低学力児を引き上げていく方法が分かってきた(2)
さて、(1)に続いてのことである。
(1)単元テスト分析について
まず、最初に単元が終わってから行う単元テスト(業者テスト)分析をしなければならない。
どうしてか。
低学力児には、「がんばっているよ!」とどんなに励ましても、事実としてテストの点数が良くなっていかなければ意味がない。
結果を何とかしなくては彼らを動かすことはできない。
ここは、彼らを動かす生命線である。
だから、このテストができるようにしなくてはならない。
「ほら見てみろ。やればできるじゃないか!」という声を彼らに届けなければならない。
そして、次のように言う。
「今まで算数は苦手だったかもしれない。でも、今までのことは問題にしない。これからだ。やろうという気持ちがあればできるようにしていく。」
そのためには、どうしてもテストで良い点数(今までにない点数。10点、20点取っていた子供を、60点、70点にしなければならない)を取らせていく必要がある。
私たちは、教材が良くて、教え方がうまくなると、必然的に子供たちはやる気を出し、学力も上がってくると思っている。
こちら側を何とかすれば良いと思っている。
でも、どんなにこちら側をうまくしても、やる気を出すのも、学力が上がるのも、あちら側の子供たちなのである。
ここをいつのまにか忘れてしまっている。
★
私たちは、テスト分析から入る。
このテスト分析で、テストに出る問題を徹底的にマークする。
とくに、教科書の問題をやらせていては解けない問題に最大のマークをかける。
①復習テスト(5分)作成
授業は、復習テスト(5分)ー本時(35分)ースキルタイム(5分)で行う。
最初の5分間を、前時の復習に当てる。
この復習テストの問題は、前時の練習問題でいいが、単元テストを意識した類題の問題にする。
②宿題作成について
宿題は、基本的には、今まで学習してきたものを出すということになる。
ここでも単元テストを意識する。
特に、むずかしくて、間違いやすい問題については、数多くの類題を準備しなければならない(テストと同じ問題を出すなどの姑息なやり方を絶対してはならない)。
この類題を作成するためには、問題集などを準備しなければいけない。
今問題集はたくさん出されている。
私の手元には、『教科書ぴったりテスト』(東京書籍版 新興出版社 1年~6年)がある。
(2)「味噌汁・ご飯」授業実践
毎日の授業は、そんなに準備の時間をかけられない。
教科書通りに教えていけばいい。
70点の授業でいい。
しかし、ここだけは押さえなければならないという肝になるところがある。
①インプットとアウトプットを意識する。
インプットは、例題指導。
ここで問題1問の解き方をきちんと教える。
私たちは、「ときかたハカセ」という形で、例題指導の最後にきちんとまとめる。この「ときかたハカセ」がインプットをアウトプットへつなげていくものになる。
②45分間を完結する。
教えることは本時目標。
教科書の類題、練習問題はきちんと済ませ、スキル(ドリル)5分間ができたら完璧である。
③「分かる」より「できる」を優先
低学力児を、最初から「分かる」ようにすることはむずかしい。最初は、「できる」ようにすればいい。その「できる」を積み重ねることが大切になる。
(3)復習テストの実施
授業の最初の5分間は、復習テストの時間。
実際は、次のように実施する。
①1分間…配布などの準備
②3分間…テスト
③1分間…丸付け(テストを隣と交換。教師が答え
を言う。)
その後、テストを班長が集めて回収。
(4)宿題を出す
問題になるのは、その宿題をどこでチェックするかということ。やらせっぱなしにしないこと。
そして、間違いは直していけるようにすることが大事である。
★
大切なのは、点数を上げていくことの意味を間違わないことである。
子供たちに、算数に対する「意欲」と「自信」を喚起するためである。
この意味を取り違えたら、単なる点数主義になる。
単元テストの平均には、あまりこだわらないことも大切。クラスの子供たちの実態によっては、80,90点の平均点をあげることがむずかしい場合もあるからである。
しかし、この平均は取り組んでいけば自然と上がっていくはずである。
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