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授業、授業と必死になってはいけない(2)

 学校を訪問して、先生たちの授業を見せてもらうときにマスクをして授業をしている先生がおられることがよくある。

 冬の時期に、風邪をひいている場合は仕方がない。
 でも、そういう場合でなくてもしている先生がおられる。

 そんな場合があるので、直接本人か校長に伝えている。
 「マスクをしょっちゅうしている場合は、教師の表情が子供たちに見えないので、これは大変困ります。教師の場合は、この表情で伝えることはとても大切になりますので…」
 
 これがどれほど伝わるのか、ちょっと心配である。
 ★
 なぜ、マスクにこだわるのか。
 
 担任の場合、子供たちと「関係」をつくるには「言葉」と「表情」しかないのである。

 とくに、担任の、「上機嫌な表情」を見せられたら、それだけで子供たちは安心の心持ちになる。
 その表情の一つひとつに、子供たちは敏感である。

 だが、その表情がマスクによって読み取れない。
 
 子供たちはどうなるのか。
 間違いなく、警戒感が起こる。
 先生が今どんな顔をしているのか読み取れないのだから、こちらは身構える以外になくなるはずである。

 全国の学校が、ほとんど分散登校で学校が開始されている。
 全部の先生たちが、マスクをして子供たちに対しているはずである。
 今、マスクをしないという選択肢はありえない。

 だが、そのマスクが、どれほど久しぶりに会った子供たちに警戒感を起こさせているかを考えられているのだろうか。

 今、やらなければならないのは、子供たちとの「関係づくり」なのである。

 繰り返しになるが、「関係づくり」では、「言葉」と「表情」しかないのである。
 この「表情」をマスクによって完全に断たれているわけである。

 あとは、「言葉」だけ。
 ★
 全国の先生たちが、登校してきた子供たちに「冷めている」という戸惑いを感じておられるようだ。前回のブログで伝えた通りである。

 親しい知り合いの先生のクラス(5年生)では、持ち上がりにもかかわらず「暗くなんだかよそよそしい」という感じになっているということ。

 昨年受け持っている、特別支援を要するN君は、昨年できていたことが、全くできなくなっていて、目も合わせられない上に、情緒も不安定になっていた、というのである。
 
 このN君は、昨年算数で格段の力をつけ、テストでは90点、100点を何度もとって、絶好調という状態だったはずなのである。

 それが、この3ヶ月の休校の間に、大きく変わっている。
 振り出しに戻ったという感じ。

 ここから始まっているという認識を、先生たちは強くもつ必要がある。
 ★
 全国の校長先生たちは、「授業、授業」と言っているはずである。
 それを受けて、先生たちも、授業、授業と迫っている。

 これで大きく失敗する。
 
 校長先生たちの中には、先生たちに「ゆっくり」というテーマを伝えている方もいる。見識がある。
 
 先生たちは普通でも授業の遅れにあせっているはずである。
 それを見越して、「あわてるな、ゆっくりでいい」と伝えているわけである。

 単元の遅れなどどうにでもなる(笑)。
 そんなことより、今は「関係づくり」をどうしていくかなのである。

 教室を「安心できる」場所にするために、まず「頼りがいのある担任であること」を伝えなくてはならない。

 そのために、マスクのリスクを回復するには、「言葉」と「活動」をどう工夫するかなのである。

 絶対に「授業、授業」をやってはいけない。

 先に上げた先生は、授業を進めることをやめ、分散登校で離ればなれになっているチームがお互いに関われるようにメッセージ交流をしたり、心をほぐせるように毎日ゲームをしたりしながら、取り組んでいる。

 マイナスを改善できたのかなと、先生は語っておられる。
 こういう工夫を今やるべきことである。
 

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コメント

現状として体育の時間は私もマスクを外して授業をしているのですが、やっぱり教師の表情が見えないというのは授業においては大きなビハインドですよね…。

ちょっと明日から対策を考えてみます。

投稿: kawamu | 2020年6月 8日 (月) 23時32分

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