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荒れていた学年が落ち着いてきた!

 荒れていた学年が落ち着いてきたと、報告があった。
 今年度年若いS先生と2人で、「学級崩壊についてとことん突き詰めましょう!」ということでコラボで追究している。
 そのS先生、今年度は、6年の学年主任をしている。
 教師経験7年目なのである。企業経験があって、教師になっている。
 
 といっても、担任ではなく、6年専属の学年主任ということ。
 学年3クラス。担任は若い先生たちばかり。
 
 その学年、5年生の時には、荒れていて、なんとかしてほしいという校長の要望で抜擢されたということではないか。
 
 S先生は、フェイスブックに次のような報告をしている。

★ ★ ★
横浜の小学校は、今日から夏休み。
今年度は六年生の学年主任をしている。

昨年度、学級崩壊もあった苦しい学年。
それでも、今年度のスタートは悪くない。

主任として、第一に心掛けたのは、
教室ではなく職員室内のコミュニケーション。

「悪いことを決して子どものせいにしない」
「振り返るべきは自分たちの指導」
と、4月の最初に、学年団で共有した。

様々な日々の教室トラブルを、
子どものせいにするのは簡単。
(子どもを何とかして変えないと…、
とか言えば教師らしく格好もつく)

でも、他者のせいにしている地点で、
即時の改善を放棄しているのとほぼ同義。

他者を変えるには時間が必要だ。

すぐ変えられるのは、自分。
自分の弱いところを見つめるエネルギーさえ、
厭わなければ、私たちは毎日生まれ変われる。

すぐさま、変えられるのは自分たちだけ。
だから、今日の教室でうまくいかないことが
あれば、明日の自分たちの指導をどう変えるか、
学年団でそこを話し合っていきたい、
それしか無い、と4月1日に強調したのだ。

「自分も完璧にはできないし、時には
大いに愚痴も言い合おう。」と添えつつ。

・・・

常に自己責任というような感じで、
暗く重たいことを言う学年主任の
ような気がして、4月頭に、これから
一緒に働く同僚に言うには勇気の要る
言葉だった。

でも、おかげで、職員室が「子どもの悪口大会」
になるのを避けることができた。むしろ、
子どもたちの活躍、良いところ、少し笑える
面白いことがよく話題にのぼった。

こじれたトラブルは、まず教員個々の
解釈を挟まず、時系列で事実のみを確認
していった。そして、指導がなぜうまく
通らないのか、明日どうアプローチするか
(思春期の子にはときに変化球も必要)
あれこれ案を出し合った。

確かな事実把握のもと、
冷静に知恵を出し合えば、
別のアプローチを試す勇気さえもてば、
大抵のトラブルは翌日に、それ以外も
翌々日にはすべて解決した。

そして、トラブル件数自体が、
だんだんと減ってきた。
集団が落ち着いたのだ。

そしてそして、いつのまにか、
他学年の先生からも六年生の頑張りを
褒める声がどんどん届くようになった。

・・・

小さい反省点は色々あるものの、

「悪いことを決して子どものせいにしない」
「振り返るべきは自分たちの指導」

この
大きな方向性は間違っていなかった、と
振り返りながら、さっき風呂掃除していた。

そして、
スポンジで、風呂床をこすりながら、
ハッと気づいた。

前職の二つの原点(企業理念の大元)の一つ、
「脚下照顧に基づく現状否認の実行」って、
こういうことなのかもしれないな。

何にもできない社員だったけど、
きっと何か受け継いでいるものが
あるのかもしれない。

ふと、何だか、嬉しくなった。
 ★ ★ ★

 私への報告では、以下のもの。

「ただ、嬉しいことに、6年生の子どもたちの
様子は良くなってきています。トラブルは昨年度に
比べて激減し、授業を抜け出してしまう子が、
一人もいない状態が継続しています。
(昨年度は、男女数名居ました。)

なぜ、うまくいっているか、要因は複合的と
思われますが、考えつくまま挙げます。」

 ということでいろいろな要因を報告されている。

 ★
 なぜ、うまく行ったのか?
 野中の分析では、次のようになる。

1 学年の先生たちの気持ちを1つにした!
 「悪いことを決して子どものせいにしない」
「振り返るべきは自分たちの指導」という基本方針でまとまったこと。
 これは素晴らしいことではないか。
 むずかしい言葉で言えば、「メタ認知」を機能させるということ。

 今は、学年会さえ開かれないという学校が多い中で、きちんと学年団の気持ちをこうしてまとめ、共有していることは最高である。

2 「学級づくり」を先行させた!
 決して「授業、授業」と突っ込んでいない。まず、ここで成功している。
報告では、次のようになっている。

◯出会いの2週間で「学級づくり」先行
  →どのクラスもミニレクを多く実施、授業より学活
  →担任と児童の間に信頼関係ができた

3 「時間」をきちんと意識している!
 荒れる学校、学年、学級で必ず出てくる現象は、「スピード感がなくなる!」ということ。だらだらしてくる。
 私が、荒れる学校で教務主任をしたときには、まず全体が日課表に従って、きちんと時間を守って生活できるようにすることを徹底したことがある。
 この学年でも、学年全体で、時間を意識した取り組みをやっている。
すべての活動、授業でも、とんとんとスピード・テンポをつけることが大切である。

報告では、次のようになっている。
 ◯授業時間、下校時刻の厳守
 →6年生3クラスは下校がまとまって早かった

4 学習で成功事例を導き出している!
 子供たちが「できるようになった!」「前よりもずいぶんうまくなった!」という事例を作り出す必要である。しかも、短期間でそういう事例を導き出せればいい。
 私は、漢字、発言、音読で行っていた。
 4,5,6,7月の4ヶ月間で、どれかが伸びていくのをつくるのである。そして、子供と一緒の保護者個人面談で、「これが素晴らしく伸びました!」
 と保護者に報告する。今なら、絶対算数も付け加えるだろう。
「事実」を作って、それを保護者に伝えるのである。
 この学年では、漢字をその実践にあてている。
 漢字学習は、短期間で成果が見えてくるものである。

 ◯成功事例;「青天井型」テスト
 →漢字50問テストの欄外に、新出漢字を使った他の
 熟語を書いても良いことにする。(1点加点)
 低位の子から受験児(クラスの3分の1程度)まで、とても
 意欲的に。3年目教員の学級平均点が95点超。(加点除く)
 一番多い子は、欄外に165個熟語を書いてきた。
 ※土井正博『クラス全員が熱心に取り組む! 漢字指導法』参考
 

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コメント

野中先生、ご無沙汰しております
また先生のブログにふらりと遊びにきました
特急ハウステンボスに乗車し吉野ヶ里公園を過ぎたあたりです
思い出したのは先生のことでした
H小学校 AK

投稿: AK | 2020年8月 7日 (金) 10時11分

AKさん、ありがとう。ハウステンボスへ行く途中なのでしょうか。
 吉野ヶ里公園を過ぎようとしているというと、神崎のあたりでしょうね。田舎って感じでしょう。そこからすぐに佐賀へ着きます。
 佐賀で降りて、佐賀城や県庁の周辺を歩くと、最高ですよ。
 お堀があって、今なら蓮の花が咲いていることでしょう。
 佐賀では、最高の散歩道です。今は、汗だらけになるでしょうけど……。
 私は、春になると、ここの景色を思い出すのです。
 子供の頃、遊び回って場所ですから。

投稿: 野中信行 | 2020年8月12日 (水) 13時15分

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