福山憲市先生のこと
福山憲市先生が、また新しい立場で異動されることになった。フェイスブックでは、以下のように紹介されている。
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新しい立場
新聞発表がありました。転勤することになり、担任からも外れます。残り3年の教師生活、学力向上推進教員となり、四校兼務の立場です。多くの先生方、多くの子ども達と出会い、授業や学級経営などについて語り合う立場。教師生活最後の新しい立場に、また多くの学びがあると思い、全力で頑張ります。1年から6年までの担任、特別支援学級の担任、算数専科、教務主任、初任研担当教員など、多くの立場を経験させていただきました。立場立場で見えることが違い、いつも多くの学びがあります。倖せです。管理職の経験はないですが、新しい立場で学べることを、しっかりと探し求めていきたいと思います。(*^_^*)ちなみに、今回の立場は「授業」「学級づくり」を深掘りする自分には幸せな立場です。
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実は、私は福山先生にお願いしたことがある。
「福山先生のクラスの授業を見せてもらえないか」と。
校長の方針があるので、今のところかなわないが、もし校長が替わって、公開が許されるなら、真っ先に私に連絡をしますということであった。
しかし、今回の異動で、福山学級で、福山先生の授業を見せてもらうという願いはかなわなくなった。
まことに残念なことである。
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なぜ、福山先生の授業なのか。
数年前福山先生が、算数専科で5年生の指導をされていたことがあった。
140名の子供たち。4クラスだっただろうか。
算数の中で最難関と言われている「割合」の単元テストで、全体の平均が99.6(このような記憶)ということ。
これにびっくりしたことがある。
普通ではありえないこと。
この授業を、講座で再現するという知らせがあり、早速申し込んだ。山口県の下関まで行ったのである。
講座を受けて、びっくりした。その講座の迫力。
その時強調されたことは、「子供を変えなければならない!」と。
その時、福山先生に「その時の実践を全時、本にしてほしい」と申し込んだ記憶がある。
おそらく、日本の現場教師の中で授業をさせたら、確実に5本指の1人になる教師に違いないと思えた。
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その後、異動して担任を持てるようになったと連絡を受けた。
6年生の担任ということ。
その時の実践が早速フェイスブックに明らかになった。
社会の歴史の勉強でのこと。
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ちなみに、1回目の市販テストの平均点は98.5点(33名)。まだまだ、詰めの甘さを感じた平均点です。1.5点は何かを分析し、今の社会の授業に生かしています。算数にしても、線対称等の市販テストは98.6点。文字と式が97.3点。こういう点は、しっかりと保護者に公開し、自分のどこが甘かったかを書いています。55歳になっても、なかなか市販テスト一つとっても全員満点は、この時期難しいです。
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「おい、おい、これは何だ!」ということ。
突然6年生の担任になり、すぐの授業で、このような点数を上げられるとは、一体何なんだろうか。
普通の公立の小学校なのである。
当然、5年生までは、そのクラスには低学力児が何人かいたはずである。
それを一気に引き上げている。
そうしなければ、このような平均点は出せない。
こんな教師がいるのである。
それは、はっきり授業で引き上げられているはずである。 ★
私は、現場教師の実践を判断する1つの尺度に、どのような「評価」を行っているのか、どのような「事実」を作っているのか、を持っている。
いわゆる「数字」(点数など)と「事実」。
これをいい加減にして、とやかく言ってもダメだということである。
もちろん、納得されない教師も多い。
しかし、福山先生は、これをきちんと提起されている。
しかも、ものすごい「数字」と「事実」で。
私が福山先生の授業を見せてもらいたいという願いがあったことはこれで理解してもらえるだろう。
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福山先生と私が一致したのは、日常授業の改善というテーマであった。
福山先生は、研究推進の立場になれば、校内の重点研究のテーマは、常にこのテーマで推進されたという。
ここにこそ、今学校現場が突きつけられている課題があることは明白である。
また、『AI VS教科書が読めない子どもたち』(新井紀子著 東洋経済新報社)で、数学者新井先生が問うた課題は、恐ろしいものである。
これについては、改めて書きたい。
もう悠長に、学校現場で「ごちそう授業」を追究する時代が終わったことを告げる内容である。
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福山先生が、これからどのような活躍を見せられるのか、注目したい。
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