つれづれなるままに~「日常授業」の改善が浸透している~
●北海道の室蘭市立みなと小学校へ行った。
飛行機が飛ぶのかどうか心配したが、大丈夫だった。
30日に、東室蘭に行き、そこのルートインホテルへ泊まる。
夜は、校長先生たちとの懇親会。
とても楽しい会になる。
翌日の31日は、9時過ぎにみなと小へ行く。
4校が統合して1つの小学校へなっていて、開校4年目。
まだ校舎は新しく、素晴らしい学校である。
3時間目に、4年1組の教室で授業をする。
いつもの国語の詩の授業。
授業が始まる前に、自己紹介。
笑って、笑って、…。
一気に雰囲気が柔らかくなる。
「Y君 いいね!」
「えっ~~~、どうして知ってるの?」
「顔に書いてあるじゃないの!」
「えっ~~~~~」
事前に担任の先生から、よくしゃべるやんちゃな子供の名前を教えてもらっていたのである。
1時間があっという間に終わってしまう。
素晴らしい子供たちである。
授業の楽しさをまた味わう。
★
そのあとに、若い先生たちを集めての、ちょっとした講座。
「なぜ、あのような授業をするのか?」
1人ひとりの先生にも、感想を言ってもらう。
「先生の授業は、子供たちの『ほめごろし』です。」と感想を言った先生がいた。
子供たちの活動や発言に対して、一つひとつフォローを繰り返すからである。
見ている先生たちはびっくりしたのであろう。
「あんなにほめるんだ!」と。
★
5時間目に、他校の先生たちが見えての、公開授業である。
全部のクラスを見せてもらう。
どのクラスも、特別の「ごちそう授業」をしていない。
きちんとした「日常授業」を展開されている。
目立ったのは、学習指導案。
公開授業の概要と書いてあって、A4の半分に、1教科 2単元名 3本時の目標、4主な学習内容(授業のポイント)が書いてあるだけ。
すっきりしている。
先生たちの負担になることはない。
「日常授業」の改善で行くのだという心意気が表されている。
この後、「これから求められる授業づくり」というテーマで60分ほど、話をする。
とても良く聞いてもらえる。
★
すぐに、東室蘭駅に送ってもらい、札幌を目指す。
この後、新札幌で何人かの先生たちと会うことになっているのである。
東室蘭駅のホームは、寒くて、寒くて、凍り付きそうな感じ。
これが北海道だとしみじみと思う。
●北海道教育委員会の学校力向上アドバイザーを6年間やった。
その間に、およそ50回ぐらい北海道を訪問したことになる。
ほとんどが学校訪問であった。
だから、北海道中を回ったことになる。
先生たちの授業を見せてもらい、私も授業をし、そして講演を行うというパターンを繰り返したことになる。
★
あるA市には、何回も訪問させてもらった。
最近、その市の指導主事の先生から手紙をもらい、A市の小学校では「日常授業」の改善というテーマが浸透していることが書かれていた。
小学校全体が学力もかなり向上しているようで、今まではA小学校がダントツに抜きんでていたのが、そのA校を抜いていく学校さえも出てきたらしい。
手紙をくれた指導主事も、今年から「示範授業」を始めたという。
私が「もう指導主事の口舌だけを聞いてもらえる時代は過ぎている。授業で主張したいテーマを提案するようにならなければならない」ということに応えた対応である。
今年は小学校で、道徳の授業を何回も行ったということ。
どの学校でもたくさんの先生が参観に見える、と。
指導主事が授業で提案するということは、恐らく初めてのことだろうから、
先生たちにとっては興味があるはずである。
授業は、「刺激を与えるような授業ではなく、『味噌汁・ご飯』『ザ・シンプル』な授業を心がけている、と。
「こんな授業準備はできない」「こんな板書は自分には無理」と思われるような授業を見せても、日常授業の改善に生かされないと思うからと言われている。
A市の小学校の多くで「日常授業」の改善がテーマになり、そんな授業を指導主事も授業提案していくという、そういう試みが始まっている。
なんとも頼もしく、A市全体の学校が伸びていくのは当たり前である。
暗い話題ばかりが溢れているが、このような光明が出てくることは、なんともうれしいことである。
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