オリンピックなのだ~勝者は「考え方」が他と違う~
ピョンチャンオリンピック。
どこのテレビでもやっている。ついつい見てしまう。
ここには、八百長などは一切ないから、真剣なやり取りがあるだけである。
スノーボード男子ハーフパイプの平野歩夢選手(19歳)は、銀メダルに終わった。金メダルを期待されていたが、ショーン・ホワイト(31歳、アメリカ)に敗れてしまった。
ショーンは、もうとっくに峠を越えた選手と思われていたが、どうして、どうして、そんなことはなかった。
平野とショーンとの差は何か。
このことで思い出す選手がいる。
ラニー・バッシャムである。
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ラニーは、1972年のミュンヘンオリンピックで射撃銀メダル。
金メダルを期待されたミュンヘンでプレッシャーに潰され、銀メダルに終わった悔しさから精神との闘いが必要と痛感。
しかし当時は精神を訓練する方法を教えるようなものはなかった。
そこで、オリンピックの金メダリストに直接やり方を聞いたり、いろいろな本を読み情報を集め集約した。
スポーツの世界に「メンタルマネージメント」という理論・手法を最初に取り入れたのである。
1976年のモントリオールオリンピックで金メダルを獲得した選手である。
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ラニーは言っている。
★ ★ ★
世界最高の人々を相手に競技し、かつ教えてきた私の経験からいうと勝者とそれ以外の人々を隔てるものは、たった一つ・・・・「考え方」だけです。勝者は、考え方が他の人とは違うということです。
私が知っている勝者たち全部に当てはまる回答はこれしかありません。
★ ★ ★
「考え方」が、勝者とそれ以外の者とをわけると言っている。
これは、注目に値する言葉である。
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8回目のオリンピックに参加する葛西選手は、試合の前のインタビューで「楽しく飛べたらいいですね!」とか言っていた。
私は、もう葛西は参加するだけに終わっているなと、思ってしまう。
(やはり、葛西はまったくメダルにからむレベルではなかったと、朝の速報で知った。)
「楽しい」とインタビューで語る選手は多いのだが、こういう言葉を言い出せば、もはや勝者になれることはない。
そう思ってきた。
「考え方」が、もう勝者になるレベルから滑り落ちている。メダルを取るために、人生やその後の生活を賭けてきている選手たちに勝てるはずはないからである。
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羽生選手が、金メダルに輝いた。
右足首を痛めてから2ヶ月間も氷に乗れなかった。
この日に向けた調整はわずか1ヶ月半。
直前練習でもジャンプは不安定だった。
それでも、修正ができたのには、きちんと理由がある。
羽生は、「考え方」が抜けていたということになる。
ショートプログラム首位に立った、その日羽生は語っている。
「何年間もずっと一緒に付き合ってくれたジャンプなので。感謝しながら跳んでいました」。
滑れない間、「色々なもので勉強してきた」「フォーム、イメージを固めていた」と言った。
そして、練習再開時に「イメージを氷上に移した」のだという。
羽生は、小学2年のころから付け始めた「研究ノート」に記録していたという。つまり、成功や失敗したときに体の各部分がどう動いていたかを整理し、共通点を書き出す。
そして、ジャンプ成功のための「絶対見つけなきゃいけないポイント」を絞っていく。
だから、羽生は自分の精神状態や体の動きを、言葉で的確に言い表せる。
(朝日新聞の記事を参考にさせてもらった)
4回転のジャンプの練習は、2週間ほどであったという。
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勝者は勝つべくして勝つ。
偶然はない。
それは「考え方」の勝利。
人は更にいっぱい練習すれば、今度は銀メダルから金メダルになれると思うかも知れない。
それでは永遠に取れない。
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氷上の、これらの闘いは、私たちに1つの大きな教訓を残してくれる。
「考え方」なのである。
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