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算数共同研究の総括です!(1)

たびたびこのブログで算数の共同研究のことについて書いてきた。
 第1次、2次に渡って行ってきた1年間の研究の結果を報告しておきたい。

1 研究の目標と目的とは?

 この研究の目標は、2つ。
 
 1つ目は、クラスにいる10、20,30点を取っている低学力児を60、70、80点に引き上げていくこと。
 2つ目は、クラスの平均を90点以上にすること。だが、この目標は、クラスの実態によって大きく変わってくる。

 研究の目的は、この試みを通して、クラスの子供たちに勉強に対する意欲や自信を育てていくことを目指している。

2 「算数学力向上メソッド」とは?
 
 どんな実践を行うか。
 「算数学力向上メソッド」と名付けていることの実践を行う。

 「授業―宿題―復習テスト」を連動させて、システムとして実践することである。
 やり方はシンプル。
 まず、「授業」は、教科書通りに進める。
 1時間できっちり練習問題まで進めて終わる。
 できれば、「味噌汁・ご飯」授業として進めてほしい(『「味噌汁・ご飯」授業』算数編<明治図書>を参照してほしい。)

 問題解決学習の方法では行わない。
 この学習方法では、低学力児を引き上げることが不可能だからである。
 まず最初の「自力解決」でつまずく。
 
 次に、授業を終えたら、「宿題」としてA42枚の問題を課す。
 この宿題の左側には、授業の最後の練習問題がそのまま載せてある。

 それから、次の日に授業の最初の5分に「復習テスト」を行う。
 宿題の左側と同じ問題である。
 
 授業の理解が確かに行われたのかどうか、授業の練習問題―宿題―復習テストという一連の作業を通して徹底するのである。

 私が「宿題」と「復習テスト」を作成し、送付し、各先生たちは授業とその資料の実践を行う。
 ただ、それだけ。
 3 決められた時数を超えないこと

 この実践の約束は、決められている時数を超えないようにしていくこと。
 
 算数の時数は、まったく余裕がない。
 むしろ、指導書通りにやったら不足してしまう。
 それは、テストの時間や配付の時間などが計上されていないから。
 
 そのため、時間を多く使っての実践などは御法度。
 やむなく1、2時間の超過は仕方ないということになる。

 だから、授業はトントンと規定通り進めていくことになる。
 
4 1年間の結果

 1年間の研究で、さまざまな結果が出てきた。
 
 ほとんどのクラスで、低学力児の引き上げがなされた。
 また、クラス平均90点以上になることもしばしばであった。

 だが、うまく行かなかったクラスも、もちろん出てきた。
 それは、クラスが荒れていて、毎日もめごとの収拾に追われているクラスでは、なかなか低学力児の引き上げは難しかった。
 また、知的な遅れがひどい子供たちも、なかなか効果が上がらなかった。

 それでも、特別支援クラス級での実践(2つのクラスで研究をしてもらった)は、大きな成果を上げている。
 可能性を広げてくれている。

5 研究で分かってきたこと

 この研究でこれだけは確かであることが分かってきた。

 ①「算数学力向上メソッド」を使えば、普通の状態のクラスでは、確実に
  低学力児を引き上げていくことができること。

 ②だから、①の結果としてクラス平均90点以上は、達成できること。
 
 ★
 クラスが大変なところや知的に遅れている子供たち、あるいは支援級でも、1年間通せば確実に効果が表れる可能性があることも分かってきた。
 
 その実践例を示してみよう。
 
 ある4年生のクラス。M先生のクラス。
 異動して4年生を受け持った。4クラス。
 その学年は、3年生のとき、3クラスが学級崩壊をしていた。

 M先生が受け持ったクラスは、13人の子供が特別支援の対象。
 その状態で、最初からM先生は、「味噌汁・ご飯」授業を始める。

 そして、私と提携しての共同研究「算数学力向上メソッド」の実践。

 1年間の中でさまざまなドラマがあったが、その結果を明らかにしておこう。

 単元は、3学期の単元「小数と整数のかけ算、わり算」。

  技能   数学的考え方 知識・理解
  クラス平均 47.12  46.06    50

 低学力児はどうなったのだろうか。

  E       50     30      50
  S1       35     45      50
  S2       30     45      50
  H       40      30      50
  M       40      45      50

M先生は、次のように報告されている。
「テストの表面の最低点は、HさんとS2さんの70点でした。2人とも小数点のつけ忘れがあったのでそれがなければ80点だったのでもったいなかったです。この2人は、この1年間でかなり学力が高まったと思います。70点でしたが、2人とも喜んでいました。「悔しい、次のテストはもっと頑張る」とも語っていて、かなり勉強に対して前向きになってきています。我がクラスは、手を掛けなければいけない児童はいますが、低学力児はいなくなったと言っていいでしょう。特別支援の対象になっている児童がクラスの3分の1でも、十分にやっていけることが分かり、自分の中でもかなり自信になりました。」

 共同研で設定した目標を完全に達成して、目的としていた児童の意欲や自信も、もたせることに成功している。
 そのキーポイントは、テストの点数にあることがはっきりしたのである。

 また、M先生は、次のようにも報告されている。

「『テストの裏(知識・理解)が全員満点だったよ』とクラスに話したら「先生の教え方が良いからだよ。先生ありがとう。」とみんなから言われました。そうではないのだけどな…と思いつつ「ありがとう」と言っておきました。クラスの学力の高まり、特に低学力児の高まりは、教員と児童の関係の向上に一役買ってくれます。」と。
 1年間、「味噌汁・ご飯」授業と「算数学力向上メソッド」で取り組めば、大変だったクラスも、このように変わってくる。
 その可能性を示してくれたことになる。

それでも、この「算数学力向上メソッド」がなぜこんなに効果を上げるのか。
それについては次号に書く。


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