学級崩壊の現在(1)~ベテランの先生のクラスの崩壊~
新年明けましておめでとうございます。
三が日は天候も良く、気持ちよく過ごせました。
寒いのですが、それでもこの気候は、いつもの冬より暖かいのだということです。
早速ですが、新年から暗い話題に行きます。
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学級崩壊アンケート調査に協力してくださいとお願いしたところ、数多くのアンケートが集まった(まだ全部は集まっていないが)。
その中で、注目されたのが次のこと。
ベテランの先生のクラスの崩壊(特に50代の先生のクラス)。
これにはちょっと驚くばかり。数多い。
50代でクラス担任をやられているのは、まだ元気で、今までがんばってこられた先生である。
中には、今まで学級経営では評判を得てきた先生のクラスもある。
今まで力量があると自他共に認めてきた先生。
その先生たちが、学級崩壊の憂き目にあっている。
何が起こっているのか。
①自分なりに進めてきた学級経営が、現在の子供たちに通じなく
なっている。
②ずっと叱りっぱなしの指導が、子供たちから反発を招いている。
③「現在の子供たち」の子供理解がずれまくっている恐れがある。
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②に注目する。
最初から「叱る」ことばかりで指導をしている。
また、崩壊の結果として「叱りっぱなし」になるという場合もある。
だが、共通しているのは、「縦糸」の張りすぎであることははっきりしている(縦糸を張るのは、決して「叱る」ことではない)。
もはや、縦糸を振り回す時代が終わったと言えるかもしれない。
子供たちに通じなくなっている。
それでいて、「横糸」ばかりでいいのかというと、そういうことにならないからむずかしい。
初任の先生たちが陥っていくのは、「仲良し友だち先生」。
横糸ばっかりで、子供たちと関係をつくろうとする。
これも、学級崩壊になっていく。
数限りない事例がある。
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今の子供たちの多くが、担任に求めているのは、「安心感」である。
安心して教室に通っていける状態をつくってほしいと願っている。
これは、決して声には出てこない。
30年、40年前には、決して求めていなかったことである。
安心できる状態は、すでに教室に保持されていた。
子供たちは、教室では、すでに「仲間」の状態だったからである。
ところが、現在は、いついじめなどに会うか分からない。
机に座っていたら、いつ後ろから殴られたり、いじめられたりするか分からないと、いつも警戒をしなくてはならない。
だから、担任には、教室を安心できる状態にしてくれることを願う。
学級の8割の子供たちは、それを願っている。
ここが昔なりの学級経営を変えなければならない1つのポイントになる。
できるだけ早く教室の仕組みをつくり、しっかりした教室のルールをつくりあげなくてはならない。
これが本来の縦糸を張ること。
キーワードは、「安心感」なのである。
朝教室にきて、どういうように動いていけばいいかが決められていて、しかも、その動きが、子供たち自らでできるように、仕組まれていなければならない。
ここが勝負なのである。
1週間で、その仕組みがつくられ、定着するのに1ヶ月がかかる。
おそらく、昔ながらの学級経営を続けている50代の先生たちは、ここの切り替えができていないのであろう。
(つづく)
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