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2018年11月

全員が80点以上でした!~算数の共同研究から~

  算数の共同研究を、13人の先生たちとやっている。
 初任者の先生がいて、支援級の先生もいる。

 今、その実践をされている。
 結果が、それぞれに報告されてくる。
 研究だから、うまくいく結果も、うまくいかない結果もある。
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 うまくいった結果を報告したい。
 
 M先生の結果である。
 このM先生は、今年異動して、大変な学校へ行く。
 担任したのが、4年生。4クラスあり、その1クラスを担任する。昨年3年生の時、3クラスで学級崩壊あり。大変な学年。
 
  30人いる中で、特別支援の子供が13人。
 なんとも大変な状況である。

 このM先生は、「味噌汁・ご飯」授業研究会のメンバーの一員だったので、早速「味噌汁・ご飯」授業をする。
 これで何とかしようと身構えたというのである。
 ★
 このM先生からメールで、その後の結果が送られてくる。
 私と1学期に1単元だけ共同研究をして、その後自分で資料を作成されて研究を続けておられるのである。

  ★ ★ ★
 野中先生。ご無沙汰しています。Mです。
今日、小数のしくみと足し算、引き算の学習のテストを行いました。12時間、約3週間にわたるロング単元で骨が折れました。時数は、前の取り組みと違いちょうど12時間で終えました。プラスαの時間は、使っていません。
難易度もそこそこでした。
 ★ ★ ★
 
 教科書は教育出版。
 単元は、「11 小数のしくみとたし算、ひき算」。
 時数は、12時間。
 「味噌汁・ご飯」授業は、時数を増やしたりしない。きちんと決まっている時数で授業を行う。
 結果は、次のようになったという。
 
 ★ ★ ★
 なんと、全員が80点以上でした。教員人生で初めてのことです。算数本で書いた2年生のかけ算の取り組みでも、最低点は75点だったのでそれ以上の成果です。
観点別平均は、知・理94%、技能97%、考96%でした。
 ★ ★ ★
  クラスの平均は、90点をはるかに超えている。
 これはこれで目標の1つであるが、学級の実態によって低学力児が数多くいれば、なかなか90点を超えることはできない。
 
 問題は、低学力児がどうなったか、なのである。

 この共同研究の目標は、まず第1に、低学力児の10,20,30点を、60,70,80点に引き上げていくことなのである。それがどうなったのか?
 ★ ★ ★
  低学力児童の表面の成績は、
Eさん100点、S1さん100点、S2さん80点(クラス最低点)、Hさん85点、Mさん95点でした。
  ★ ★ ★
  この5人の低学力児は、1学期の頃は、以下の表面の点数を取っていたのである。それが2学期は、矢印のように変わっていく。
 Eさん→50点(式と計算)⇒100点
 S1さん→45点(大きな数)⇒100点
 S2さん→15点(式と計算)⇒80点
 Hさん→30点(概数を使った計算)⇒85点
 Mさん→40点(概数を使った計算)⇒95点
 
  どうであろうか。
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 一体、何が行われたのか、ということになる。
  M先生は書かれている。
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 私自身の復習テストと宿題プリントの作成スキル、精度が向上したこと、低学力児童の目標や願いを汲み取れたことが大きかったからだと思います。また、それぞれの低学力児童の家庭学習量が増えたことも大きいです。特に、S1さんは、お母さんが家で一緒になって特訓してくださるようになり(このご家庭は一昨年虐待の疑いで児相からマークされていました)、考え方も大分変わってきました。子供の学力の向上は、家庭の考えを変えるきっかけにもなってくれます。
「クラスに全員が80点以上だったよ。みんな頑張ったね」と伝えたら大盛り上がりでした。
  ★ ★ ★
 何をしたのか。
 書かれていることに従えば、次のようにまとめられる。
 ①復習テスト、宿題プリントの精度の向上
 ②低学力児の目標や願いをくみ取れたこと。
 ③低学力児の家庭学習量の増大
 ④保護者の考え方の変化

 この中の「復習テスト」と「宿題プリント」は、1単元の共同研究で私が作成し、その作成の仕方を伝授した結果で、M先生が自作しているものである。

 しかし、M先生は、これまで順風満帆できたわけではない。
 4年生の難教材である、「式と計算」「がい数を使った計算」では、大きくつまずいている。
 これを乗り越えての今回である。

 保護者の考え方が変化したのは、低学力児が、家庭で変わった姿を見せた結果であろう。
 保護者は、我が子が意欲を見せたら、当然変わってくるのである。
 それが、このテストの点数にあるというのは注目していい。
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 このM先生のクラスのこの結果は、当然学年の先生たちに刺激を与える。
  ★ ★ ★
 今日、学年の先生たちが、なかなか算数の力が高まらないと嘆いていて、今私が取り組んでいること、成果がこのように上がったことを示したところ、この取り組みを試したいという意見になりました。
第2回目の共同研究は、少し学年に広げられそうです。
第2回目の共同研究なのですが、小数と整数のかけ算、わり算で行えたらと思っています。時期は1月中旬ぐらいからになると思います。
いかがでしょうか?よろしくお願いいたします。
 ★ ★ ★
 
 学校は、遠大な研究主題を設けて重点研究をしている。
 どんな研究成果をあげているのだろう?
 きっと研究紀要に、研究主任の作文で、その研究成果が書かれているはずである。
 先生たちに何が残るのか。
 子供たちはどのように向上したのか。
 
 私が13人の先生とやっている共同研究と比べていただきたい。
 ちゃんと子供たちを変えているではないか。
 この子供たちが、今までの自信の無さ、勉強嫌いから、「ぼくだって、わたしだって、やればできるんだな!」という自信をもち、これからの人生を意欲的に生きていくようになったら、どれほど教師冥利を感じることができるか。
 ★
 第2次の共同研究を呼びかけたい。
 ブログのコメント欄に申し込んでいただきたい。
 3学期の単元で、1単元だけの申し込みをしてほしい(コメント欄は非公開である)。
 1単元では、なかなか変化が表れにくいが、資料の作成の仕方を伝授したい。
 教科書は、東京書籍、教育出版、啓林館、学校図書でお願いしたい。

 ただ、条件がある。
 ①  明治図書の『「味噌汁・ご飯」授業 算数編』を読む  こと(これから読むということでもよい)。
 ② 実践結果を点数で報告してほしいこと(くわしくはメ  ールで連絡します)。
  ③ 問題解決学習の方法で教えないこと。これで教えると  低学力児を引き上げることはできないから。
  ④ すぐに、単元テストの問題と解答を送ってほしいこと (メールで住所などを教えます)。

  これだけである。
 先着5名様で締め切ります。12月いっぱいで資料は送れると思います。
 

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つれづれなるままに~また、明日から北海道へ~

●11月16日、石川県の金沢に行った。
 コラボセミナーへの参加。
 セミナーの講師は、他には岐阜の株式会社タニサケ代表取締役の松岡浩さん、石川県株式会社ホクビ常務取締役佐藤優子さん、東京都洗足学園大学講師 高橋辰也さんなど多彩である。
 
 直接の学校関係者は、私だけ。
 そのために、学校が今陥っている問題をお知らせするというテーマで、「今、学校現場で問題になっていることは何か」を話す。
 
 東京から新幹線で2時間半。
 早朝4:30に起きて、東京へ向かう。
 
 セミナーが終わってから、また新幹線で帰ってくる。
 翌日、私が所属している横浜教職員走友会の30周年記念の会があるために、一日で金沢の往復。
 
 夜遅く自宅へ帰ってくる、というハードスケジュール。
 へとへとになって、何とか帰り着く。

●翌17日、大和市の北京飯店で、横浜教職員走友会30周年記念総会が行われる。
 私は、30年前にこの走友会を設立した1人でもある。
 あれからもう30年も経ったのである。
 
 40歳の時から50歳までの10年間、フルマラソンなどのレースに出場した。
 フルマラソンは10回走ったことになる。
 一番良い記録が、3時間17分。46歳の時に出したもの。
 
 50歳の時に、レースなどに出ることをぴたりと止めた。
 教師の仕事に専念しようと思ったわけである。
 周りは、学級崩壊が深刻になっていて、安閑としているときではないと判断したからである。
 ★
 楽しい会だった。
 総会での、一人ずつの話がおもしろくて、聞き入った。
 中には、250キロを46時間かけて(睡眠なしで)走りきった猛者もいた。
  走友会では、こういう人も出てくるのである。
 ★
 次の40周年では、もう私は80歳を過ぎている。
 生きているのかどうか!

●フェイスブックに載っていた記事。
 ★ ★ ★
  ドイツに来て一番驚いたのは、初めて風邪を引いた時。医者に「薬を下さい」と言うと「薬は出ません。風邪で必要なのは薬でなく休養。診断書を1週間出しますので仕事を休んで寝てなさい」とハッキリ言われた。「診断書はいくらですか」と聞くと今度は医者がめっちゃ驚いてた(ドイツで診断書は無料)
  ★ ★ ★

●朝日新聞 折々のことば(鷲田清一さん)<2018.11.8>より
 ★ ★ ★
 思慮の浅い者たちは、あかりは持っていたが、油を用意していなかった。
  マタイによる福音書(新約聖書)
 先の見えない、塞いだ時代だと人は言う。けれども視界が遮られているのは、未来が不確定だからではなく、目を凝らせばある未来が確実に来ることがわかるのに、すべて先送りにし、その対策に本気で着手できないでいるからではないのか。例えば人口減少、国家財政の破綻、経済成長の限界、放射性廃棄物処理の膠着。聖書のこの一節は私たちのそんな無様も思い起こさせる。
 ★ ★ ★

●明日19日から北海道へ行く。
 苫小牧の拓勇小学校を訪問する。
 また、この学校の5年生で、授業をさせてもらう。
  楽しみである。
  もう北海道は、雪が降っているらしい。
 寒さ対策をしていかねばならない。
 


 

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国語の授業をしました!

   神奈川県厚木市の毛利台小学校から「国語の授業をお願いします」と呼ばれたので、喜んで行った。
 もちろん、「味噌汁・ご飯」授業なのだが、授業したのは、いつもの国語の詩の授業。
 その日は、授業だけで終わりだったので、「なぜ、こんな授業をするのか?」ということで、次のような提案を文書でした。
 それを載せておきたい。いつも書いていること。
 長文なので、勘弁してください。
  ★

 国語の「味噌汁・ご飯」授業を提案する

                                                                                野中 信行

 今日は、国語の「味噌汁・ご飯」授業を見ていただき、ありがとうございました。
 今回も、算数の授業に引き続いて呼んでいただき、感謝しております。

 ほんとうなら、くわしくお話をした方がいいのですが、時間がありませんので、文書で提案しておきます。

1 先生たちがおかれている現実
 
 先生たちは、毎日5,6時間の授業をされています。
 ちゃんと1時間ずつ教材研究をして授業をされているかと言えば、ほとんどそれはないのではないでしょうか。
 
 実際には、そんな時間がほとんどない、ということが、日本のほとんどの先生たちの現実です。
 1教科10分でも教材研究をする時間があっても、全教科1時間はかかります。
 
 それだけの時間的余裕は、勤務時間内ではありません。
 保育園に子供を預けているママさん先生は、それこそ分刻みの生活になります。
 
 多くの先生たちは、遅くまで学校に残り、あるいは寝る時間を削って、教師生活を続けておられるはずです。

 だから、どうしても十分な授業の準備ができないままに教室へ行き、授業をされているはずです。
 そのようにしかできないからです。

 しかし、そのようにして授業は成立しても、満足な状態にはなりません。
 それは、赤刷りの指導書の斜め読みでしか対応できないからです。
当然、スカスカの状態の授業になってしまいます。

2 「日常授業」の授業法を変える

(1)「日常授業」の授業法を変える!
 問題点をいくら指摘しても始まりません。
 現実がそうだから、すぐにはこの現実は、変わりません。
 だから、この現実を踏まえて、こちら側の発想を変えます。
 どうするか、なのです。
┌──────────────────┐                  
│ 日常授業の授業展開法を変えること        │                  
└──────────────────┘                  
 私は、こういう結論にたどり着きました。

 さて、どのように「授業展開」を変えていくのでしょうか。
 このためには、いかに子供たちにエネルギーを使わせて、授業に集中させていくかを考えます。

 子供たちは、教師に、毎日楽しい、おもしろい授業をしてくれと願っているわけではありません。
 子供をみくびってはいけません。
 そんなことが期待できないことは分かっているのです(笑)。
 
 ただ、願っていることはあります(無意識的なことはありますが…)。

 彼らは、ただ聞いているだけでなく、体を動かして作業などの活動をさせてほしいと、願っています。

 もっと活動をさせてほしい。
 もっと集中する時間にしてほしい。
 ただ、聞くだけの長時間はやめてほしい。
 
  このような願いがあるはずです。

(2)日常授業を乗り切る4条件
 それでは、その集中する時間をどのようにつくっていけばいいのか、ということになります。
 そのための授業を、今日提案しました。

 「日常授業を乗り切る4条件」になります。

┌────────────┐                             
│ ①全員参加                      │                            
│ ②スピード・テンポ             │                            
│ ③小刻みに                      │                            
│ ④フォロー                        │                            
└────────────┘                             
 ①の全員参加のためには、挙手発言型の授業を止めなくてはなりません。よく手を挙げる4,5人を中心に展開する授業を止めなくてはなりません。
 また、数多くの子供に挙手させようとする授業も止めなくてはなりません(挙手発言を止めるということではありません)。

 そんなことに力を使わないで、どんどん指名をして全員を参加させる授業に切り替えていくことです。

 ②のスピード・テンポは、必須の条件。
 子供たちは、すでに毎日のゲームで、もう無意識的にスピード感が体に染みついています。だから、「ゆっくり丁寧に」というような授業は、もう感覚に合わなくなっています。
 「とんとんとん」と進んでいく授業が、彼らの感覚に刻まれて、快いスピード感に浸るはずです。
 もちろん、テンポですから、速くするだけではなく、ゆっくりするところも、出てくるはずです。

 ③の小刻みに というのは、「小刻み活動法」として提起していることに関わります。
 指導言(発問、指示、説明)のあとに、すぐに「活動」を小刻みに組み入れていく授業法。
 
 そのためには、指導の内容を細分化します。
 子供たちが聞く時間を、できるだけ少なくし、ちょこちょこと活動を入れます。
 活動とは、書く、発表する、ペアで相談する、グループで話し合うなどです。
 今日の授業では、書く、発表する、ペアで相談する を小刻みに入れました。

 ④のフォローは、ほめたり、励ましたり、認めたりすることが中心のことです。

 私は、「SWIM話法」と言って、これぐらいはすぐにでも授業でフォローができるようになろうと提案しています。
┌──────────────────────────┐ 
│ S…すごい、すばらしい、さすが、その調子、そうだね            │
│ W…分かる、うまい                                                          │
│ I…いいね                                                                       │
│ M…見事だね                                                                 │
└──────────────────────────┘ 
  このフォローは、多くの先生たちが、なかなか授業では使われていません。
 しかし、子供たちは、このフォローで認められ、とても安心感をもつことができるのです。
 ぜひ、使えるようにがんばってほしいことです。

 この4条件を使って、授業をしたつもりですが、うまく行ったかどうか、分かりません。

 しかし、この4条件を身に付けていけば、わずかな授業準備(もう教材研究とは言えません)で、子供たちにきちんとした学力を保障していくことはできると、私は考えています。

 この4条件は、私が考えたものですから、先生方がいろいろと工夫されて編みだしていければ良いですね。
 
 とにかく、ただ子供たちが「聞く」だけの時間をできるだけ減らして、授業に集中していく方法を考え出していきたいものです。

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 5年生の子供たちだった。一度算数の授業をしている。子供たちは、待っていてくれた。

 このクラスの子供たちの反応はすごい。授業をしながら、実に楽しかった。

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