共同研究を始めました(2)~「味噌汁・ご飯」授業の効果~
共同研究を進めている中堅の先生(「味噌汁・ご飯」授業研究会のメンバーだった先生である)の研究結果も送られてきている。
このM先生は、今年度新しい学校へ異動している。
4年生の担任。
3年生の時、4クラス中3クラスが学級崩壊していて、受け持ったクラスは大変である。
特別支援対象になっている子供が、33人中13人(自閉症、ADHDなどの子供)。
★
こんな状態から始まっている。
最初から「味噌汁・ご飯」授業で始める。
でも、大変である。
第1の単元の「大きな数」の単元テストは、以下の通り。
技能40/50
数学的考え方 38/50
知識理解 40/50
最低の点数は、表の点数(100点)が以下の通り。
S1さん 45
S2 さん 30
Mさん 45
結果は、まあまあではないか。ここから始まる。
★
第5の単元「わり算の筆算2」を野中との共同研究(1単元だけ)を行う。
ここまでにM先生は、「味噌汁・ご飯」授業で4単元をこなしてきている。
単元テストの結果は、次の通り。
技能 47/50
数学的考え方 48/50
知識理解 44/50
最低点を取っていた3人の動向はどうか。
S1さん 45→85
S2さん 30→70(この子供が最低点になる)
Mさん 45→85
見事な伸びを示している。
クラスの最低点も、70点になっている。これも見事。
低学力児をきちんと引き上げている。
★
M先生は、共同研究の実践をした結果で次のようなことを書かれている。
①4月と比べて、最近では、子供たち一人一人が、正しい型を覚えてから、応用や自分の解き方ができるようになることに気が付いてきたので、9月以降の子どもたちの学力の向上は、より期待できると思っています。
②他の3クラスとの比較で言えば、それぞれの観点で5~10ポイントほど高いことが情報交換で分かる。これは、低学力児が中位に、中位の児童が上位になってきている結果である。
そして、次のように結んでおられる。
★ ★ ★
7月の個人面談で半数以上のご家庭から、「算数の授業が面白いと言っています」と言っていただけました。また、低学力児の保護者からは、「勉強に自信がついてきたのでとても毎日生き生きしている」と報告を受けました。そしてたくさんの感謝の言葉をかけていただきました。学習ができる・わかるというのは、子どもたちの自信につながり、それが学級経営上かなりのプラスになります。昨今では、学級崩壊が珍しくない時代ですが、こういった試みが、それらの処方箋になってくるのかなと考えられます。今回の取り組みは、システム化されていたので、ベテラン・若手問わずに取り組むことができ、特に技術に乏しい若手にはとても有効なやり方になると思いました。
★ ★ ★
「味噌汁・ご飯」授業は、子供たちをこうして変えているのである。
(つづく)
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