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つれづれなるままに~始めがあれば終わりがある~

●退職して、12年目になった。
 講演などで呼ばれる時以外は、家にいる。
 当然のことだが、そういう生活にもずいぶん慣れてきた。
 
 家にいて、私の家庭での役割は、ゴミ出し当番、買い物当番など。
 この役割をするようになって、ゴミ出しや買い物が、日常生活にとってどれほど重い役目を持っているのかに気づかされた。

 ほとんど毎日、午前11時から買い物に行く。自転車で。
 買い物の種類によって、行くスーパーを決める。

 最初は、小さい1円玉や5円玉の小銭を出すことさえ躊躇した。
 最近は慣れてきている。

 買い物をするときの、品物を選ぶときも大変である。
 ブロッコリーやかぼちゃの見分け方、魚や肉の鮮度の見分け方など、よく失敗した。
 どういうところに注目しなければならないかになる。
 これも最近は格段にうまくなっている。

 来年度からは、食事づくりにも挑戦する。
 最後は、必ず1人になる。
 女房が先に行って、私が残された場合、私が食事づくりをしなければならなくなる。その準備をする必要がある。

 現役の頃、女房の帰りが遅くなって、夕食づくりを数年やった経験があるので、食事づくりへの転換は、そんなにむずかしくない。

 土井善晴さんが『一汁一菜でよいという提案』(グラフィック社)を出されている。
 これは、私が提案した「日常授業」とまったく同じテーマで書かれた料理の「日常授業」なのである。
 これを実践したいと思っている。
 ★
 今日ふと詩人の石垣りんさんの詩が浮かび上がってきた。
 「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」という詩。
(『石垣りん詩集』角川春樹事務所 ハルキ文庫)
 ………(略)……
 炊事が奇しくも分けられた
 女の役目であったのは
 不幸なこととは思われない、
 そのために知識や、世間での地位が
 たちおくれたとしても
 おそくはない
 私たちの前にあるものは
 鍋とお釜と、燃える火と

 それらなつかしい器物の前で
 お芋や、肉を料理するように
 深い思いをこめて
 政治や経済や文学を勉強しよう、

 それはおごりや栄達のためでなく
 全部が
 人間のために供せられるように
 全部が愛情の対象あって励むように。
 
●3月刊の本の校正原稿ができあがってきている。
 書名は、『新任教師を失敗させない初任者指導の教科書』~勝負の4月を乗り切る1ヶ月のシナリオつき~。明治図書。

 今年の2月にも、初任者向けに『教師1年目の教科書』(学陽書房)を出している。

 今度は、初任者指導の先生向けの教科書になる。

 初任者と初任者指導の先生との「すれちがい」が数多く起こっている。
 その原因は何かということを指摘し、それを克服する手立てを提案している本である。

●テレビで、イチローが「イチロー杯」を終了することを伝えていた。
 現役引退で、今まで子供たちに行ってきた「イチロー杯」を終了することになった、と。
 
 愛知県豊山町の社会教育センターで行われたイチロー杯争奪学童軟式野球大会で閉会式が行われた。
★ ★ ★
 イチロー杯の大会会長としての最後のメッセージ。少年少女へ身振り手振りを交えて話す姿は、“イチロー先生”だった。テーマは2つ。1つ目は自分自身を律し成長へつなげることだ。

「教えてくれる人たち、先生たちは、なかなか(厳しく言うのが)難しいらしい。先生よりも生徒の方が力加減でいうと強くなってしまっているような状況があるみたい。このことを僕は今、心配している。『どうやって教育するんだろう』とよく考えることがあります」

「みんな小学生だけど、高校、大学、社会人になる前に経験する時間、そこで自分自身を自分で切り開いてほしいと思います。厳しく教えるのが難しい時代、自分で自分のことを教育しないといけない時代に入ってきた。自分は小、中、高となかなかそうは思えなかった。自分には厳しい先生がいた。今を生きているみんなには、それが大切なことと覚えておいていってほしい」

インターネット社会の現代へ「外に出て分かることがたくさんある」

 2つ目は自ら体験することだ。インターネットなどが発展した現代社会について、「いろんなことが情報として、すぐ頭に入れられる時代。いろんなことが分かる。すぐに携帯、スマホで調べられる」と表現。だからこそ、積極的に外に出て学ぶことが重要と説いた。

「僕が27、28歳に大リーグに挑戦したわけだけど、外に出て分かること、行ってみて初めて分かることがたくさんあった。野球の世界は狭い世界だった。外に出て、気が付くことがあるし、勉強不足もいっぱいあった。それを知識として持っているじゃなく、体験して感じてほしい」

「日本は素晴らしい、と外で感じました。そういう経験を将来して欲しいなと思います。今まであった当たり前のことは決して当たり前ではない。価値観が変わるような出来事を体感して欲しいなと思います」

 1996年にスタートした同大会は今大会が最後。この日の閉会式には300人を超えるファンが集結し、イチロー氏のメッセージに耳を傾けた。この日の熱弁について、イチロー氏は「日本で9年間、アメリカで19年間、プロ野球選手として過ごしてきて、何かみんなに伝えられないかと」、「28年の現役を終えて、みんなに覚えておいて欲しいこと」と話した。故郷の野球少年少女への“ラストメッセージ”に満員の会場から温かい拍手が送られた。
★ ★ ★

 イチローは、引き際も見事だなあと思う。
 人は、始めるのはたやすいが、終わるのは大変なことだから。
多くの人が、その引き際で失敗している。

 しかし、始めがあれば、終わりがある。
 それは、世の真理。
 
 国民栄誉賞を4度も断ったと聞いて、自分を律して生きるイチローは、すごいなあと思ったものである。

 
 

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