特別支援級で、これほどの実践ができている(2)
特別支援級で、これほどの実践ができている(2)
~算数の共同研究から~
特別支援級の先生にも、この共同研究に参加してもらった。
情緒クラス。1年生の4人。
新しいことへの抵抗感が非常に強く、同じ問題でも印刷が違うだけで(たとえば、カラーと白黒)パニック状態になり、泣き叫んだり暴れ出したり、そして教室を飛びだしたりする子供ばかりの学級。
授業自体も成立しないことも多々あるということ。
そこで、今までは、まずはテストというもののやり方を学ぶ、慣れるという意味で、テストをそのままコピーして何度も練習して本番に臨むという形を取ってきたという経過。
当然、自力でテストを解く自信がない子にはやり方のヒントを与えたり、問題文を読めない子には、テスト問題を読んであげたりする。
だから、これまでの成績は、正規にやった成績ではない。
★
今回の共同研の単元は、初めてテストのコピーを使わず、子供たちが自力でテストに向かうようにした、と。
単元は、「3つのかずのたしざん、ひきざん」。
私との共同研究の第1単元である。
結果は、表が75/100 裏(数学的考え方)が37.5/50。
通常学級の結果は、表が87.5 裏が39.6。
この時に驚くべきことに、知的に遅れのあるB児が、70/100、50/50を取ったことである。
ちなみに、通常学級では、B児より点数が取れなかった児童が3人、同じ点数が3人ということである。
支援級のB児の成績は、快挙ということになる。
★
授業は、「味噌汁・ご飯」授業で行われている。
引き続き、共同研究の第2単元を行う。
この方法で学習することで、徐々に子どもたちに変化が表れてくる。
①教室飛び出しや離席が少なくなりました。学習に取り組もうという姿勢
が見られるようになりました。
②テストに慣れてきました。パニックを起こさなくなってきました。
③自力解決ができるようになってきました。
④できるという実感をもつと、何事にも前向きに取り組めるようになりま
した。
子供たちに合わせて、授業の仕方やプリントのやらせ方を工夫されている。
そして、共同研のあとの単元では、以下のような成績をあげるようになっていくのである(担任の先生が、資料は作成されている)。
技能 考え方 知識・理解
A児
ひきざん 50 50 50
くらべかた 100
B児
ひきざん 50 40 40
くらべかた 90
C児
ひきざん 50 40 40
くらべかた 80
D児 未実施
あれほどにできなかった子供たちが、これほどにできるようになっている。
何が起こったのか、ということになる。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 「自己流」で身に付けた力量で対応できなくなっている!(2019.03.16)
- 『教師1年目の教科書』が重版になる!(2019.03.13)
- 再び横浜野口塾のお知らせです(2019.03.10)
- つれづれなるままに~飛行機ができてきた~(2019.03.09)
- 『教師1年目の教科書』(学陽書房)が発売される(2019.03.05)
コメント