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つれづれなるままに~どうして同じことを繰り返していくのか~

●方々の教育委員会で、悲鳴が上がっている。 
 宮城の小中学校での実態が河北新報で報じられていた。
 これは、決して宮城だけではなく、日本各地で起こっていることである。

「先生足りないSOS 欠員でも代替講師見つからず 宮城の小中学校、現場でカバー限界」

●学陽書房で出版した『教師1年目の教科書』が3版になる。
 うれしいことである。
 買っていただいて、ありがとうございます。
 初任の先生たちには、ぜひとも勧めてほしい1冊である。

●先日、NHKのプロフェショナルで、数学の先生が登場された。
 私もぜひとも見たいと思っていたが、急な学校訪問で見られなかった。

 見たという先生から話を聞いた。
 神奈川にある栄光学園の数学の教師。
 フェイスブックでも評判は上々である。

この栄光学園は、私が受け持った子供も進学したこともある、超エリート校である。
 東大へ上がる子供たちが数多いことで有名。

 見られた先生によれば、1問の問題を生徒たちは興味深く取り組んでいたという。
 ここの生徒たちは、超エリートたちであるので、それに合わせて思考力が試されるむずかしい問題が出されているのであろう。

話を聞きながら、この先生も確かにこれから求められるプロフェッショナルなのだろうと思えた。
 ただ、エリート教育なのである。

. ぜひとも、もう1つのプロフェッショナルも取り上げてほしいと思ったものである。
クラスに必ずいる数人の低学力児。
この子たちを、上位に引き上げていく力量を示していく。
普通の学校現場では、それが一番求められているのである。


●できるではないか。
 ぜひとも、日本全国でこういう動きをしてほしいと願っている。

2019/12/14(土) 20:11配信 ヤフーニュースより

 中学・高校の部活を地域クラブに移行検討へ 福井県が方針

 部活は、こうして地域クラブへ移行する。
 これをどうして福井県だけでなく、国をあげて推進しないのだろうか。

 先生たちは、授業と生徒指導に専念する。
 そうすれば、長時間労働は、一挙に少なくなるはずである。

●親しい知り合いの先生から、次のような手紙をもらった。
 「昨今の学校現場は、流行と変化のすさまじさに振り回されていると思いますし、この渦にのみこまれないようにするので精一杯のように感じます。」と。

 来年度から始まる新しい学習指導要領の実施で現場は、振り回されているのであろう。

 30年前に実施された新しい学習指導要領のときのことを思い出した。
 総合が入ってきたときである。
 この時も、今以上に流行と変化に振り回された。

 「新しい学力観」という名前で命名されていた。
 「旧来の学力観が知識や技能を中心にしていた」として、それに代えて学習過程や変化への対応力の育成などを重視しようと考える学力観である。  

. 私は、今回のアクティブ・ラーニングの1回戦と言っている。

 だが、みごとな惨敗。
 「ゆとり教育」として破綻していった。

 現場に残した破綻の爪痕は、大きかった。
 学力は低下する。低学力児は増える。……などなど。

 今も、その爪痕が残っている。
 
 また、同じような破綻をするのではないかと危惧している。

 なぜ、破綻するのか。
 その構造が明らかにされている。

 中央公論2月号に「教育改革神話を解体する」としてオックスフォード大学教授の苅谷剛彦さんが書かれている。
(苅谷さんには早く日本に戻ってきて、がんばってほしいと願っている一人なのである)
 苅谷さんは、冒頭で書いている。

「教育改革の瑕疵を生み出す構造的な問題は、現在でもほとんど変わっていない」
「どうして構造的にはほぼ同じことが繰り返されるのか。なぜ教育改革をめぐる神話は、解体されないのか。」
 その問題を「エセ演繹型」思考として問題視されている。
 ★ ★ ★
 演繹的思考は、日本における教育政策の立案・実施過程では、中途半端にわかったつもりで政策が作られる“エセ演繹型”へと容易に後退していった。徹底した演繹や、事実からの帰納的な思考で政策が作られるよりも、抽象的で流行の言葉を中途半端にわかったつもりになって政策を作り出すことが少なくなかっただからだ。
 
 日本で一層目立つのは、とくに1980年代以降の教育政策において、目標として掲げられる「資質・能力」(主体性、創造性、個性、問題解決能力、英語四技能など)が、日本では「欠如」してきたものと見なされたことによる。

 受験教育の強い影響を受けた暗記型の学習(あるいは画一的な教育)が主流だったから、その犠牲として、「主体的・対話的で深い学び」ができず、それゆえ「社会における様々な場面で活用できる知識」や能力を身につけることができなかった、とする論法である。
 ★ ★ ★

 これらを読みながら、30年前の破綻が、何にもとづいていたものか、そのからくりが鮮明になる。
ぜひぜひ読まれた方がいい。

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