 文科省が、10月22日に「令和元年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」を発表した。 
 (この資料は拡大して見てほしい)
_001
 


 ずっとこの調査を注目してきたのだが、小学校は、平成25年度より右肩あがりで暴力行為発生が増えている。7年間ずっとズンズンとあがっている。中学校は下がっている。高校は、そのままで推移している。
 小学校では、当然何が起こっているのかというのが注目されるはずである。 どこで起こっているのか。
 
 これも統計に示されている。
暴力行為の発生件数(1000人当たり)の上位ベスト10は次のようになる。
第1位  沖縄県  12.7
第2位  岐阜県  12.6
第3位  神奈川県 12.2
第4位  青森県  11.6
第5位  高知県  10.9
第6位  新潟県  10.7
第7位  島根県  10.6
第8位  宮城県   9.4
第9位  鳥取県   8.8
第10位 静岡県   8.5
第10位 富山県   8.5

 わざわざベスト10を挙げたのは、この暴力行為は都市の現象だけではないことを表すためである。
 第3位の神奈川だけは、常に上位を占めているだけで、あとは全部地方化現象なのである。
 これは何か?なぜか?
 はっきりしているのは、今では都市だけでなく、地方も学校が荒れ始めているということである。 
 それでは、都市が落ち着いてきているのかというと、そうはいかない。
 
指定都市の状況も、この資料には明らかにされている。
 1000人当たりの発生件数。

第1位 新潟市   20.4
第2位 横浜市   19.6
第3位 仙台市   17.5
第4位 相模原市  15.1
第5位 広島市   12.1

 この都市部の発生件数は、半端ではない。
 都道府県の1位の沖縄県が、第5位の広島市と同じぐらいになる。

 第1位の新潟市は、知り合いの先生から荒れていることを聞いている。
 きちんと数字に出ている。
 仙台市も、知り合いの先生からクラスが荒れてきていることを聞いている。

 第2位の横浜市と第4位の相模原市(神奈川県)も、同じ状況である。
(つづく)
 

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コメントに答えて

 次のようなコメントがブログに寄せられました。
 いつもブログありがとうございます。

★ ★ ★
 コメント失礼します。もう5,6年ブログを拝読しています。いつも勉強させていただいております。ありがとうございます。たしかに、「学級がしんどい」ことが大きな負担になっていると思うのですが、一番は「職員室がしんどい」ことが一番大きいのでは無いかと私は思います。これは私の経験ですが、どんなに学校、学級、子どもが大変でも、職員室が良い雰囲気であれば、充実した仕事が送れます。しかし、どんなに学級が良くても、職員室がしんどければ、負担が大きくなると思います。若手育成、初任者育成と言われますが、一番しないといけないことは、中堅、ベテラン、管理職育成ではないかと私は考えています。(もちろんどちらも大切だと思います・・・)仕事を送る日々の中で常日頃考えていることだったので、コメントさせていただきました。よろしければ野中先生の考えも伺いたいです。 お忙しいところ申し訳ございませんが、お願いいたします。
★ ★ ★

 まさに言われるとおり、私も同感です。
 きっとコメントの先生も、学校現場にいるベテランたちの有り様にうんざりしたり、怒りを感じたりしているのだろうと想像できます。

 中堅、ベテラン、管理職育成が、ほんとうは最も大事です。
 これらの先生たちが、もっと職場でがんばってくれれば、学校は豊かになります。
 でも、これが最もむずかしい課題です。
 
 私が今まで関わった教育委員会も、その育成について必要感を痛感しておりました。
 でも、効果を考えれば二の足を踏むわけです。
 もはや、これらの先生たちの多くは、変われないのですから。
 育成の研修会など行っても、効果はありません。

 まず、それらの先生たちが、学校で若手を引っ張っていく模範を示せなくなっているのです。
 今ベテランの先生たち(しかも今まで力量があると言われてきた先生たち)のクラスが、軒並みに学級崩壊を引き起こしています。
 だから、自分のクラスだけでも精一杯。

 神戸市での若手いじめ事件がありました。
 これは、学校の職員室が抱えている問題の氷山の一角を示したもので、学校はあのように崩れていっているわけです。

 今、学校の職場で起こっていることは、次のようなことだと思われます。

 ①守旧派(今までの学校の体制を支えてきた先生たち)の先生たちが
  中心になり、今までの体制を守ろうとして、良く変えようとする若
  手の意見を潰している。
 ②ともすれば、若手がいじめの対象になる。
 ③学年がまとまるための学年会が機能しなくなっている。
 
 見聞きしたことです。
 もちろん、こんな学校ばかりではありません(必死になってがんばっている中堅やベテランの先生もいる)が、どんどん学校の職員室が、暗く、過ごしにくい場所に変わっていっているのです。

 このコメントの先生と、同じ視点で上越教育大学の西川純先生が、フェイスブックに次のように書かれています(ブログに書きましたが)。

 ★ ★ ★

 (中略)
 どんな新人教師も、失敗します。そして、失敗します。そして、失敗します。そして・・・・・・。私もそうでした。皆さんもそうでしょう。では、我々は何故、それを乗り越えて辞めなかったか?それは先輩教師に守ってもらえたからです。先輩から「私も同じような失敗をしたよ」と言われ、フォローしてもらったからです。
 では、今、若い教師が辞めるのは何故でしょうか?それは職員室の教育力が低下しているのです。中堅、ベテランが忙しすぎて若手をフォローする余裕を失っているのです。
 辞めないためには何が必要か?それは、年長者に可愛がられる能力なのです。
★ ★ ★

 職員室での同僚性がなくなり、また教育力もなくなっています。
 だから、初任者がどんどん辞めていくわけです。
 
 暗い話ばかりになりました。
 コメントの先生の相談にならなかったかもしれません。

 せめて、これからの若手の先生たちに期待するしかないわけです。
 今、若手の先生たちに何ができるのか。

 もうすでに現場を去って何年も経っている私に、今の学校現場の空気を感じることができません。
 しかし、はっきりしていることは、自分の足元をしっかりとすることでしょう。自分の教室を豊かにしていくことです。
ここをいい加減にして、これからは成り立ちません。

 これから学級崩壊が数多く起こります。
 教育行政も、教育委員会も、これへの手立ては持っておりません。
 学校現場が、立ち向かうしかすべはありません。
 ぜひ、がんばっていただきたいと願っています。

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つれづれなるままに~親しい友人が亡くなる~

●私の健康を支えているのは、両手振り体操である。
 
 https://www.givegive.co.jp/hpgen/HPB/entries/48.html

 毎日、3回(朝昼夕)10分ずつ行う。
 玄関先で行う。
 ただ、手を振るだけでは暇なので、目の健康のために遠くを見ながら行う。
 ついでに舌をぺろぺろ出しながら行っている(笑)。
 人がこの様子を見たら、ちょっと異様な感じだろうなと思いつつ、やっている。
 舌を出すのは、舌を鍛えて誤嚥性肺炎を防ぐためである(ほんとにそうなるのか分からないが……)。
 
 最近、両手を振っている間に、空を通過する飛行機が気になりだした。
 横浜の上空は、飛行機の往来が激しい。
 青空だらけの中で、1機の飛行機を見つけて、それを追尾する。
 これが快感である。なんとも楽しくなる。
 10分間の腕振りは、まったく飽きることなく終わるわけである。

 趣味は何ですかと言われたら、けん玉、数独、そして最近では飛行機の追尾ということになる。
「ほんとに変わった人ね!」と女房には言われる(笑)。
 
●上越教育大学の西川純先生がフェイスブックに次のように書かれている。
初任者が辞めていくことについてである。

 ★ ★ ★ 
教員養成系学部、大学では懸命に教育しています。しかし、それは入り口の入り口しかできません。考えてみてください。掲示物の掲示の方法を大学で教えてもらった方はいますか?少ないと思います。でも、大事ですよね。でも、そのレベルのことを教えていたとしたら、教員養成は数十年でも無理です。
 どんな新人教師も、失敗します。そして、失敗します。そして、失敗します。そして・・・・・・。私もそうでした。皆さんもそうでしょう。では、我々は何故、それを乗り越えて辞めなかったか?それは先輩教師に守ってもらえたからです。先輩から「私も同じような失敗をしたよ」と言われ、フォローしてもらったからです。
 では、今、若い教師が辞めるのは何故でしょうか?それは職員室の教育力が低下しているのです。中堅、ベテランが忙しすぎて若手をフォローする余裕を失っているのです。
 辞めないためには何が必要か?それは、年長者に可愛がられる能力なのです。
 ★ ★ ★

 ほんとにそうだと同感する。

 
●親しい知り合いの旅行仲間の一人が亡くなるという一報を受ける。
 びっくりする。言葉を失う。事故なのである。

 今回のコロナ禍で久しく連絡をしていなかったが、久しぶりの連絡が、こんなことになってしまった。

 私と同世代。72歳だったのである。事務職の先生。
 数年間、九州を中心に最果ての地を旅行して回った。
 ともに素晴らしい思い出である。

 昨年、電話をしたら、声がかすれていて「どうしたの?」「いやいや人と話さないものだからかすれているんだよ」と返ってきて、思い立って旅行仲間で忘年会をやった。12月21日のこと。
 これが今生の別れになった。

 今日は、ベートーベンの「告別」の曲を聴きながら、彼を送っている。 

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先生方がしんどくなっている!

 
 先生方が、しんどくなっている。
確かに、確かに、その通りなのだ。
 多賀 一郎先生が、フェイスブックで次のように書かれている。
まさに、私も同感である。

 ★ ★ ★.
先生方、しんどくなっている。
苦しくなっている。
「若手のための小部屋」で
吐き出そうと誘ったら
たくさん反応があった。
✳️子どもとの状態が苦しくなってきた
✳️管理職からディスられる
✳️どうも疲れが溜まってきてとれない
等々。
今年度は、ロケットスタートができなかった。
子どもたちとの関係づくり、
子ども同士の関係づくり、
そういうものが根本的に作れていない。
マスクをつけたままの指導には
限界がある。
そして、ただでさえブラックだと揶揄される
学校で、仕事が増えている。
大勢での飲み会も憚られる。
リモートでそんなものが
全て解消できるわけもない。
先生方、今年は何ができてなくても
仕方ないと思おうよ。
どんな状況になってもなんとかすることは
できる人はいるかも知れないが
スーパーティーチャーでもない限り、
なかなか難しいものだ。
できないことに思いを致すことより
今できることだけに絞って
やっていこう。
 ★ ★ ★

 まことにその通り。
 先日も、ある区の初任者指導の録画をとったのだが、指導主事の先生の話では、9月の時点でかなりの初任者が辞めているということであった。

 休校、分散登校などきわめて異例な事態にあった初任者が、耐えられなかったのである。

 多賀先生が言われているように、「今できることだけに絞ってやっていこう」ということである。
 
 できることは何か。
 先生たちによって、さまざまであろう。
 私は、授業やさまざまな活動に「スピード・テンポ」をつけることだと思っている。
 
学級が落ち着かなくなり、荒れてくると、必ず出てくる現象は、学級に「スピード感」がなくなることである。100%そうなる。
 全体がだらだらする。

 これは、担任も、生み出している。
 授業時間を守らない。
 空白の時間が多い。
 時間にルーズである。
 …………

 これを改めて、時間をきちんと守り、すべての活動にスピード・テンポをつけることである。
 子供たちは、ゲームなどでスピード感に浸されている。
 そのため、だらだらとした活動は、体が不快感に陥る。
 だから、担任のだらだらした授業や活動は、体が不快感を感じ、逆にだらだらとした表現をしてしまう。

 できることは、スピード・テンポをつけることなのである。

 朝の会を10分以内で終わる。
 終わりの会は、7,8分で終わる。絶対に長くしない。
 そのために、プログラムを削る。
 授業はきちんと時間を守る。
 給食時間、掃除時間も時間内に終わるように工夫する。

 これだけでも、学級にスピード・テンポが出てくる。  

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