年若き友へ(1)
私の甥と姪が、教員採用試験に合格した。
うれしい知らせに、我がことのような喜びを味わった。
だが、2人とって、このことは出発点に過ぎないのである。
これからなんだということ。
目標を達成してつかの間、1年目に辞めていく初任者は数多くいる。
この中には、教師への大きな期待と夢を膨らませていた人たちもいるはずである。
それを無残に打ち砕いていく。
何とかしたいという思いで、これまで初任者指導の研修に関わってきた経緯がある。
最近何をすればいいか、それがはっきり見えてきている。
今までも本にして明らかにしてきたが、なお一層きちんと形にしたいと願っている。
緊急の課題である。
★
私は、「教師人生」を以下のように考えてきた。
まず最初の10年間は、「モノマネ」の時代。
さまざまな本を読む。さまざまな研修を受ける。授業を数多く見る。
そこでマネしたいことを実践してみる。
数多くマネをして、数多く失敗する。
そして、自分の中に落ちてくるものを自分の実践に取り込む。
そんな時代が10年間ぐらい続く。
最近は、本を読まないでネットで済ます先生が数多い。
もったいないこと。
もう自分の教師人生を狭めてしまっている。
本はその人の教師人生をかけて書かれたものである。
そこから学ばない手はない。
引き出しを数多く蓄えることは、大切なこと。
これからの教師人生を歩んでいくには、この10年間でどれほど蓄えられるか、勝負になる。
★
次の10年間は、自分の教師像を作り上げる時代。
もうモノマネの時代は終わりである。
(決して蓄えをするなという意味ではない)
自分なりの教師像を作り上げていく。
自分は何が得意で、何が苦手なのか。
何を伸ばしていくか。
自分にしかできない教師像を作り上げていく。
★
もう1回自分を変えなければならない時代が来る。
40代の中盤から50代へかけての時代。
ほとんどが管理職に進んでいく。
今までは自分に向けていたベクトルが、ほとんど学校や他の先生方へ向けられていかなくてはならない。
(管理職にならなくても、これは変わらない)
★
ざっと簡単になぞればこんなことになる。
モノマネの時代で終わる先生がいる。数多い。
それで良いのだと思い込んでいる。
また、そのモノマネさえしない教師もいる。
こんな先生も数多い。
自分の教師人生を極端に狭めてしまう。
いつ学級崩壊などの憂き目に会うか、細々とした危うい一本道の人生である。
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