今日一日の区切りで生きよう!
ブログには、さまざまな相談が寄せられる。
もちろん、ほとんどは公開はしない。
相談をされる方は、ほとんどが子供たちとの関係や、他の先生たちとの人間関係の悩みである。
その相談に、時として「この本を読んでほしい!」と薦める本がある。
私の生涯の書物として、常に傍らに置いている本である。
『道は開ける』『人を動かす』(創元社 カーネギー著 文庫本)
この2つの中で、とりあえず『道は開ける』を薦める。
★
世界的な名著である。
だから、読んだことがある人もいると思われる。
私は何回も読んでいる。
この本は、1948年にアメリカで出版されている。私が生まれてから1年後の本。
もう70年以上前の本。
内容は、まったく古くさくなっていない。
何度読んでも新鮮である。
それだけ人は進歩していないとも言えるかもしれない。
★
本を読まない人は多い。
だが、この本だけは読んだ方がいい。
『道は開ける』という本は、悩みに関することが書いてある。
その第1章「悩みに関する基本事項」の第1は、「今日、一日の区切りで生きよ」で始まる。
要するに、カーネギーは、悩みを解決するには、まずここから始めなければならないと考えているのである。
サー・ウィリアム・オスラー博士が、エール大学で学生たちに語ったことが紹介されている。
★ ★ ★
君たち一人一人は、この豪華客船よりもはるかに素晴らしい有機体であり、ずっと長い航海をするはずです。考えていただきたいのは、この航海を安全確実なものにするために、『一日の区切りで』生きることによって自分自身を調節することを学べということです。ブリッジに立って、とにかく大きな防水壁が作動している状態を見るといい。ボタンを押してみなさい。そうすれば、諸君の生活のあらゆる部分で鉄の扉が過去ー息絶えた昨日ーを閉め出していく音が聞こえるでしょう。またもう一つのボタンを押して鉄のカーテンを動かし、未来ーまだ生まれていない明日ーを閉め出すのです。そうしてこそ、諸君は今日一日安泰です。過去と縁を切ることです。息絶えた過去など、死者の手に委ねましょう……愚か者たちを不名誉な死へと導いた昨日など閉め出すべきです……明日の重荷に昨日の重荷を加えて、それを今日背負うとしたら、どんな強い人でもつまずいてしまうでしょう。過去と同様、未来もきっぱりと閉め出しなさい。未来とは今日のことです……明日など存在しないのです……人が救われるのは今日という日なのです。エネルギーの消耗、心痛、神経衰弱は、未来のことを気遣う人に歩調を合わせて、つきまといます……そこで、前と後ろの大防水壁をぴたりと閉ざし、『今日一日の区切りで生きる』習慣を身につけるように心がけるべきでしょう。
★ ★ ★
カーネギーは、このオスラー博士の言葉から、この項を次のようにまとめている。
「では、悩みについて胆に銘じておくべき第一点を述べよう。あなたが自分の生活から悩みを閉め出してしまいたいのなら、サー・ウィリアム・オスラーを見習うことだ。」と。
過去と未来を鉄の扉で閉ざせ、今日一日の区切りで生きよう。
| 固定リンク
コメント
野中先生、こんばんは。
あれ以来、当該児童はカウンセラーと時々面談を入れてもらい、その効果か多少メンタル的には落ち着いてきているようです。
と、言っても……あくまでも「(本来は)特別支援対象の子にしては」というレベルの話で、通常学級のレベルにはとても付いていけない状態であることに変わりありません。
さらに、彼がいることで学級全体が落ち着きがなく、だんだんトラブルが増えてきました。一刻も早く彼を集団から離すべきだと感じているのですが、学校の体制でそれはできない状況です。
管理職は、時々見回りには来ますが(それだけでも感謝すべきなのでしょうが)、大して効果があるようには感じません。
本当に「学級崩壊」にならない限り、上は動けないだろうと思います(もうギリギリの状況なのですが……)。
前にも書きましたが、私は教員として「一度死んだ人間」だと思っていますので、あえて弱音も晒すことにします。
学級の問題すべてを、担任の力量だけに求めてしまうのは、やはり限界があると思います。
無理なものは、無理です。こういう「無理」を強いられたために、多くの教員が消耗し病んでいく現実があるということを、多くの方に知っていただきたいです。
投稿: 童神 | 2019年6月20日 (木) 19時55分
童神先生の、「一度死んだ人間」という言葉、なんだかすごく沁みました。
人間、体は一度死んだら終わりですが、心は一度死んでもなんとかなると、感じられる本当に「一度死んだ人間」にしかわからない言葉で、私は勇気をもらいました。
自慢ではないですが、私は「二度死んだ人間」かもしれません(笑)
ですが、童神先生のように同じような悩みを抱えてどん底まで落ちた方がいらっしゃるということは、私自身大きな支えになります。
あと10日そこらです。
凌いで、凌いで、その先でまた新しい世界が見えることを心からお祈り致します。
お互い、頑張らないことを頑張りましょう‼
とにかく童神先生は1人じゃないです。
投稿: kawamu | 2019年7月 9日 (火) 22時36分