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童神先生からの相談事~学級をかき乱して困っています~

 童神先生から次のような相談事が入りました。
これは、あらゆるクラスで、今問題になっていることでもあるのです。
 
★ ★ ★
 野中先生、ブログに取り上げていただきありがとうございます。実は今、以前ほどじゃありませんが、かなり参ってきています。前回も少し書いたのですが、どう見ても特別支援対象の男子児童がおり(保護者が病院受診自体を拒否しているようです)、その子が他の子にちょっかいを出すなど、学級をかき乱して困っています。注意されると逆切れする、放っておけば好き勝手なことをする。また被害妄想が強く、自分の行動は棚に上げ「誰々が俺の悪口を言っている」などと私に訴えてくることもあり、言動がちょっと普通ではありません。管理職には既に報告しており、校内体制を作ろうという話にはなったのですが、そうこうしているうちに、この子一人に学級の秩序が破壊されてしまいそうです。こういう子をヘルパーも付けずに普通学級に置くこと自体、間違っていると思うのですが、親の理解が得られないままでも、何らかの手立てを講じることはできないものでしょうか。
 ★ ★ ★

 この子供については、すぐにでも対応を取らなければなりません。
 管理職に相談しているということですが、すぐに動いてもらえるようにしなくてはなりません。
 これは、すでに担任ができる域を越えています。

いつまでもこのままにしていると、学級自体が不穏な状態になっていく恐れがあります。
 また、このままにしておくと、被害にあった児童の保護者から連絡があるはずです。

 だから、校長に「この子が他の子供の学習の邪魔をして、クラス全体の学習が思うようにできません。何とか対応をお願いします。」と強く言うことです。
 
 この子供は、発達障害か愛着障害である可能性があります。
 ★
 ただ、クラスにいるわけですから、その対応はきちんと考えていかねばなりません。
 どうしていくのかです。
私はこのことについては、専門ではありません。
 私が知り得た範囲で伝えます。
 
 この領域については、現場の教師たちは、きちんと研修がなされていません。そのために、間違った対応をしています。


(1)まず厳しく叱ることをやめること
 広汎性発達障害(PDD)傾向にある子供は、常に不安感があり、そのために他への攻撃をしたりします。
 叱責や注意などに対しては、反発や攻撃を返してきます。
 童神先生のクラスの子供が逆ギレしたり、被害妄想が強いというのはまさにこの状態です。

 その子に対して厳しく注意したり、叱ったりすると逆効果になります。
 止めなくてはいけません。

(2)安心感をもたせる
 それでは、ほっておけばいいかというとそれでは事態は改善しませんね。
 その子は、そこで動き回ってしまうわけですから、それに対処しなければいけないわけです。
 その子が何とかクラスの中で落ち着いて行動できるように導いていかねばなりません。
 
 そのためのキーワードは、「安心感」。
 この安心感を持てるようにすることです。

 脳科学者の平山諭先生は、ここで「セロトニン」という脳内で情報を伝えるホルモンの仲間を紹介されています(『満足脳にしてあげればだれでもが育つ』ほうずき書籍)。
 このセロトニンは、優しくされると分泌されるもの。
 安心感をもたらすものです。

 このセロトニンを分泌させるためには、何をするか。
 平山先生は、5つのスキルがあると言われています。

 ①見つめる
 ②ほほ笑む
 ③話しかける
 ④ほめる
 ⑤触る

①見つめる
 やさしく見つめると安心感を与えることができる。

②ほほ笑む
 ほほ笑むことが上手な人は攻撃されない。口をできるだけ横に開き、歯が少し見えるぐらいがいい。笑うとは異なる。笑うと人に警戒心をもつ子供はバカにされたと思い、対抗して攻撃の姿勢を取る。

③話しかける
 相手の言葉を待つだけでなく、こちらから相手に話しかけることが大事。 名前を呼んだり、質問をしたり、言動に対して、「そうだね」「わかるよ」「大丈夫だよ」「それでいいんだよ」「そうそう」など安心感をもたらす言葉が効果的である。

④ほめる
 ほめることに関しては、平山先生は以下のように記されている。 

★ ★ ★
 否定や言い返しもできるだけ避けたい。それぞれの人の脳には歴史があるので、その歴史(事実)を尊重するところから始めたい。臨床的な教育が事実から出発するのはそのためだ。《そ》が付く言葉は有効である。「そーなの」「そうなんだ」「そうか」「そうだよね」などは、相手の心を傷つけない。事実を認める言葉だからだ。《ど》が付く言葉もいい。導入段階で使える。「どうですか」「どうしたの」「どれどれ」(はなしてごらん)「どうぞ」「どういたしまして」などだ。
 ほめることは『成功体験』の積み重ねにつながる。ほめられたことは一般に繰り返そうとするからだ。ほめ方には5種類ある。

 1 短いフレーズで元気よくほめる。
  「すてき」「ばっちり」「すごい」など。
 2 名前を付けて特定化してあげる。
  「すてきですね、菜々子さん」「ばっちりだよ、一郎君」など。
 3 成長や達成を実感できるようにほめる。
  「できるようになってきたね」「やったじゃない」など。
 4 にっこりほほ笑んで事実を話題にする。
  「(ノートに)書いてる、書いてる」「(ノートに)消してる、消してる」「いい顔、いい顔」など。かまっている感じが出て満足度は高まる。2回繰り返すとリズミカル(音楽)になるので脳は喜び効果的だ。
5 期待効果を狙ってほめる。
  「(集団から離脱している場合)中に入ってくれたらうれしいな」「(教  科書を出していない場合)出してくれたら、先生、チョーうれしい」など。
  ★ ★ ★

⑤触る
 手をつないで口を閉じる人はそうはいない。握手が基本。握手だけでなく、肩を軽くタップする。ハイタッチをするなど。


(3)まず、ここから始めよう
 「セロトニン」に注目したいのです。
 その子に安心感をもたせるためです。
 
 そこで、まず、ここから始めましょう。

 ①いけない行動を取っていたら、「それは止めなさい」と指摘して、
  こうしようと行動をうながす。強い言葉で叱らない。

 ②「うるさい!」「消えろ!」「ウゼェ~」などと応えてきたら、
  「そう!」「そうなんだ」「そうか!」などの「そ」の付く言葉で
  返す。ほほ笑むことができたら尚良い。
  まともに叱り言葉で返さない。

 ③ちょっとでもまともな行動を取っていたら、褒め言葉で返す。
  
 
 童神先生、どうでしょうか。できるところからがんばってください。
 とにかく管理職に早く対応をお願いすることが先です。

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