2階建ての二層構造になっている
「初任指導報告記」を書かれた小島先生は、2ヶ月だけ今回の初任者指導をされている。
担当した先生は、臨時任用教員という肩書きの先生だったが、厳しい条件をもっていた先生だった。7月に採用試験を控えているということもあるが、身に付けている力量も担任としては厳しい条件であった。
「もし、私が補助をしていなかったら、いつ崩壊の憂き目にあったかもしれない」と言われるほどである。
それでも、他の学年の初任の先生のクラスは荒れまくっている状態の中で、何とかこのクラスは、2ヶ月を過ごしている。
やはり、小島先生の適切な補助指導があったからである。
それほどに初任者指導の先生の影響は大きい。
★
「初任指導報告記」の最後の解説にも書いたことだが、ここでももう一度書いておきたい。
(1)「学級づくり」を優先する
私は、教師が行う「学級経営」や「授業」などは、2階建ての二層構造になっていると考えている。
まず、1階部分の基本的な土台をしっかり成り立たせて、それから2階部分の充実に取りかからなければならない。もちろん、これは同時進行であるが、1階→2階の順序性があることを取り違えてはならない。
学級経営の2層構造では、1階部分で、「これなくしては学級が成り立たない、必須のアイテム」がある。これが、「学級づくり」になる。
2階部分では、授業が中心になる。
初任者にまず最初に指導するのは、1階部分のことである。
1階部分の「学級づくり」の成立を優先しなければならない。早く子供たちが、自分たちで教室を動かしていけるようにしなければならない。
ここが、最も肝心なポイントなのだ。キーワードは、「スムーズさ」。
小島先生は、その必要感を次のように書かれている。
①一日の生活リズムを作る。
②クラスみんなが安定・安心して生活できるように、仕事を分担して活動する。
(2)これなくしては授業は成り立たない、必須アイテム
「授業づくり」での二層構造では、1階部分で、「これなくしては授業は成り立たない、必須のアイテム」があり、2階部分では、協同学習などの学習アイテムやすぐれた発問などの授業向上のアイテムで成り立っている。
本来は、1階部分は、大学の時に身に付けてこなければならないものである。しかし、ほとんど身に付けていない。まったくの白紙部分として指導を始めなくてはならない。
なぜ、1階部分の指導なのか。
これなくしては、一斉授業はきちんと成り立たないからである。
しかし、指導する初任者指導の先生たちにも、このような意識はない。授業を見て、思いついたことを立て続けて指導するだけになる。
ともすれば、2階部分の指導をしてしまって、初任者を混乱させてしまっていることがある。
それでは、1階部分の必須のアイテムとは何か、ということになる。
小島先生は、何を指導されているか。
①指示-確認の原則
②空白の時間をなくす
③「めあて」から「まとめ」45分をきっちり。
④教科書を使うこと
⑤一時に一事の原則
このような流れになる。
★
「学級づくり」と「授業づくり」について、1階部分の内容をきちんと明らかにしなくてはならない。
今、小島先生の報告記と、私の経験を踏まえて、明らかにしているところである。
完成したら、また皆さんに報告したいと思っています。
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