学級崩壊の現在(2)~崩壊した先生の共通の特徴~
崩壊をした多くの先生たちの共通の特徴がある。
①時間を守れない。
②整理整頓ができない。
③笑顔がない。
④認めない。ほめない。
崩壊の結果として、こういう特徴が出てくるというのは、よく分かることだが、もともとの、その先生の要素でもある。
これは何だろうか。
(1)で書いたことだが、クラスの子供たちの多くが、担任に求めているのは、「安心感」なのである。
よくみれば、この4つとも「安心感」を阻害し、「不安」を生み出すものである。
担任そのものが、「不安」な存在。
これでは、崩壊を招いていると思った方がいいのである。
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①の時間のこと。
学校は、そもそもが「時間」によって成り立っている。
1時間目から6時間目の授業。基本的には、それによって構成されている。
それをきちんと守れないというのは深刻である。
授業の時間を守れない。いつも授業で「空白の時間」をつくる。会議や研究会には遅刻する。締めきりの文書を守れないなど、すべてにルーズ。
子供たちは、ゲームで身に付けた「スピード・テンポ」が染みついている。
時間のルーズさ(とくに、「空白の時間」の多さ)は、不快感を増す。
時間をきちんと守り、スムーズに進行する。
これは、子供たちに「安心感」を与える大切な要素。
②の整理整頓のこと。
教室や職員室の自分の机の乱雑さに表れる。
ひどいことになると、教室中にぞうきんやゴミが散乱する。
子供たちは、自らごみを拾ったりしない。放置される。
担任は、平気。その状況が見えない。
その乱雑さは、子供たちの心を不安定にする。
③の笑顔のこと。
無表情で、笑顔がない先生。
最初は、穏やかな表情だったのが、崩壊しだしたら、怒りの顔になっていく。
子供たちへの怒りや虚しさが顔に出てくる。
しかし、笑顔でいるというのは、子供たちに大きな「安心感」を与える。
楽しくもないのに笑えないと言う人もいる。確かにその通り。
でも、教師としての役割を演じるには、必要な演技なのである。
子供たちにとっては、最も大切な心得である。
④の認めない、ほめないということ。
このことが、子供たちに「安心感」を与えるのだということが分かっていない。
山口県に福山憲市先生という有名な実践家がいる。
その福山先生が、学期最初の図書室指導で、「教室から図書室まで行くときに、10個の『ほめてん』を設けます!」と言われたことがある。
「ほめてん」とは、ほめていく観点ということ。
「えっ~~、そんな距離で、10個もあるの?」ということになる。
おそらく、普通の先生なら2,3個のほめてんは考え出せる。
でも、そんなことはやっていない。
このことが何を示しているのか、分かるだろうか。
福山先生は、学期の最初からこのように徹底的に子供たちを認め、ほめていく。
それで、子供たちの心に働きかけ、行動を変えていく。
この「ほめてん」は、みごとに子供たちの「安心感」を醸成していくのである。 (つづく)
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