« 2019年11月 | トップページ

2019年12月

つれづれなるままに~深い学びとは~

●緊急の26兆円の経済対策でびっくりした。
 小中学生の一人ひとりにパソコンやタブレットを配布するというのである。 これは何だろうか。

 緊急性といったら、これだけの予算があったら、教職員を増やすための予算措置にならなければならないはずである。
 学校現場を知っている人ならば、すぐに考える第1のことになる。
 現場は、補充の先生がいなくて青息吐息なのである。

 私が知っている情報で言えば、タブレットなどを市で子供たち一人ひとりに与えていったところで、うまくいったと聞いたことがない。
 先生たちは戸惑い、学力も上がらないと聞いている。

 ちょっと考えてみれば分かるはずである。
 パソコンやタブレットをうまく使いこなすためには、教師がよほどそれに精通しておかねばならない。授業も、工夫しなければならない。
 今の先生たちに、そんな時間はほとんどないのである。

 それに加えて、クラスが荒れてきたりしたら、そんなものを使うどころではなくなる。
 学級崩壊は、限りなく広がっているのである。

 こんな教育政策を考えていくトップの頭の中では、新しい学習方法やすぐれた機器を子供に与えれば、教育はうまく行くだろうと直線的に考えられているのではないだろうか。
 まったく呆れてしまう。

 それを使いこなす現場の教師のことをまったく考えていない。
 教師をロボットみたいに思っているのではないか。

●MAG2NEWSで次のように報じられていた。
 これから景気が落ち込んでいくのである。

 ★ ★ ★
 増税が影響か。消費支出11ヶ月ぶり「大幅下落」に呆れる声続々

 内閣府は6日、10月の景気動向指数について、景気の現状を示す一致指数が前月と比べて5.6ポイント下落の94.8だったと、共同通信社などが報じた。下落幅は、東日本大震災があった2011年3月の6.3ポイント以来、8年7ヶ月ぶりの大きさである。また、10月の消費支出も、物価変動の影響を除いた実質で前年同月に比べて5.1%減っており、マイナスとなったのは11ヶ月ぶりだという。落ち込み幅は、消費税を5%から8%に引き上げた後の2014年4月の4.6%よりも大きかったと日本経済新聞、NHKなどが報じている。これについて日本のネット上では「消費が落ちるのは当然」「国民の大半がこうなるの分かってた」「消費税増税して景気が良くなるわけないだろ」と呆れかえる声が続々と挙がっている。
 ★ ★ ★
 直接的には、増税の影響があるのかもしれないが、景気が落ちていくのは必然ではないだろうか。

●突然、アフガニスタンの中村哲さんが銃撃され、亡くなった。
 ニュースで大騒ぎになっている。

 私と同世代のこの人の挑戦に、私もまた励まされてきた一人である。
 それがいきなり亡くなったのである。

 中村さんを狙っての銃撃だったと報じられている。
 銃撃した連中は、中村さんが邪魔だったのであろう。
 アフガニスタンを緑豊かな土地に生まれ変わらせようと努力している人に対して邪魔だというのは、どういう発想なのだろうか。
 それを想像することはできない。
自分の住んでいる目の前の土地を少しでも豊かにしていこうという、その心根を失ったら、何を根拠に人は生きていこうとするのだろうか。
 
中村さんは、キリスト教徒である。
 その人が、指し示した言葉は、伝教大師最澄の「照一偶」である。
 「自分の今いる場所で最善を尽くす」と。

 大切な人を、こうしてまた失ってしまった。 

●西川純先生が、フェイスブックに次のように書かれていた。

★ ★ ★
教育にはみんなが使っているけど、無定義の言葉があります。例えば、「分かる」、「出来る」などもそうです。その最たるものは「深い学び」です。この言葉を使う人は、それがはっきりしていると思い込んでいますが、「では、それが深いか深くないかを第三者が判断する具体的方法を示してください」というと言えません。仮に言えたとしても、それはその人の趣味以上のものではありません。研究者の一人として断言します。たった一つの学会に限っても結構です。その学会の会員の大多数が一致する「深い学び」の操作的定義はありません。

 「深い学び」という言葉を見るたびに「言葉が踊っているな~」と思います。学習指導要領にも「深い学び」という言葉がありますが、あれは意味の無い言葉の遊びだと理解すべきです。つまり、学習指導要領の内容的な縛り以外は、教師を縛るためにあるのではなく、一人一人の教師の積極的な発想を促す言葉だと私は理解しています。だって、縛ろうにもだれも実態が分からないのですから、縛れないのは当然です。それでもその言葉があるとしたら、上記の理由だと思うのです。
 それ故、『学び合い』の授業に対して「深い学び」云々を言う人がいると苦笑します。おそらく、クラスの中の4、5人だけが理解し、発言し、その言葉がその業界の教師が好きな言葉であるとき「深い学び」と判断しているのだと思います。
 ★ ★ ★

 「深い学び」については、言われる通り。
 これについて、私が今まで聞いた中で、一番明快だったのが、ある文科省調査官の言葉。

 「『深い学び』とは、本時の目標が達成されたことを言います。」

 実際には、直接聞いていないので、本意は分からない。
 でも、そうだよなと思われる指摘。

 現場は、こういう言葉に右往左往している。

 

| | コメント (0)

「算数学力向上メソッド」の結果報告

 第3次の算数共同研究の結果は、ときどきこうして報告している。
 
 4年生の担任しているM先生のクラス。
 単元「小数のしくみとたし算、ひき算」の結果。

  知識理解  技能  考え方
 ①児… 45   50   50
 ②児… 35   40   38
 ③児… 40   45   50
 ④児… 50   40   40
 ⑤児… 40   40   48
 ⑥児… 40   40   50
 
これは、低学力児の現在の点数である。
 このクラスの最低点は、75点。

 クラスの平均は、46.14 48.37 48.91 である。
もちろん、90点以上であることは間違いない。

 そんなにむずかしい単元ではない。
それでも、基本的な計算ができていなければできない。

 「算数学力向上メソッド」を続けていけば、これほどになる。

 このクラスは、他の単元も、難易度によって上がり下がりはあるが、ほとんどこの状態である。

 みごとに低学力児を引き上げている。

 M先生に、どんなにしてやっているのだと質問したことがある。

子供たちに「こんなに勉強ができるようになって、うれしい、うれしい」といつも声かけてほめています、と。
 そしたら、子供たちから「先生のおかげです!」と返ってくる、と。

 ほめるための「事実」をつくり、そして実際に言葉にして「ほめる」。
 これをやっている。みごとである。

| | コメント (0)

つれづれなるままに~今、日本はすごく貧困化している~

 
● 知り合いの校長先生から次のようなメールをもらった。
 出張する先生の替わりに、授業をしたということ。
 ★ ★ ★
 先日2年生の授業でかけ算九九4の段を教えました。
とっさにひらめいたのが、
3つずつに区切って覚えさせる
という方法でした。
4×1,4×2、4×3で一区切りです。
これを3回繰り返せば終了です。
覚え方は音読連れ読みから入って、
一斉音読、一斉音読ランダム(といっても3つですが)
ペアで確認、列指名といった具合でアウトプットさせました。
これは、入りました。
授業終末には、ほぼ全員が「発表させて」状態になりました。
ときかたハカセ?は
「かけ算九九はね、3つずつ覚えるんだよ」
のように伝えました。
子供の感想は、
「校長先生の授業は、なんかすごく忙しいんだけど、楽しい」
というものでした(笑)。
 ★ ★ ★

 やはり、授業は、アウトプットとスピード・テンポだ。
 子供たちは、快く感じる。
 そのことがよく分かる。

●評論家小浜逸郎さんのブログに、「貧困化した日本」の論考が載せられていた。
https://blog.goo.ne.jp/kohamaitsuo
 
 この中で、情報戦略アナリスト・山岡鉄秀氏の次のような記事に目を惹かれたと書かれている。

 山岡氏は、ある団体から青年向けの講演を依頼された時に、「日本の国力が驚くほど低下してしまったと思う人は、手を挙げてください」と呼びかけたそうである。
 すると、会場の半分ぐらいの人しか手を挙げないので、驚いて、こう聞いた。 

「日本の国力は、ずっと変わっていない人、手を挙げてください」と。
 すると、残りの半分の人たちが手を挙げている、と。

 彼らは、皆若く、20代、30代、といった感じ。

 これは、私も驚くこと。
 今の若い人たちの半分は、今の日本の国力が変わりないと思っているである。
 よく考えてみると、変化したという実感がないのかもしれないと思わされた。
 次のような言葉がある。
「一国が滅んでゆく最大の原因は、その国の国民が、自国の滅亡過程を自覚しないことです。」と。
 
 今、日本はすごい勢いで、貧困化していっている。
 その実状を小浜さんは、いくつもその例を挙げている。
 具体的には、私も知らなかった事実がいっぱい。

 ①OECD加盟国34カ国のなかで、日本の相対的貧困率は29位

 ②実質賃金は、この20年間で約13%下がっている。

 ③世帯収入の中央値が、1995年は550万円だったのが、2017年には、423万円に下がっている。

④収入が平均値以下の世帯が、62.4%

 ⑤年収200万以下のワーキングプアが1996年に800万人だったのが、その後急上昇し、安倍内閣が発足してから2013年からは110  0万人。

⑥生活保護所帯は、1995年ごろには60万所帯だったのが、その後急上昇し、今は160万所帯。

 ⑦高齢者は、5人の1人が貧困層。
  中でも単身高齢者は、男性で約4割、女性で5割を越える。

 まだ、さまざまな実例を小浜さんは紹介しているが、ここらでいいだろう。
 日本は、大変なことになっているのである。
 
●人は、あるとき自分を変えなければならないときが必ずある。
 そんなとき、どうするか。

評論家大前研一氏によれば、人が変わるために必要なことは3つということ。
 
  1 時間配分を変える
  2 住む場所を変える
  3 付き合う人を変える

●加藤典洋さんは、2019年5月16日に肺炎で亡くなった。
 同世代であり、亡くなって茫然となるような感じであった。
 
 彼の書く本は必ず読んできた。
 今回、遺稿集とも言える本が岩波書店から出された。
 『大きな字で書くこと』。
 
 僕はいま
 風の中
 誰か遠くの人の声を聞く
 どこかわからない
 でもここが僕の場所

 風が吹いても
 動かない
 かすかな窪地

こう書いて加藤は去って行った。

| | コメント (0)

« 2019年11月 | トップページ