« 事務連絡~「1週間のシナリオ」について~ | トップページ | 1週間で100名の方の申し込み~1週間のシナリオ~ »

つれづれなるままに~板倉聖宣さんが亡くなられた~

   ●『あきない世傳 金と銀』五 転流篇(高田郁著 ハルキ文庫)を読んだ。

 いつ続編が出るか、出るかと待ち望んでいたものである。
 一気に読む。
 
 時代小説の世界で、高田郁の存在が確かにある。
 そんな気持ちにさせてくれる小説である。
 
 ★ ★ ★
 ここ大阪には古くから「縁と月日」という言葉がある。もとは「良縁を得るには時をかけよ」という意味だったが、病を得た治兵衛はそこからさらに深い意味を汲み取っていた。即ち、物事が成るか成らぬかは、ひとの想いや働きだけで決まるものではない。神仏の手が差し伸べられるか否か。加えて、起きてしまった難事を解決するためには短気は禁物で、決して諦めずに歳月をかけてゆっくりと時節を待つことだ、との意味だった。
 幸自身、今日まで折々の困難を乗り越え、図太く生きてこられたのは、治兵衛から授けられたこの言葉に守られてきたからだ。
 「『縁と月日ですね』」
 潤み始めた双眸を悟られないように明るい声で言えば、さいな、と治兵衛は力強く頷いた。
 ★ ★ ★

●仮説実験授業の板倉聖宣さんが亡くなられていた。
 知り合いから送られてきた「たのしい授業」3月号で知る。
 87歳。2月7日に亡くなられたという。

 3月号が追悼号になっている。
 
  私は仮説実験授業の良き実践者ではなかった。
 なかなか授業のカリキュラムに位置付けることができなかったからである。
 
   ついつい「つまみ食い」をするということにならざるをえなかった。
  おそらく、ほとんどの先生がそうだったのではないか。

 かつて「ひと」という雑誌が、教育界でさかんに知れ渡っている時代。遠山啓さんとか、遠藤豊吉さんとかと一緒に板倉さんも登場された。
 
  最後まで残っていたのが、板倉さんだったのではないか。
 雑誌の3月号には、板倉さんが講演された記録が掲載されていて、次のように話されている。
 ★ ★ ★
 私は、科学の歴史をやっております。ガリレオが何かを主張したらすぐにみんながわかってくれるなんていうことはありません。すぐにみんながわかるはずはないのです。ニュートンは近代科学を始めた人ですが、同時に錬金術を信じた人です。近代科学を作ったからといって、「化学」は前近代的なんです。
 私が思うに、教育学がよくないのは、何もかもいっぺんに変えようとするからです。組合が悪いのも文科省が悪いのも、いっぺんに変えようとするからです。いっぺんによくしようと思っても、変りっこありません。知恵はだんだんと湧いてくるのです。真理はだんだんと築かれるのです。科学はそのことをよく知っています。だから、科学者は用心深く言いますーー「ここまでは分かったが、ここからは分からない」と。
 ★ ★ ★
 板倉さんは、講演ではほとんど原稿を準備されなかった。何を話すのかはもちろん頭にはあったのだろうが、出たとこ勝負であると、一度講演で話されていた。
 とてもマネできることではなかった。

 民間の教育運動の中心を担った1人が、また、こうして去って行かれた。


 

 

|
|

« 事務連絡~「1週間のシナリオ」について~ | トップページ | 1週間で100名の方の申し込み~1週間のシナリオ~ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/520860/66476431

この記事へのトラックバック一覧です: つれづれなるままに~板倉聖宣さんが亡くなられた~:

« 事務連絡~「1週間のシナリオ」について~ | トップページ | 1週間で100名の方の申し込み~1週間のシナリオ~ »