« つれづれなるままに~今年の目標の1つがけん玉への挑戦 | トップページ | 教師の力量を高めるための、習得法とは? »

脳科学研究が私たちの研究を証明している(3) ~算数の共同研究から~

   
  脳科学研究が私たちの研究を証明している(3)
                                 ~算数の共同研究から~

 共同研究も、あと2ヶ月で第2次の取り組みが終わる。
 まだ、3学期の実践は残っているが、とりあえずここらでひとくくりをする。
 第1次、第2次の共同研究をやってきて出てきた成果は大きい。
┌────────────────────────────┐      
│ 算数の学力向上メソッド(今後「向上メソッド」と名付ける)              │      
│ を使うと、低学力児が引き上げられる。                                      │      
│ 支援級の子供たちにも効果がある。                                          │      
└────────────────────────────┘      

 このことがはっきりしてきた。
 先生たちの、多大な協力を得て、こうした成果を上げている。
 
  「向上メソッド」とは何か。
┌────────────────────────────┐      
│ ア 「授業」で例題の解き方をきちんと教え(インプット)、              │      
│   類題、練習問題で練習させ、理解させる(アウトプット)。           │      
│  イ 練習問題を「宿題」として出し、さらに理解を深める。              │      
│  ウ 翌日、授業の最初に「復習テスト」をして、昨日のアウト          │      
│     プットの理解(授業、宿題)が確実かどうか確かめる。              │      
└────────────────────────────┘      
 共同研究では、私が宿題と復習テストを作成し、担任の先生が「授業―宿題―復習テスト」(向上メソッド)を実践される。これだけのことなのである。
 2単元だけ私が作成し、あとは担任の先生が作成されている。

 気をつけておかなくてはならないのは、この「向上メソッド」は1つの方法だということ。問題解決学習も1つの方法だが、これも1つの方法である。
 
 方法というのは、使い方によってうまくいったり、いかなかったりする。
 それを決めるのは、目の前の子供たちである。
 この「向上メソッド」も、使い方を誤ると成果は出てこない。
 それを知っておくことである。
 また、大変困難な学級では、この方法は、すぐには浸透していかない。
 これは当たり前のことである。目の前の子供たちが、学習そのものを拒否すればどんな方法を用いても、うまくいかない。
 共同研でも、そういう結果が出ている。
 しかし、そんなクラスでも継続して使っていけば、そのうちに効果をあげていくと考えている。
 ★
 「向上メソッド」が、なぜこんなに効果を上げるのか。
 ここでしっかりと整理しておきたい。そんな気持ちになった。
 今まで繰り返し強調してきたのは、次のことだった。

┌───────────────────┐                         
アウトプットが何よりも大切だ!                  │                        
└───────────────────┘                         
 
 インプットは、授業の最初の例題指導だけ。あとは、授業後半のアウトプット(類題、練習問題)指導、宿題、そして翌日の復習テスト。
 全部「アウトプット」なのである。 
  「アウトプット」だらけと言っていい。

 『学びを結果に変える アウトプット大全』(サンクチュアリ出版 樺沢紫苑著)の精神科医樺沢さんは、次のように指摘される。

 ★ ★ ★
 インプットをしたら、その知識をアウトプットする。実際に、知識を「使う」ことで脳は「重要な情報」ととらえ、初めて長期記憶として保存し、現実にいかすことができます。これが脳科学の法則です。
 ★ ★ ★

 インプットした知識を、実際に「問題を解く」というアウトプットを行うことで長期記憶として保存するわけである。 

「長期記憶」をもう少し引用する。

 ★ ★ ★
 人間の脳は、「重要な情報」を長期記憶として残し、「重要でない情報」は忘れるようにつくられています。「重要な情報」とは、インプットしたあとに何度も「使われる情報」です。
 つまり、インプットしても、その情報を何度も使わないと、すぐに忘れてしまうのです。
 脳に入力された情報は、「海馬」というところに仮保存されます。その期間は、2~4週間です。海馬の仮保存期間中に、その情報が何度も使われると、脳はその情報を「重要な情報」と判断し、「側頭葉」の長期記憶に移動します。
 ……
 だいたいの目安として、情報の入力から2週間で3回以上アウトプットすると、長期記憶として残りやすくなるといいます。
 ★ ★ ★

  脳科学の研究成果を踏まえて、樺島先生は書かれている。
 これを読むと、「向上メソッド」が何をやっているかということを理解してもらえるであろう。
 私は、この本を読む前にすでに「向上メソッド」を使っていたことになる。

 私たちが行っている「向上メソッド」に引き寄せて言えば、次のようになる。
┌─────────────────────────────┐    
│ 授業ー宿題ー復習テストの3回のアウトプット、しかも同じ                 │   
│ 問題でのアウトプットで、重要な情報として記憶される。                   │   
│ そして、単元テストでもう一度問題を解くことで長期記憶と                │   
│ して残っていく。                                                                         │   
└─────────────────────────────┘    
 
 ここまでで分かることがある。

  ○教科書で1回問題を解くだけでは子供たちの記憶に残ら
   ない(特に低学力児には残らない)。
     だから、授業だけで何とかしようとしても限界がある。
   
  ○問題解決学習のように、1問の例題を時間をかけて自力解決
   させ、そして、問題を解かせるアウトプットの時間を限りなく
   少なくする算数学習がうまくいくはずがない。
   ほとんどがインプットだけであるから。
   だから、私たちが、問題解決学習では、低学力児を引き上げ
   られないと主張していたことは、脳科学で証明されていること
   になる。
                                             
 


|

« つれづれなるままに~今年の目標の1つがけん玉への挑戦 | トップページ | 教師の力量を高めるための、習得法とは? »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 脳科学研究が私たちの研究を証明している(3) ~算数の共同研究から~:

« つれづれなるままに~今年の目標の1つがけん玉への挑戦 | トップページ | 教師の力量を高めるための、習得法とは? »