国語の授業をしました!
神奈川県厚木市の毛利台小学校から「国語の授業をお願いします」と呼ばれたので、喜んで行った。
もちろん、「味噌汁・ご飯」授業なのだが、授業したのは、いつもの国語の詩の授業。
その日は、授業だけで終わりだったので、「なぜ、こんな授業をするのか?」ということで、次のような提案を文書でした。
それを載せておきたい。いつも書いていること。
長文なので、勘弁してください。
★
国語の「味噌汁・ご飯」授業を提案する
野中 信行
今日は、国語の「味噌汁・ご飯」授業を見ていただき、ありがとうございました。
今回も、算数の授業に引き続いて呼んでいただき、感謝しております。
ほんとうなら、くわしくお話をした方がいいのですが、時間がありませんので、文書で提案しておきます。
1 先生たちがおかれている現実
先生たちは、毎日5,6時間の授業をされています。
ちゃんと1時間ずつ教材研究をして授業をされているかと言えば、ほとんどそれはないのではないでしょうか。
実際には、そんな時間がほとんどない、ということが、日本のほとんどの先生たちの現実です。
1教科10分でも教材研究をする時間があっても、全教科1時間はかかります。
それだけの時間的余裕は、勤務時間内ではありません。
保育園に子供を預けているママさん先生は、それこそ分刻みの生活になります。
多くの先生たちは、遅くまで学校に残り、あるいは寝る時間を削って、教師生活を続けておられるはずです。
だから、どうしても十分な授業の準備ができないままに教室へ行き、授業をされているはずです。
そのようにしかできないからです。
しかし、そのようにして授業は成立しても、満足な状態にはなりません。
それは、赤刷りの指導書の斜め読みでしか対応できないからです。
当然、スカスカの状態の授業になってしまいます。
2 「日常授業」の授業法を変える
(1)「日常授業」の授業法を変える!
問題点をいくら指摘しても始まりません。
現実がそうだから、すぐにはこの現実は、変わりません。
だから、この現実を踏まえて、こちら側の発想を変えます。
どうするか、なのです。
┌──────────────────┐
│ 日常授業の授業展開法を変えること │
└──────────────────┘
私は、こういう結論にたどり着きました。
さて、どのように「授業展開」を変えていくのでしょうか。
このためには、いかに子供たちにエネルギーを使わせて、授業に集中させていくかを考えます。
子供たちは、教師に、毎日楽しい、おもしろい授業をしてくれと願っているわけではありません。
子供をみくびってはいけません。
そんなことが期待できないことは分かっているのです(笑)。
ただ、願っていることはあります(無意識的なことはありますが…)。
彼らは、ただ聞いているだけでなく、体を動かして作業などの活動をさせてほしいと、願っています。
もっと活動をさせてほしい。
もっと集中する時間にしてほしい。
ただ、聞くだけの長時間はやめてほしい。
このような願いがあるはずです。
(2)日常授業を乗り切る4条件
それでは、その集中する時間をどのようにつくっていけばいいのか、ということになります。
そのための授業を、今日提案しました。
「日常授業を乗り切る4条件」になります。
┌────────────┐
│ ①全員参加 │
│ ②スピード・テンポ │
│ ③小刻みに │
│ ④フォロー │
└────────────┘
①の全員参加のためには、挙手発言型の授業を止めなくてはなりません。よく手を挙げる4,5人を中心に展開する授業を止めなくてはなりません。
また、数多くの子供に挙手させようとする授業も止めなくてはなりません(挙手発言を止めるということではありません)。
そんなことに力を使わないで、どんどん指名をして全員を参加させる授業に切り替えていくことです。
②のスピード・テンポは、必須の条件。
子供たちは、すでに毎日のゲームで、もう無意識的にスピード感が体に染みついています。だから、「ゆっくり丁寧に」というような授業は、もう感覚に合わなくなっています。
「とんとんとん」と進んでいく授業が、彼らの感覚に刻まれて、快いスピード感に浸るはずです。
もちろん、テンポですから、速くするだけではなく、ゆっくりするところも、出てくるはずです。
③の小刻みに というのは、「小刻み活動法」として提起していることに関わります。
指導言(発問、指示、説明)のあとに、すぐに「活動」を小刻みに組み入れていく授業法。
そのためには、指導の内容を細分化します。
子供たちが聞く時間を、できるだけ少なくし、ちょこちょこと活動を入れます。
活動とは、書く、発表する、ペアで相談する、グループで話し合うなどです。
今日の授業では、書く、発表する、ペアで相談する を小刻みに入れました。
④のフォローは、ほめたり、励ましたり、認めたりすることが中心のことです。
私は、「SWIM話法」と言って、これぐらいはすぐにでも授業でフォローができるようになろうと提案しています。
┌──────────────────────────┐
│ S…すごい、すばらしい、さすが、その調子、そうだね │
│ W…分かる、うまい │
│ I…いいね │
│ M…見事だね │
└──────────────────────────┘
このフォローは、多くの先生たちが、なかなか授業では使われていません。
しかし、子供たちは、このフォローで認められ、とても安心感をもつことができるのです。
ぜひ、使えるようにがんばってほしいことです。
この4条件を使って、授業をしたつもりですが、うまく行ったかどうか、分かりません。
しかし、この4条件を身に付けていけば、わずかな授業準備(もう教材研究とは言えません)で、子供たちにきちんとした学力を保障していくことはできると、私は考えています。
この4条件は、私が考えたものですから、先生方がいろいろと工夫されて編みだしていければ良いですね。
とにかく、ただ子供たちが「聞く」だけの時間をできるだけ減らして、授業に集中していく方法を考え出していきたいものです。
★
5年生の子供たちだった。一度算数の授業をしている。子供たちは、待っていてくれた。
このクラスの子供たちの反応はすごい。授業をしながら、実に楽しかった。
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