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再び「味噌汁・ご飯」授業~学力について~

   「味噌汁・ご飯」授業の算数編を提起した。

 この中で多くの先生たちが戸惑うのは、学力=点数だとした提起である。
 こんなことを正面から主張したことは今までなかったはずである。
 タブー視されてきたことでもある。
 ★
「味噌汁・ご飯」授業は、まず1時間を完結する授業にすることが原点になる。
 本時の目標がある。
 それを達成するために組み立てる。
 
 その1時間で達成することは、子供たちにとっては1時間分の「学力」を身に付けるということになる。
 
  1つの単元が終わったら、1時間ごとに身に付けた学力がきちんと身に付いているかどうかをテストをする。

 そのテストの結果(点数)が「学力」になる。

 私たちは、このように「日常授業」の「学力」を位置づけている。
  ★
 こういうことで「学力」が形成され、そのためには毎日の「授業」の積み重ねが必要であるという考え方。
 言われてみれば当たり前なのだが、このことが、学校現場では、実に曖昧であった。
 
 「学力」というのは、何か特別な考え方をしなければ位置づけられないのだと、私たちは思い込んでいたところがある。

 確かに「学力」についてはさまざまな本が出されていて、ネットで探せばさまざまな学力論が展開されている。

 「学力」というのは、何かむずかしいもので、現場にいる私たちには縁遠いものだという認識である。

 だから、「これから本校では学力向上の取り組みをやる」という研究課題が設定されたら、まず最初に「学力」の定義をしなければならないという発想になる。
 学力論の勉強会である。

 まずさまざまな学力の定義を勉強して、それで学力について考えていこうというわけである。
  ★
 私たちが毎日やっている授業は、子供たちに学力を身に付けることをやっているのである。

 5年生の単元で「小数のわり算を考えよう」の3時間目で「小数÷小数の計算の仕方について理解する」という本時目標で1時間の授業をする。

 この時間で「小数÷小数の計算の仕方」を子供たちに身に付けさせる。

 これがこの時間での「学力」になる。

 そして、この単元で5年生の「小数のわり算」の学力を身に付けさせるのである。 
 この学力が身に付いているかどうかが問われるのである。

 私たちは、ここから、この「事実」から出発すべきだったのである。
 ★
 この学力(すなわち「日常授業」で身に付ける学力)が、すべての学力の基盤である。
 
 しかし、この学力だけで「他が要求する学力」(全国学力テストや標準学力テストなど)に対応できるかというと、そうはいかない。

 「日常授業」で身に付けた学力(日頃のテストは良くできる子供)が、そのまま全国学力テストや標準学力テストには通じない。

 それは、問題が違うし、答え方も違う。
 教科書での問題で身に付けた学力では、対応できない問題がある。

 上位層の子供は、どのテストでも対応できる力を身に付けているが、中位層や低位層の子供たちは、そうはいかない。

 これは教室では当たり前に目にする光景。

 上位層の子供は、学習塾や通信講座などでさまざまな問題に当たってきていて、それができる学力を身に付けているからである。
  ★
 私は、現役の頃、「基礎的な学力を身に付ければ、応用問題にも対応できる力がつく」という考え方を持っていた。
 
 この考え方は、ピアジェが提起したものらしい。
  でも、これは、今でも多くの教師たちのものでもある。
 
 これで私も対応していた。
 しかし、まったく対応できなかった。
 
 日頃のテストは、平均90点以上の点数を上げているのに、全国学力テストや標準学力テストではガクンと落ちる。
 そんな結果を見てきた。

 考え方が間違っていたのである。
「ほんとうの学力」というのはない。
 そんな学力があるのだと、ずっと思い続けてきた。
 勘違いであった。
 
 私たちが算数本で提起したのは、「日常授業」で身に付ける学力である。
 これが子供たちの基盤になることは間違いない。
 
 しかし、これが他のテストでの学力として通用するかというとそうはいかない。
 全国学力テストは、要求しているテストの内容を分析しなければならない。
 標準学力テストもまた、そのテストが要求している内容を分析しなければならない。

 そうしなければ、目指すべき学力を上げることはできない。

 これは、認知心理学が明らかにしてきたこと。
 くわしく言えば、文脈依存性や領域固有性という考え方によって明らかにされている。

 もし現役の頃、この考え方を知っていれば、私のクラスの子供たちはもっと良い成績になったことは間違いない。断言することができる。
 そういうことなのである。 

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