« 2018年6月 | トップページ | 2018年8月 »

2018年7月

つれづれなるままに~つながり孤独ということ~

7月23日、千葉の柏市に初任者指導教員研修で行く。
 指導教員へ向けて講座をこうして開いているというのは、ほとんどないのではなかろうか。
 今年は、鳥取県教育委員会に続いて、こうして柏市からも呼んでもらう。

 現在、指導教員は、初任者が増えていく数だけいるわけであるが、指導については、ほとんど野放し状態(笑)。
 勝手な指導をしているという状態である。

 というより、授業についての指導ばかりをやっているであろうということが予想できる。
 初任者の授業は、問題があるところばかりだから、指摘することは容易なこと。
 
 ただ、指導者は苦戦をしていることが予想できる。
 すれ違いが起こっている。
 
 昔ながらの指導が、もう初任者には入らないからである。
 講座では、そのことについて話をする。
  ★
 講座を終えて、次に日に感想をいくらか送ってもらった。
 ★ ★ ★
「わかりやすく,実践的なお話でした。1学期を終えて,初任者のことを初任者指導として振り返るよい機会となりました。2学期は,初任者の問題授業の克服に視点をあて指導していきたい。」

「野中先生のお話は,どれも『そうそう』と思えることばかりで,とても参考になりました。2学期,まずは『学級づくり』をしっかりさせたいと思います。」

「今日の講義は,すべて現実的な話で手立てもわかりやすかったのでとても参考になりました。学級づくりが基本であるというお話には,同じ思いで指導できていたことに安心しました。」

「初任者の気持ちになって進めていくことの大切さを痛感しました。実例の数々が初任者指導の立場として,思いあたる節があり,2学期の展望に繋がりました。」

「1学期の指導を経て,見えてきた課題をどう指導すればよいか考えていたが,今日の講義でそのヒントが得られました。」

「自分の実践と対比しながら,野中先生の講義を聴くことができ,大変参考になりました。初任者の実践力を高められるように今後も指導していきたい。」
 ★ ★ ★

●NHKのクローズアップ現代で「つながり孤独」について放映していた。
  ツイッターやフェイスブックなどのSNSが急速に普及するなか、多くの人と繋がっているのに孤独という「つながり孤独」を感じる若者が増えている、と。
 ★
 「やはりなあ!」というのが感想。
 人と繋がることばかりに時間をとられて、「自分と繋がる」ことをやっていないのだから、これは当たり前ではないか。

 SNSに書いてあることは、その人の動向とかトピックスなどであり、表面的な非日常になる。

 8000人と繋がっていた人のことが出ていたが、結局孤独感に苛まれている。
  表面的なことばかりに繋がっているのだから、必ず虚しくなる。
 
「自分と繋がる」というのは、誰にも言わない、言えない気持ちを抱え込んでいることと対話するということ。
 
 携帯やスマホがなかったときには、若者たちは、必然的にそんな時間を持たざるを得なかったのである。
 ★
 さらに、最悪なのは、繋がっているSNSの友人の写真と自分の現在と比べていること。

 自分が「しあわせ感」を感じる第1の鉄則は、人と比べないということなのに、それを踏み外してしまう。

 SNSに出てくるインスタグラムで、その友人たちの写真に見入る。
そして思う。
「キラキラした写真っていうのが、あんなに近くにいた人たちがやっぱり違う世界にいるんだなっていうさみしさがあります。うらやましいっていう気持ちがありますし、自分と同じ人たちだったのに、こんなに差があるのか」と。

 その写真を掲載している友人だって、たまたまキラキラしているところを載せているだけ(その人だって孤独感を抱え込んでいることだってあるのに)なのだということに思い至らない。

 こんなに人と比べてばかりで、
「『つながり孤独』を感じすぎて、しんどかった時は、ああ死にたいと。」となってしまう。
 ★
 繰り返すが、人は、誰にも言えない、言わない気持ちを抱え込んでいる。
 ここと対話する孤独な時間が必要である。

 ここを避けて、すぐに誰かと繋がろうとするから、余計に孤独に陥っていく。

「自分と繋がる」時間を取れない限り何も始まらない、ということを知ることである。

● 統計学者の舞田敏彦さんのブログ「データえっせい」で「いじめの学年別認知件数の変化」が出ている。

 http://tmaita77.blogspot.com/2018/07/blog-post_22.html
 
 文科省の調査によると、小・中・高・特別支援学校のいじめ認知件数は、2010年では、7万7360件だったのが、2016年では、32万3143件になっている。
 実に、6年間で4.2倍に増加している。

 この増加をどう見るか。
 舞田さんは、次のように言われている。
「これをもって、今の子どもは悪くなっている、陰湿になっているなどと、単純な解釈をする人は少ないでしょう。いじめ自殺の続発など、問題の深刻化を受け、いじめの把握に本腰を入れられるようになっているためです」
 ★
 ただ、いじめ認知件数の変化がある。
 小学1年から中学3年までで、2010年は、中学1年がトップだったのが、2016年では、小学校2年生が最も多くなっている。

 いじめの認知件数は、どの学年でも増えているが、低学年ほど増えている。
 小2は、9倍、小1は、12倍にもなっている。
 ★
 小学校の問題行動が、年々増加していて、それが何を意味しているのか、ということが気になる。
 このいじめの増加も、気になるところである。 

●三重の中林則孝先生からいつも初任者指導の指導記を10号ずつ定期的に送ってもらう。「教室はドラマ30」。
 熟読する。
 ここでは、適切な指導の結果が載せられている。
 
「良いことは良い、だめなことはダメ」とはっきりと書かれている。
 初任者向けに出されている。
 このようにきちんと書かれると、初任者も爽快になるにちがいない。

 第90号は、「教科書を使った授業の効用」を書かれている。

 現在の学校現場のブラックの実態を前提に、「こんな実態の中、さらに『教材研究に時間をとりなさい』ということは不可能です」と言い切られている。

 そこで、初任者が今できる教材研究は、「初任者研修の指導員として『合理的な』教材研究が必要です。合理的という意味は授業者の力量に反映する教材研究ではなく誰にでも可能な教材研究ということと短時間で可能な教材研究ということです」と。
 そして、教科書を教えるための教材研究を提起されている。 まったく同じ立場である。

 今、初任者は、指導書ばかりで指導をしている。
 教科書をほとんど見ていない。
 そこでとんちんかんな指導をしている。
 中林先生は、そういう現実に切り込まれている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

算数の共同研究についての事務連絡です

 

共同研究の申し込みが、来ています。
 第1次の申し込みは、10名までで締め切ります。
 私の方で対応できませんので、よろしくお願いします。
 あと3名です。
 第2次については、2学期になって連絡します。

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

共同研究をやりませんか(4)

 野中と、共同研究をやりませんか。
 
 クラスで算数嫌いの子供が多く、どうしていくか迷っている先生。
 
 クラスに低学力児が多く、どうしていくか悩んでいる先生。
 
 算数の勉強が好きになる子供を増やしたい先生。
 
 勉強に自信を持てる子供を、算数を通して育てたい先生。
 
 応募してほしい。
 
 私は、この共同研究での実践を数多く集めて、さらに課題を精査し、さらに確かな方法に磨き上げたいと願っています。
 ぜひ、ご協力してほしい。

1 目標                                                

 この共同研究の目標は、2つ。                              

(1)クラスの低学力児を引き上げていくこと。10,20,30点を取っている子供を、60,70,80点に引き上げていく。                   

(2)クラスの平均点を90点以上にすること。 しかし、これはクラスの実態によってかなり違ってくる場合がありますので、無理をしないこと。                                             
2 条件                                                       
 

 共同研究を進めていく条件があります。                         

(1)「味噌汁・ご飯」授業の算数本(明治図書)を読んでいること(もちろん、これから読む人もいいです)。          

(2)「味噌汁・ご飯」授業として進めていけること。自分の力量で、教科書通りに進めること。             

(3)問題解決学習の方法をとらないこと。この学習方法を取ると、低学力児を引き上げることはできないからです。だから、この方法で算数の研究している学校は、不適当になります。                   

(4)学年をばらして少人数指導をしているところも、不適当になります。あくまでもクラス単位で指導しているところです。         

(5)教科書は、最初は東京書籍版、教育出版版でお願いしたい。現実的に、野中が、その2つの教科書しか持っていないためです。   
  他の教科書については、今後考えます。       
                                                    

3  具体的なやり取り                                             

(1)受け持った学年・クラスで、2学期の2単元を選んでほしい。野中とやり取りをするので、期間や時間に余裕を持って選んでほしい。
  
(2)その2単元の業者テスト(テストと解答)を野中の方へ送付してください(野中の住所は、メールでやり取り)                           

(3)野中は、復習テストと宿題を作成して送付します。8月中に行います。どのようにして作成したかも、一緒に同封します。            

(4)担任は、実践します。                                     

(5)そのテストの結果(点数)を野中へ送付します。 4月からのテスト結果(点数)を含めて送付します。その結果と共に、低学力児の様子を報告してください。(記録用紙は送ります)                              

(6)野中は、その結果を含めて分析し、その様子を報告します。   

(7)担任は、今後の指導の参考にする。                  

 ★
 これらの条件で共同研究をしたいという先生は、ブログのコメント欄で申し込んでほしい(コメントの公開はしませんので安心ください)。私の方からメールを送ります。      
  あまりにも人数が多くて、私が対応出来ない場合にもメールで対応します。                                                             

| | コメント (1) | トラックバック (0)
|

共同研究を始めました(3)~学習指導で間違った認識をしていた~

 37年間、クラス担任をしながら、学習指導の基本は、常に決まっていた。
 「基本的な学習指導ができていれば、その学習理解でさらに発展した応用問題も対応できる」

 こういう認識を持ちながら、クラスにいる低学力児を引き上げる試みをずっと追求してきたことになる。
 「低学力児の引き上げ」が、教師としての第1の追求課題であった。

 しかし、現役生活の中で、この課題に対して満足な結果をあげることができなかった。
 ★
 そこに、びっくりする提起が行われた。
 認知心理学の研究成果。

 この提起は、学び合いの西川純先生の『学力向上テクニック入門』(明治図書)でなされた。
 この本を読んで、がぜん認知心理学の研究成果を学ばなければと思い、横浜の図書館へ通い、100冊程度の本を読みあさった。

 これらの本の内容に接しながら、今までの認識が、まったくの間違いであることに気づかされたのである。

 認知心理学の研究結果は、まとめると次のようなこと。
 ★ ★ ★
 一般的な知識や能力というものはなくて、我々の能力の大部分は、それぞれの状況や場所などにものすごく依存する。
 ★ ★ ★
 これを認知心理学では、「文脈依存性」「領域固有性」と言っている。
 
 どういうことか。
 つまり、「あることで学んだことが、他の状況では使えない」「基礎・基本の理解で、発展した応用問題を解けない」
ということになる。
 
  「おい、おい、おい、37年間私はまったくの認識違いをしていたんだ!」ということになる。
 ★
 今回の共同研究では、私は、「復習テスト」と「宿題」を作成している。
 そして、それを担任の先生に実施してもらっている。
 
 だから、共同研究をしているクラスが、これだけの結果を生み出している理由は、ここに原因がある。

 それは、認知心理学で明らかにされた「領域固有性」を克服できるように、その「復習テスト」と「宿題」の2つに込めたのである。
 ★
 何をしたのか。

 事前に、クラスで実施する業者テストと解答を送ってもらった。
 私は、その「テスト分析」をしたのである。
 そうすると、そのテストには、必ず「ひっかけ問題」がある。
 
 それは、このテストを作成している人(学習指導要領に精通したプロが作っている)が、全国平均を80~85点に調整するために、テスト問題の中に、必ず1問か2問、むずかしい、教科書には出ていない問題を差し挟んでいることである。

 この問題は、必ずそのままやらせれば、クラスの低位や中位の子供たちは、まちがいなくひっかかる。間違ってしまう。
 
 子供たちは、「この問題はやったことがない!」という認識をもつのである。
 認知心理学の「領域固有性」は、そのことを示している。

 だから、いつまでも低学力児の点数は、上に引き上げることができないということになる。
 もともと、そのようにテストは作成されているのであるから。 
 
 だから、何をしたのか。

 私は、その引っかけ問題の類題を、復習テストと宿題に混ぜて、事前に練習できるように仕込んでいったわけである。
 それだけではない。宿題には、教科書にない、ちょっと高度な問題も差し挟んでいった。

  ★
 学校現場では、神話のように考えられてきたことがある。

 「事前に、テストを見たりしたらだめだ!」と。
 「そのようなことは、姑息なことである」と。

  だから、いつもテスト用紙を配布してから、担任もその内容を知ることになる。

 「この問題は、やったことがないな。でも、基本的なことは教えているから、その応用で解いていけるはずだ!」と。
 こうなる。
 
 実は、私がこのような認識を持っていた。
 これがまったくの間違いであることを教えられたのである。
 ★
 大切なことがある。
 それは、点数主義に陥ってはだめであること。
 点数を上げるだけにこだわって、目の前の子供たちを見ようとしないことになる。

 
 時には、テスト問題を教えて、良い点数を取らせようとする先生がいる。これこそ姑息である。
 しかし、こんな姑息なことは、いずれ子供たちから見抜かれてしまう。

 私たちがこの共同研究に込めた最大の目的は、2つ。
 

 ①子供たちが算数が好きだという意欲と、算数が好きだという自信を持たせること。
 ②だからこそ、低学力児の点数の引き上げをしていくこと。

  どうだろうか。
 

 算数学習は、もともとこの2つのためになされていくべきではないのか。
 そして、この①②のような子供たちが、共同研究で実際に生み出されてきているではないか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

つれづれなるままに~北見へ行ってきました~

7月17日、北海道の北見へ行く。
 北見市教育委員会から呼ばれての学校訪問である。
 昨年から2校ずつ訪問している。

 17日の2時頃に女満別空港へ着く。ひんやりしている。
 ジャケットを持ってきて良かった。
 低温注意報が出ていると、テレビは報じていた。
 

 15°である。「寒い!」。
 35°の横浜から来ている。実に20°の違い。
 ちょっと体がおかしくなる。
  ★
 18日、北見市立中央小学校を訪問。
 朝10時過ぎに学校へ着くと、運動場で鹿5,6頭が走り回っていたと聞く。パトカーが何台も来て、大騒ぎであったらしい。
 学校は広くて広くて、廊下など横浜の3倍ぐらいの広さ。
 
 3,4時間目、先生たちの授業を見せてもらう。
 そして、5時間目に、3年生の教室で、いつもの詩の授業をさせてもらう。
 
 他校からも先生たちが参観されていて、教室ではなく、教室前の多目的の場所で行う。
 子供たちは、乗りまくり、どんどん発表する。
 そのために、予定していたこともできなくて、うれしい悲鳴である。
 
 おもしろい子供がいっぱい。
 
 子供たちの感想。
「のなか先生またおあいしたいです。先生、すごくたのしかったです。またあったらべんきょうおしえてください。」
「たのしすぎてきんちょうしませんでした。とても楽しいをこえていました。すごかったところはものまねじょうずなのです。またきてほしいです。」
「どきどきし、はらはらしました。」
 
 放課後、1時間だけ「学力向上」に絞って話をする。
 ★
 19日、北見市三輪小学校を訪問。
 すばらしい環境の学校。
 
 このように北海道は、学校がすばらしい。
 うっとりする校舎である。
 
 この学校は、今年から道教委の学校力向上の事業を引き受けられている。
 3,4時間目に先生たちの授業を見せていただく。
 
 先生たちの数が多くて、1教室3分だけだが、抜きんでた授業力を発揮している先生たちが何人か。
 それは数分で分かる。

 ここ6年間で、1000人近くの先生たちの授業を見てきて、数分で、その先生の授業力が分かってくるようになった。
 見る視点をはっきりして、そこを見れば分かる。

 5時間目に、また5年生に詩の授業をする。
 すごい、すぐれた子供たちが何人もいて、授業をしながらなんと楽しいことかと痛感する。

 授業が終わって、階段を下りようとすると、その1人の男の子がおいかけてきて、「先生、楽しい授業でした。ありがとうございました 」と挨拶にきてくれた。
 ★
 授業は「味噌汁・ご飯」授業をしている。
 決して「ごちそう授業」ではない。
 
 私は、「小刻み活動法」を駆使して、小刻みに、指導言と活動を繰り返して授業を組み立てている。
 
 日頃、先生たちはつまんない授業を繰り返している(笑)。 内容もさして面白くも楽しくもないのだから、つまんなくなるのは当たり前。

 だけど、つまんない内容を、つまんないままに繰り返していてはならない。子供たちは、飽き飽きしている。

 別に、毎日楽しく、おもしろい授業をやれというのではない。そんなことが日常的にできるわけがない。
 私たちは、平凡な日常で過ごしているのであるから。

 ただ、1つだけ「小刻み活動法」を使えば、必ず子供たちは授業に集中する。集中せざるをえない。
 集中する授業をつくればいい。
 
 そのためには、ただ黙って聞く時間をできるだけ少なくして、活動の時間を小刻みに設定していけばいい。
 それだけである。

 そして、フォローを数多く。
 褒めたり、認めたり、励ましたりを数多くするのである。

 ただ、それだけではだめだ。
 厳しいことも、付け加える。
 授業では、「書くのが遅い!」「ノートを開くのが遅い!」「手の上げ方が下手だ!」……などの叱りもいれる。 
  ★
 人は、「褒める」と「叱る」の割合いが「3:1」でないと、ポジティブな気持ちにならないと言うことらしい。
 これは、数学者マルシャル・ロサダが提起した「ロサダの法則」である。
 
 優良な会社は、「6:1」、超優良な会社は「9:1」の割合いで部下を褒めているということ。
 『任せ方の教科書』(角川書店)で、出口治明さんが紹介されていた。

 ほとんどを「叱る」だけで過ごしている先生方は、おおいに耳が痛いことである。
 ★
 19日の夜遅く、横浜へ帰ってきた。
 また、35°の世界への復帰である。
「今年は、秋が早く訪れるはずだ」と願いながら、暑さにふうふう言っている。
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

共同研究を始めました(2)~「味噌汁・ご飯」授業の効果~

  共同研究を進めている中堅の先生(「味噌汁・ご飯」授業研究会のメンバーだった先生である)の研究結果も送られてきている。

 このM先生は、今年度新しい学校へ異動している。
 4年生の担任。
 3年生の時、4クラス中3クラスが学級崩壊していて、受け持ったクラスは大変である。
 特別支援対象になっている子供が、33人中13人(自閉症、ADHDなどの子供)。
  ★
 こんな状態から始まっている。
 最初から「味噌汁・ご飯」授業で始める。

 でも、大変である。
 第1の単元の「大きな数」の単元テストは、以下の通り。
 技能40/50
 数学的考え方 38/50
 知識理解 40/50

 最低の点数は、表の点数(100点)が以下の通り。
 S1さん 45
 S2 さん 30
 Mさん 45
 
 結果は、まあまあではないか。ここから始まる。
 ★
 第5の単元「わり算の筆算2」を野中との共同研究(1単元だけ)を行う。
  ここまでにM先生は、「味噌汁・ご飯」授業で4単元をこなしてきている。
 
 単元テストの結果は、次の通り。
 技能 47/50
 数学的考え方 48/50
 知識理解 44/50

 最低点を取っていた3人の動向はどうか。
 S1さん 45→85
 S2さん 30→70(この子供が最低点になる)
 Mさん 45→85

  見事な伸びを示している。
 クラスの最低点も、70点になっている。これも見事。
 低学力児をきちんと引き上げている。
 ★
 M先生は、共同研究の実践をした結果で次のようなことを書かれている。

 ①4月と比べて、最近では、子供たち一人一人が、正しい型を覚えてから、応用や自分の解き方ができるようになることに気が付いてきたので、9月以降の子どもたちの学力の向上は、より期待できると思っています。
 
 ②他の3クラスとの比較で言えば、それぞれの観点で5~10ポイントほど高いことが情報交換で分かる。これは、低学力児が中位に、中位の児童が上位になってきている結果である。

 そして、次のように結んでおられる。
 ★ ★ ★
 7月の個人面談で半数以上のご家庭から、「算数の授業が面白いと言っています」と言っていただけました。また、低学力児の保護者からは、「勉強に自信がついてきたのでとても毎日生き生きしている」と報告を受けました。そしてたくさんの感謝の言葉をかけていただきました。学習ができる・わかるというのは、子どもたちの自信につながり、それが学級経営上かなりのプラスになります。昨今では、学級崩壊が珍しくない時代ですが、こういった試みが、それらの処方箋になってくるのかなと考えられます。今回の取り組みは、システム化されていたので、ベテラン・若手問わずに取り組むことができ、特に技術に乏しい若手にはとても有効なやり方になると思いました。
 ★ ★ ★

 「味噌汁・ご飯」授業は、子供たちをこうして変えているのである。
          (つづく)

 
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

共同研究を始めました!(1)~初任の先生がこんな結果を出しました~

  算数「味噌汁・ご飯」授業の共同研究をしている。
 「味噌汁・ご飯」授業研究会として、昨年算数本を出版した。
 これを具体的にどのように実践していけばいいのか、それを共同研究として進めている。
 
第1次の「味噌汁・ご飯」授業研究会は解散したので、「味噌汁・ご飯」授業研究会とは別に個人的なことで進めている。

 共同研究をしている方は、初任の先生(3年)、2年目の先生(5年)、臨採の先生(1年)、中堅の先生(4年)の4人。

 この共同研究の目標は、2つ。
(1)クラスの低学力児を引き上げていくこと。
   10,20,30点を取っている子供を、60,70,80点に引き上げていく。
(2)クラスの平均点を90点以上にすること。
  (50点満点では、それぞれの領域で、45点以上)
   しかし、これはクラスの実態によってかなり違ってくる場合があるので、無理をしないこと。

 具体的にどんなことを行うかというと、以下の2つ。

 ①野中が2単元の復習テスト(授業の最初の5分間に行う)、宿題を作成。
 ②担任は、復習テストや宿題を子供にやらせながら、「味噌汁・ご飯」授業を行う。

 これだけである。
 ★
 まず、初任の先生のクラスから結果が出てきている。
 
  新しい計算 わり算  (東京書籍)  3年
  技能 49/50 数学的考え方 48/50  知識・理解 49/50
 

初任の先生は、私へのメールで次のように書かれていた。

「 野中先生、こんにちは。
先週割り算が終わりテストをしました。学級の3観点の合計の得点率は97%でした。掛け算が苦手だった子も今回は得点が8割を超えました。また、大きく点数がアップした子も何人もいました。すごい成果に驚いています。本当にありがとうございます。」

 最低点のBさんは、以下のようになる。
 技能 40/50 数学的考え方 30/50
 知識・理解 50/50
  ★
 この結果を受けて、私は正直びっくりした。
 3観点を100点に換算していえば、97点になる。
 最低の子供が、表は70点 裏は満点の50点である。

 予期している結果をはるかに上回っている。
 所詮、初任の先生なのである。
 うまい授業など期待できない。
 でも、そのクラスで、こんな結果を生みだしている。

  がんばって、「日常授業」として1時間1時間をきちんとこなさなければ、こういう結果は出てくることはない。

 みごとに、私の作成したものと、初任の先生の授業がマッチして、この結果を生みだしていると言えるだろう。
 ★
 2単元目の結果は、以下の通り。
 計算の仕方の工夫(筆算)
  技能 48/50 数学的な考え方 45/50
 暗算
  技能 48/50

 最低点のBさんは、以下のようになる。
    技能 45/50 数学的考え方 35/50
 暗算
      技能 40/50

 1単元目とは、少し点数は落ちている。
 数学的な考え方が、45/50になっている。

 これには、落ちるだけのわけがある。
 予想通りということになる。

 しかし、目標とした2つは、完全に達成されている。
 みごとと言ってよい。

  どうしてこんなことができるのか?(つづく)

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

つれづれなるままに~けん玉に凝っている~

●NHKのプロフェッショナルで、かこさとしさんの最後の日々を見た。
 92歳で亡くなった。
 最後まで絵本づくりに拘り、最後を全うされた、と。

 最後に、水についての科学絵本を出されようとされていた。編集者との打ち合わせ。
 
 もうかこさんは、絵を描くことができなくなっていた。
 編集者は、替わりに絵を描いてくれる画家を引き連れて、簡単に描かれた台本を見ながらの打ち合わせ。
 
 台本についてのかこさんの鋭い指摘。
 結局、本にすることはボツになった。

 それから21日後に、かこさんは息をひきとった。

  かこさんの志は、戦争体験の反省からつくられている。
 その志を一途に貫かれた。合掌

●新聞の書評から、ふと買ってみた本。
 良い本だった。いや、なるほどと教えられることばかりだった。
 『すごい トシヨリ BOOK』(毎日新聞出版 池内紀著)

 ★ ★ ★
 昔の人は、人生五十年と言っていた。
 僕は、今でも、五十年というのはそんなに変わらないと思っています。
 平均寿命がもう八十を超えて、九十、百歳の人がざらにいるわけですから、人生に行きと帰りがあると考えれば、行き帰りで百年。行きのいわゆる上り坂をあがっていく、いろいろなことが楽しい時期はやっぱり五十年ぐらいだと思います。
 ★
 リタイヤした後の十年、二十年、あるいはもっと長い人生をどう生きるか。もしも、この下り坂が楽しくなければ、せっかく生きていることも非常につまらないものになる。
 下り坂の楽しみは、自分の老いと向き合うことから始まります。
 ★
 自分が老いるというのは初めての経験で、未知の冒険が始まるのだから、「こういうことはこれまでなかった」とか、「これぞ年寄りの特徴」とか、日々、気がついたことを記録するための、「自分の観察手帳」を作ったのです。
 ★ ★ ★
 私も池内さんに学んで、年寄り手帳を作ることにする。
 年を取っていくことは、死へ向かっていくだけのことなのだが、それを「未知の冒険」と捉える発想の転換はおもしろい。何事も、考え方なのである。

●けん玉に凝っていると書いた。
 続いている。
 大皿、小皿、中皿、「もしかめ」までは何とか辿り着いた。
 
 「とめけん」で立ち止まった。
 これは、6級になるという。
 上へ上げて、穴の中へすぽっと入れる技。
 これはむずかしい。

 試行錯誤。
 でも、やっとヒントらしいものに辿り着く。
  10回のうち、4,5回入るようになる。

 やっていると汗が出る。
 集中力が鍛えられる。
 これは、ボケ防止にはもってこいである。
 
●7月10日、神奈川県大和市の初任者指導研修へ行く。
 もう少しで夏休み。
 初任者も、待ちに待った夏休みであろう。
 
 その前に、この4ヶ月間のクラス経営を行っていたのかが問われる。
 その反省をし、9月からの2学期を迎えていくという趣旨での研修会。 

  90分。とにかく精一杯訴える。

●7月11日、東京北区の学級経営研究会の授業研究会に呼ばれて行く。暑くて、暑くて、大変。
 目的地の学校へ辿り着くまでに2時間近くかかる。

 授業は、2年生の国語「お手紙」。
 なかなか元気な女性の先生で、5年目だということ。
 センス抜群なのだ。

 でも、授業は、途中で停滞した。
 最初は、子供たちは意欲的だったが、だんだん元気がなくなる。
 
 私は、時間の使い方と発問の問題として判断する。

 放課後の話し合いは、参観された先生方の協議があって、そのあと45分間私の講評、提案をする。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

考えるためのツールを紹介~今泉浩晃さんのマンダラート~

  現場で生きていて、心がけていたことがある。

 ①よく見る
 ②それが何かと考える
 ③打つ手を処方する
 ④行動する

 現場を生きていくための処方箋である。
 しかも、この4つは、瞬時に考え、行動する。
 だから、若いときには、よく失敗した。

  しかし、現場で子供たち相手に格闘しているわけで、うまくいくことばかりはない。
 何か行動しなければいけないところが現場である。
 
「理論を実践に」などと格好良い言葉があるが、そんなことは考えてはいられない。
 その時の精一杯の対応しかできないのである。
 
 そこで大切なのは、それまでの経験を反芻して自分の中にしっかりと蓄えをもっているかどうか、なのである。
 それが、瞬時に試される。
  ★
 現場教師を37年間やってきて、一番何が自分にとって問題だったのか。
 
 つくづく私の中に残っている結論がある。

 それは、「考える」ことがあまりにも不足していたことである。
 でも、現場教師は、「考えて」なんていられない。
 それが自然である。
 その場その場で思ったことで行動する以外に方法はないのであるが…。

 「考える」なんて言っているが、実は考えてなんかいない。 ただ、その場で思っているだけ。
  現場教師としてやっているときには、こんなことは思ってもいなかったのである。

 そのことをしたたかに思い知らされたことがある。
  定年退職後のこと。
 ★
 5/15のブログで「大谷翔平が身に付けた冷静な適応力とは?」のことについて書いた。
 大谷翔平が、高校1年生に使っていた「考えるためのツール」も紹介しておいた。
 これの原点は、今泉浩晃さんのマンダラートである。
 
 すでに高校1年で、考えるためにツールを使いこなしていたことになる。

 これを見て「すごい!」と思われるのは、8つの考える要素(セルと言うのだが)の中に「メンタル」「人間性」「運」が入っていること。
 技術をいかに高めるかだけに拘っていないのだということである。
 ここがすごい。
 
 恐らく、大谷は、今故障をしているが、どうするかをこのマンダラートで考えているのではないかと予想する。
 ★
 「私も考えてはいるのです!」と言われる人は多いのだが、それは「思っているだけ」。思うことを、考えると勘違いしているのである。

 「考える」ためには、そのための「ツール」が必要。
 それを提起したのが、今泉浩晃さんなのである。

 これを模倣している本があるが、原点は今泉さんである。 ★
 今泉さんが、どんな提起をされているのか。

  一番ピンときた提起が今泉さんが中学生に向けて書かれたマンダラート入門である。とても分かりやすかった。

 これを今「味噌汁・ご飯」授業研究会で一緒だった秦安彦先生がブログに連載されている。
 https://dousureba2.blog.so-net.ne.jp/

 ★ ★ ★
 「中学生のためのMandal-Art 入門」はデザイナー今泉浩晃先生が、全23回にわたってFacebookのiMandalArtサイト・ノートに連載された記事です。
現在もこのサイトでノート過去記事を遡ればみることができます。
今回、私のブログに転載する許可を得ました。
転載にもしばらく時間がかかりますが、2回分ずつご紹介します。
★ ★ ★
 マンダラートは簡単な方法である。
 やる気になれば、すぐにできる。

 私が退職後に身に付けたのは、この「考える」ことである。
  このツールを使って考えた。
 

 日々の手帳も、これを使っている。
 手づくりである。
 私の日常には、もうなくてはならないものになっている。

 
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)
|

« 2018年6月 | トップページ | 2018年8月 »