つれづれなるままに~外郎売りを覚えて~
「シゴトのヒント365」(神田昌典) に次のようなことが載っていた。
「問題の本質的な答えは、目に見えるところではなく、
誰も注目しない「裏」だったり、
「間」だったり、または「ゴミ箱」の中などに
隠されています。片っ端から写真を撮って、
あとから写真の中に答えを探してみると、
ほぼ確実に、とんでもない宝物が発見できます。」
●午前中に、3000歩歩くことを課している。
家の中を歩くのだが、その歩いているときに、暇なので、暗唱をすることにしている。
ながら族なので、何かをしながら、そのことをやる。
最初は、滑舌などを行っていたのだが、最近は、「外郎売り」を覚えている。
これは、有名なたたき売りの言葉で、最近は、海老蔵の息子の舞台のデビューは、この「外郎売り」だとテレビで言っていた。
私はネットで調べて、手に入れたのだが、A44枚びっしりである。
これを歩きながら、覚えるのである。
これは老人でも覚えられるのかなと最初思ったものだが、できるのである。
調子が良いので、すらすらと覚えられる。
最近は、全部言えるようになっている。
すらすらと出てくる。
それでも、1年間かかったのだが…。
毎日ちょこちょこと少しずつ覚えたわけであるから。
「拙者親方と申すは、……」から始まり、「…ホホ敬って、ういろうは、いらっしゃりませぬか。」で終わる。
今日も、今言い終えたばかり。
老化は、確実に声から始まる。
認知症予防と老化防止のための、ささやかな抵抗である(笑)。
●NHKの「クローズアップ現代」で、木村花さんの問題を取り上げていた。
この問題は、さまざまなメディアに取り上げられている。
私も、いくらか冷静に花さんの問題について考えられるようになった。
確実に分かるのは、22歳の花さんが、この中傷ツイートに耐えられなかったということである。
例えば、今小学生のほとんどが、ユーチューブに熱心だと聞いている。
だから、将来の夢は、「ユーチューバーになること」という子供たちが増えているらしい。
今の若者たちが、いかに「人からどう見られているか」「人にどう見られたいか」「人とどう付き合うか」という世界だけで生きているかがよく分かる現象である。
これは、辛い世界だ。
こんな辛い世界で、毎日100通も越える中傷ツイートで攻められたら、ひとたまりもないのではないか、と。
★
クローズアップ現代では、最後に花さんの母親Kのツイートで締めくくっている。
「皆さんにお願いがあります」「どうか花のことでご自分を責めないでください。他の誰かを責めないでください。なにかを恨まないでください。ヘイトのスパイラルを止めてください。」「もうこれ以上こんなことが起こらないように 花が望んだやさしい世界に少しでも近づけるように」と。
K(私たちはキムコと呼んでいた)は、連絡が取れない花さんのマンションに最初に駆けつけて、亡くなっている花さんを見つけている。
救急車が駆けつけてきたときには、花さんのそばで泣き崩れているKがいたと報道は伝えている。
その様子に、冷静ではいられなかった。
人を許すことは、人にとって一番むずかしいことである。
Kは、それをやっている。
★
中傷する連中が、これからどんな人生を送るか知っておかなくてはならない。
ある哲学者は、言っている。
「その人の人生はその人の口から出た言葉の方向に進む」と。
こうして人を否定する言葉ばかりを連ねて中傷していると、その人の人生は、自らそうなっていくのである。
もうなっているのかもしれないのだが…。
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