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教師の力量を高めるための、習得法とは?

32歳になったという先生から質問を受けた。
「これからどのような教師を目指していけばいいのでしょうか?」と。

 こういう問題意識を持っているだけでもたいしたことである。
 もう日々を過ごすのに一生懸命で、多くの先生たちからこういう問題意識がなくなっている。
 ★
 「守破離」という習得法がある。
 これは、茶人・千利休の歌「規矩作法 守りつくして破るとも離るるとても本を忘れるな」をもとにしていると言われる。
 茶道、武道、伝統芸能などの世界で、物事を極める重要な習得論として知られている。
 もちろん、教師の力量を高めるためにも、必要な習得法だと考えている。

 「守破離」という言葉は知っている人は多いが、では実際のそれはどんなことだと言えば解っていない。
  この習得法は、千利休が生きた戦国時代から400年が過ぎているが、その400年の時の試練を超えて生き抜いてきたものである。
 ★
 この「守破離」は、私なりに教師の仕事で説明をすると、次のように考えている。

 「守」…基本となる実践をマネて、マネて、基本をしっかりと習得する。

  「破」…セミナーや研修会、本などで、身に付けた実践とは違う実践を
     研究する。

 「離」…自分の今までの研究を集大成し、自分独自の教師像を
     追究する。
 
 32歳の先生には、今までの10年間で「守」と「破」の段階を経てきてほしかったことになる。
 そして、いよいよ「離」の教師像を求めるという段階になっていく。

 ところが、ほとんどの先生は、「守破離」のステップを踏まないで学ぼうとしている。
 効率が悪いし、なかなか成長もしない。
 
 どんな習得をしているかと言えば、「離」ばっかりである。
 「離」というのは、いわゆる「自己流」。

 最初から、誰かに習うことなく、基本の本を読むということもなく、自己流でスタートする。そして、自己流で試行錯誤をし、自己流のスタイルを確立したつもりになっている。

 しかし、全く基本がなっていないので、上達もしない。
 だから、ベテランになっても初任者並みの授業しかできないという人が現れるわけである。
 ★
 セミナーに参加する先生の中にも、こんな人がいる。

 福山憲市先生とか菊池省三先生など「離」を極めた先生の実践を学びに行く。
 ここまではいい。
 
 そして、その実践を即座に自分で実践しようとする。
 まだ、基本も身に付いていないのに、上級者の実践を身に付けようとする。

 さまざまな職種のセミナーが開かれているが、初心者ほど上級のノウハウを知りたがるらしい。

 初心者ほど、背伸びをして上級ノウハウを知りたがる。
 基本を学ばずに自己流を目指したがるわけである。 
  うまく行くはずはない。
  ★
 大きな問題は、教師の世界で「守」で学ぶべき基本がきちんと提示されていないことである。
 経験論しかない。

 これは困ったこと。
 初任者がきちんと学ぶべき「基礎・基本」がないのであるから。

 そこで初任者用に「学級づくり」「授業づくり」についての基礎・基本を作成した(これは野中流である)。

 私のブログを読んでいる方で、その冊子を欲しいという方には、メールの添付で差し上げたい。
 PDFにしている。
 枚数が15枚になる。
 パソコンの容量が不足すると、リターンで返ってきてしまうので、よろしくお願いします。

 申し込みは、ブログのコメント欄にお願いしたい。
 コメントは非公開にするので安心してほしい。
 コメントに書かれたメールに添付で送付します。

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