ある保護者の方からのコメントに反応して(1)
ある保護者の方からコメントをもらいました。
次の内容です。
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はじめまして コロナ休校中、我が子の通う学校からは、十分な学習支援が受けられませんでした。
登校日の2時間の間に約40人の保護者が宿題と宿題の答えを取りに行ったのみです。今までに登校日は2回のみです。宿題といっても、我が子の学校は、ほとんどの教科がワークブックで授業が進められるので、何ページまでという指示のみです。先生とは、挨拶のみ交わしました。
その後、電話も手紙もありません。
ゴールデンウィークあけに、先生の指示で、半分ほど、保護者が丸をつけた課題を休校になって初めて提出しました。提出課題か返却されるのは、再開後です。
これで、いいのでしょうか?
我が子の学年は学級崩壊をし、先生が休職されました。
また、再発するのではないかと心配です。
学級崩壊を考える時、真面目に授業を受けたい子どもの存在を忘れないでください。
学級崩壊の登場人物は、先生と加害児童と加害児童の保護者だけではありません。
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1つは、学校休校中の家庭学習について書いてあります。
家庭学習を取りに行くのは、2回のみ。
保護者が丸を付けて提出というような形式らしいのです。
これでいいのか、という問いかけです。
これだけ長い休みなのです。
もう少しきめ細かいサポートができなかったのかと、私なら思います。
日本全国のさまざまな学校で、今回、この種の家庭学習の宿題を出したのでしょう。
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保護者の方に、その内実をお知らせすると、こうなります。
多分、どのような学習課題を出すか、どのようにして出すかと学校で検討され、全校一斉に「こうしましょう!」と出されたのが、その課題です。
一人一人の教師が、それぞれ勝手にやらないように学校で統一されているのだと思われます。
「オンライン授業をしよう!」と若い先生たちで話し合いをして、いざ校長のところへもっていくと、校長は、教育委員会へ問い合わせて、「だめだ!」となります。
私の知り合いの先生の学校は、実際にそうでした。
教育委員会も管理職も、そのオンライン授業で何かトラブルが出てきたときに、その対応に苦慮するので、余計なことをやらないようにとなったのだろうと予測できます。
だから、公立の学校では、5%ぐらいしか実施していません。
だが、オンライン授業をしても、満足な状態になったかというと、前回のブログで書きました女医さんのお子さんの状態になる子もいるのです。
これは、私立の学校の場合です。
公立でこのようなことをやったら、満足な状態になることはないと思われます。
家庭にパソコンがない場合も多々あるはずです(東京では8万人の子供がパソコンなどないという報道がありました)。
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保護者の方が満足するような家庭学習を学校が、今回行えたのかと言えば、それはほとんどあり得なかったと、私は率直に思います。
それは、学校が今までこのような学校休校を予測して準備する取り組みをまったくやっていなかったからです。
オンラインでどうしていくかなどほとんど考えていませんでした。
学校は、子供たちが学校へ来てから、どうするかだけの発想しかありませんでした。
だから、学校の問題、個々の先生たちの問題だと言えないと私は思います。 国の文科省だって、右往左往しているのです。
その下にいる教育委員会や学校が、満足にやれるはずはありません。
明治以来の学校制度の中で、学校はこういう経験をもったことがありません。だから、大混乱をしてしまったのです。
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今回、ある保護者の方のように多くの保護者が、学校からの対応は、これでいいのかと問題を感じられたことでしょう。
3月の休校のときには、保護者の多くの方は、学校へ託児所と公園を期待されていました。
私は、そのように感じました。
しかし、4月からの休校では、「勉強はこのままでいいのか?」「我が子は勉強がおくれるのではないか?」と学習のことが問題になりました。
保護者の方の危惧感はよく分かります。
私はもう現場を離れて長くなるのですが、現場の先生たちも、どうしていいのか右往左往している様子が手に取るように分かりました。
知り合いの先生の学校では、先生たちがどんどん落ち込んでいくと知らせてくれました。
先生たちも、どうしていいか分からなかったのです。
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ある保護者の方のコメントに対して一言だけ言っておきたいことをこうして書きました。何の解決にもなりませんが、現状をお伝えしました。
もう一つ、学級崩壊について書いてありますが、それは次回に書きます。
(つづき)
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