つれづれなるままに~大石先生に憧れて~
●NHKのにっぽん紀行で「二十四の瞳 大石先生に憧れて」 を見た。香川県の小豆島で、2人の女性教諭(初任、4年目)のクラスが公開されていて、おもしろかった。
特に、2年生の担任である初任のT先生のクラスは、初任のクラスらしく、やんちゃな男の子数人に悩んでいて、とても憧れている大石先生のクラスのようにはなっていなかった。T先生が悩んでいる様子も、映し出されていた。
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二十四の瞳の大石先生は(実在の人物ではない)、戦後の日本人がずっと憧れてきた先生である。必ず憧れのトップになる先生(今はもう大石先生を知っている先生方が少ないが)。
子供一人一人に寄り添って行く先生である。
私は、その映画をもう一度見直してみたことがある。
高峰秀子主演の映画。
涙、涙と思いきや、ちょっと「え~~」と思ってしまう。
大石先生、あらゆるところで泣き出してしまう。弱々しい。
この大石先生を、現在のクラスの担任にしたら、すぐに学級崩壊になってしまうのではないか、と思ってしまう。
★
大石先生に憧れているだけではダメなのである。
現実の子供たちの状況をしっかりと見つめ、対処しなければいけない。
初任のT先生は苦労していた。
授業も、ちょっとだけ公開される。
ひどい授業をしていた(失礼!)。
これは、大石先生に憧れている段階ではないなと思ってしまう。
●NHKの情報番組「あさイチ」で「学校現場が変わっている」と特集をしていた。
冒頭で、どれが変わっているかと問いかけが出された。
①先生が教えない
②教科書を使わない
③テストは生徒が作る
答えは、3つとも正解である。
「おい、おい!」と見続ける。
ここ6年間で1000人近くの先生の授業を見てきた私としては、完全に間違い。
こんなことをやっている学校は1校もなかった。
②は、学校教育法34条に違反する。法律違反である。
こういうことを平気で言う先生がいるが、法律違反になる。
ゲストとして羽根拓也さんが出ていた。
もう10年以上前からアクティブ・ラーニングを提唱してきた人である。
現実を踏まえた提起をしていた。
言われたことは、2つ。
①今までインプットばかりの授業をしていたが、アウトプ ットの授業をしなければならない。
②今までしゃべってばかりいた先生が、急にアクティブ・ ラーニングの授業はできないので、問いかけをして生徒 に考えさせるような授業を工夫してみる。段階的に考え ていかなければならない。
①は「味噌汁・ご飯」授業として言い続けてきたこと。
②も、「おしゃべり授業」を克服しなければならないと、何度も提起してきたことになる。
今、日本の数多くの先生たちは、「おしゃべり授業」をしている。インプットばかりの授業。
その授業を急にアクティブ・ラーニングにすることなんてできない。
当たり前のことである。
クラスの子供たちを、話し合いのできるクラスに変えていくには、話し合いの場を設定すればできるようになると勘違いをしている先生がいる。
実は、これは教師の高度な技量によって成立してくることを分かっていない。
教える量は、まったく変わっていないのに、そんな授業ばかりもできない。
これも当たり前。
あさイチで取り上げた学校が、ほとんど全ての学校の取り組みのような印象を与え、あのような授業ばかりやっていると思わせてしまう。
これは困ったものである。
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