新しい学校での問題~異動するところで問題になること~
新年度になって、いつもここに書くことがある。
異動をする先生たちの問題である。
1つは、異動先での振る舞いについてのこと。
2つ目は、異動する高学年担任の問題である。
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異動先での振る舞いについては、すでに「国誉め」をするのだと言ってきた。
初めての方は、「これは何ですか!」ということになる。
昔の神事。神を祭る行事のこと。
この神事に、「国誉め」というのがある。
古代、ある国に任命された役人が最初にやった仕事である。
役人が、ある国に任命されて、その国に行って最初に何をやるか。
それは、そこの国がどんなに素晴らしいかを褒め称えることである。
その行為が神事であった。
これを異動の振る舞いとして考えようということである。
ほとんどの先生は、異動先で必ず違和感を覚える。
そうすると、異動してきた先生たちで、「この学校おかしいよね」とこそこそ話を始める。
これは意識しなければ、自然な振る舞いになる。
今までいた学校の習慣になれてきたのである。
それと違う、その学校の習慣に違和感を覚えるのは当たり前。
しかし、愚痴や悪口は、その学校の先生たちから反感を買う。受け入れてもらえない恐れがある。
こういう人間の習性を、古代の神事は、よく分かっていたわけである。
★
どうするか。
「国誉め」をするのである。
さまざまな違和感は、当たり前だと胸に収める。
そして、この学校の良いところはどこだろうと、探すのである。
それを挨拶の場面などで披露する。
その学校の先生は、うれしいはずである。
すんなりと仲間に入れてもらえる。
もちろん、その学校に問題点がある。それは、1年が経って、取り組んでいけばいいのである。じっくりと1年かけて問題点を探ることである。
★
2つ目の問題である。
異動する先生は、こちらの学校で高学年担任をしていれば、間違いなく高学年担任を任される。
荒れている学年は、こちらの学校の先生たちは逃げているはずである。
やむなく、校長は、異動してきた先生で高学年担任をしてきた先生を、そこに当てる。
昔ならば、異動してきた先生を高学年担任にするなんて考えられない人事だったわけである。
今は、平気。
というより、そうせざるをえないわけである。
ここで問題が起こる。
異動してきた先生は、子供たちも知らない、親たちも知らない。
本人は、今までの学校で学級崩壊したクラスを何クラスも立て直してきたのだとプライドと自信をもって臨む。
しかし、思うようにいかない。
子供たちから反発を食らう。
子供たちがだらしないからと言って、がんがん叱りつけているからである。
だんだん学級が荒れていく。
本人は、プライドがずたずたに引き裂かれて、鬱病になり、休職の憂き目に会う。
こんな事例は、今、数限りなくある。
どんなに力量を持っていると自負している先生でも、必ず起こると覚悟した方がいい。
★
だから、異動先で高学年担任(6年担任ならば、最も危険である)ならば、まず慎重に始めなければならない。
どうするか。
荒れている学年ならば、縦糸:横糸=2:8ぐらいの気持ちで始めなくてはならない(これを8:2ぐらいでやるから反発を食らうのである)。
様子を見ながら、少しずつ縦糸を増やしていくのである。
今、異動するということはこれほど大きな問題を抱えている。
心して異動してほしい。
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