1週間で100名の方の申し込み~1週間のシナリオ~
「1週間のシナリオ」は、1週間で、100名近くの方が申し込まれた。
まだ続々と申し込みが続いている。
できるだけ多くの方に広めてほしいと願っている。
「こんなにして1週間で学級の仕組みは作るんだ!」という理解が深まることを願ってのことである。
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初任者の悩みは、具体的である。
2日目の大掃除は、どのようにして行うのか、子供たちをどのように配置するのか。
給食が始まるが、どのように給食当番を決めるのか、配膳はどのようにするのか、片付けはどのようにするのか。
…………
初任者は、こんなところで、はたと立ち止まってしまう。
やり方が分からないのである。
隣の先生に聞きに行くが、一々聞けない。
子供たちは混乱する。空白の時間ばかりが多くなる。
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特に、何かを決めるときに混乱する。
たとえば、教科書を図書室に取りに行かねばならない。
どうするか。
普通は、担任が、教科ごとに人数を決めて、前の方からどんどん運んでいく子供を指名し、取りに行けばいい。
ところが、これができない。
「今から教科書を取りに行きます。先生と一緒に取りに行ってくれる人はいますか?」と。
ほとんど全員の子供が手を挙げる。
「こんなに多くの人が取りに行ってくれるんだ。こんなに人数はいらないので、じゃあジャンケンをしようか!」とやり出す。
こんな調子で、教科書を取りに行くだけで1時間かかってしまう。
初任者の多くは、教師が指名をして決めていくことはダメなことだと思っている。強制的に何かをさせるのを避けようとする。
そこで、子供たちが自主的に手を挙げたり、公平にじゃんけんをする選択をする。
だから、無駄な時間が、多くなり、前へ進まない。
ただでさえ学期はじめは、分刻みに過ごしていかなければならない時間なのに、しばしば中断し、混乱する。
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30年、40年前なら、こんな中断はまったく問題はなかった。学級の仕組みはゆっくり作っていけば良かったからである。
多くの混乱は、クラスにいる数人の子供たちが、「先生、前のクラスの先生は、こうしていました!」と教えてくれた。「おおっ、そうか、そうか、そうしよう」と言っておけば良かった。
何が変わったのか。
教えてくれる子供たちがいなくなったのである。
だから、任がきちんと仕切って、教室の仕組みを作らなければならない。これは、初任も、ベテランの教師も、同じ。初任という甘さはない。
子供たちに一々聞くと、「今度の初任の先生は、何にも知らないんだぜ。頼りないなあ!」ということになる。
そして、担任と権力闘争をしようという「やんちゃな子供」が出てくる。
超やんちゃな子供の中には、このクラスで、担任よりも自分たちの方が優位だと、他の子供たちに示したいと願う場合が出てくる。
自分がこのクラスで思うように動きたいという願いからである。
そのためには、担任より優位に立たなければならない。そこで、さまざまな手を打ってくる。
初任者は、対抗できない。
そういう経験もしたことがないし、手立てもしらないからである。
初任者のクラスが荒れていく事例の中心に、この事態がある。
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ただ、できることがある。
1週間(「7」)でクラスの仕組みを作り、1ヶ月(「30」で)で繰り返し、繰り返し、その仕組みを徹底させる。
その仕組みで、子供たちが、自分たちでクラスを動かすようにしていくことである。
1ヶ月が勝負だというのは、このことである。
真面目派の2割の子供たちが、中心になってくれる。
中間派の6割の子供たちが、それについて行けるようになれば、学級づくりは大旨成功したということになる。
スムーズに教室の一日が進んでいく。
こういう雰囲気が、学級にできあがれば、超やんちゃな子供たちは、勝手に動くことができなくなる。
誰だって、クラスで孤立したくない。
楽しい雰囲気の中にいたいのである。
こんな時、担任は、超やんちゃな子供を、クラスに包み込んでいくように働きかければいい。
★
早くクラスの仕組みを作ること。
繰り返し、その必要を強調している。
初任の先生は、そこからなのである。
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