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小学校にも教科担任制を!

 文科省が、小学校5.6年生で「教科担任制」の検討を始めたということである。

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 小学5、6年の「教科担任制」検討 文科省、授業の質向上へ
.毎日新聞2019年4月11日 06時30分(最終更新 4月11日 06時30分)

 文部科学省は、小学校5、6年の特定教科や科目について、専門教員が複数の学級を受け持つ「教科担任制」を推進する方針を固めた。2020年度から英語が正式教科となり、プログラミングが必修化されるなど専門性の高い教員が必要となる。教員の負担軽減につながる側面もあり、近く中央教育審議会(中教審)に諮って教員配置のあり方などを議論する。

.小学校では、学級担任が大部分の教科を教える「学級担任制」が一般的。教員が専門分野以外の教科を教えなければならないことに加え、異なる教科を教えるための準備に時間がかかる弊害も指摘されていた。

 20年度から「主体的・対話的で深い学び」を掲げる新学習指導要領が全面実施されることに伴い、教員にはより高い専門性や知識が必要となることが見込まれる。教科担任制を導入することで、英語やプログラミングなどの知識がある教員に、授業を任せることができるメリットがある。

 例えば英語については、他の教科を教えない「専科教員」は17年12月時点で約3900人いたが、文科省は20年度までに8000人に倍増する方針だ。

 教員負担の軽減につながる可能性もある。文科省の16年度調査によると、教員の1週間あたりの平均授業時間数は、教科担任制を取る公立中の17.9コマ(1コマ50分)に対し、取らない公立小は23.8コマ(同45分)。異なる授業を教える準備に時間がかかるため、中教審も今年1月、働き方改革の方策をまとめた答申で小学校での教科担任制充実を検討事項として挙げた。

 一方、担任が児童の能力や特徴を把握しにくくなるとの懸念もある。学級担任制ではクラス全体の運営を通じて児童の発達を確認することができるが、教科担任制ではきめ細かい指導ができなくなる恐れがある。

 また教科担任制には学級担任制より多くの教員確保が必要で、財政状況による自治体格差が生じる可能性は高い。児童数が少ない小規模校では各教科の担当教員を確保できず、そもそも実施が困難という課題もある。

 18年度に県内の9割超の小学校が2教科以上で導入した兵庫県や、19年度に92%が導入している仙台市、16校で試験導入する横浜市などは、いずれも大規模な自治体だ。

 文科省の18年度調査によると、全国の公立小6年で教科担任制を多く実施しているのは音楽55.6%、理科47.8%、家庭35.7%など。最も少ない国語(書写を除く)の3.5%、算数7.2%などとは大きな隔たりがある。【伊澤拓也】

教科担任制の主なメリットとデメリット

<メリット>

・専門的で質の高い授業ができる

・担当教科を絞ることで教員負担が軽減できる

・児童と担任の相性が悪い場合に他教科が逃げ場になる

<デメリット>

・児童の能力や特徴を把握しにくい

・小規模校では教員が足りない

・教科横断的な授業が展開しにくい
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 この中で、横浜市は16校の試験導入していると書かれている。
 横浜市で、Y小学校が導入して、学級崩壊クラスを5年間出していないということを聞いている。
 実は、知り合いの校長が、そこの校長だったのである。
 研修でそこに呼ばれて、実状を聞いた。
 そこの学校は、3年生以上を教科担任制にしていた。

 その時「若い先生ばかりが学校では数多くなって、その若い先生1人にクラスを任すということができなくなっている」という話を、その校長から聞いたことがある。
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 私は、小学校にも教科担任制を取り入れていく必要があると、思っている。
 もはや、担任一人でクラスを処していくことには、限界がある。
それがむずかしくなっているからである。

 今、クラス担任をしていくことは、簡単なことではなくなっている。
 子供たちとの「関係づくり」をどうするか、学級づくりをどうするか、日常の授業をどう進めていくか、などの基本的なことがちゃんとできていなければ、クラスはすぐに賑やかになり、荒れていく。

 それを初任者などの若い先生に、すぐに身に付けろと言っても、それはなかなかできない。
 
 私が初任で5年生の担任をした当時は、そんな基礎・基本を身に付けないでも、子供たちと関わりながら学んでいけばよかった。

 最初から子供たちは、教師に対する対応の仕方を知っていたので、「縦糸を張る」とかを意識することはなかった。子供たちから教師を縦糸だと認めてくれていた。
 「学級づくり」も、係や当番さえ決めておけば、あとはテキトウに子供が動いてくれた。前学年でやってきていたのである。

 担任は、ただ授業をやれば良かった。
 どんなつまらない授業でも、がんばって教えれば、子供たちは我慢してついてきてくれた。
 それでよかったのである。

 だから、私の頃は、横浜市は何千人と初任者は入ったが、辞めたという話はまったく聞かなかった。学級崩壊も聞いたことがなかった。そんな言葉もなかった時代である。

 要するに、その頃の初任者は、単なるお兄さん、お姉さんだったのである。それでも十分通用した。子供たちが教師として対処してくれたからである。

 もう47,8年前のことになる。
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今は、もうそんな時代ではなくなっている。
 
 一人にそのクラスの全てを任せていくことは、困難になっている。
 そこで教科担任制という発想が出てくる。
 複数の教師たちがそのクラスに関わることで、教師と子供たちとの関係が変わっていく。それがねらいである。

 ただ、これは簡単ではない。

 まず、大きなハードルは、小学校では、学級を一人で担任するシステムがいくつもあり、それを一つひとつ解除していかなくてはならないこと。
 そして、一番大変なのは、中堅やベテランの先生たちにある、いわゆる学級王国的な発想(これは否定的なものばかりではない)を解除していかなくてはならないことになる。
これらを克服していくには、かなりの時間がかかる。

 学年が個々のクラスとして成り立っていくということではなく、チームとして成立させていく発想になれるかどうか、そこにかかっている。

  
 


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